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抗悪性腫瘍薬の投与に伴う悪心嘔吐で「オランザピン」の使用が保険適用に

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厚生労働省医薬・生活衛生局は6月9日付けで、日本緩和医療学会、及び日本消化器病学会より要望提出されていた、抗精神病薬の「オランザピン(商品名ジプレキサ)」の公知申請に係る事前評価が終了した適応外薬の保険適用について、同日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で、「オランザピン(商品名ジプレキサ:日本イーライリリー)」の公知申請について事前評価が行われ、保険適用が承認された。



オランザピン_商品名ジプレキサ
ベンゾジアゼピン系抗精神病薬「オランザピン(商品名ジプレキサ)」


この追加された効能・効果について、医薬品審査管理課長通知「新たに薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適応外使用について」を発出し、これまでの適応症である統合失調症・双極性障害における躁症状・うつ症状の改善のほかに、『シスプラチンなどの抗悪性腫瘍薬の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)』に対して使用した場合に、保険適用の対象とする事を周知した。


抗悪性腫瘍剤シスプラチン
代表的な抗悪性腫瘍薬「シスプラチン」



適応外使用を認めるに当たっては、原則として、副腎皮質ステロイド、5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬など、他の制吐薬と併用する事。

通常、成人にはオランザピン5mgを1日1回経口投与し、1日の上限を10mgとする事などを盛り込んだ。

また、抗悪性腫瘍薬の投与前に投与し、癌化学療法の1クールにつき6日間までを投与の目安とする事も示された。



 ◎薬事承認された後、添付文書に反映される予定の効能・効果や用法・用量などは以下の通り。

■【対象となる医薬品】
ジプレキサ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg、同細粒1%
オランザピン細粒
「ジプレキサ細粒1%(オランザピン細粒1%)」

ジプレキサ・ザイディス錠2.5mg、同ザイディス錠5mg、同ザイディス錠10mg

ザイディス錠
「ジプレキサ・ザイディス錠」

■【追記される予定の効能・効果】
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)

■【追記される予定の用法・用量】
<抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合>
他の制吐剤との併用において、通常、成人にはオランザピンとして5mgを1日1回経口投与する。尚、患者の状態により適宜増量するが、1日量は10mgを超えないこと。



■【追記される予定の注意喚起】
<抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合>
本剤は、強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。


■【用法・用量に関連する使用上の注意】
<抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合>
・本剤は、原則としてコルチコステロイド、5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬等と併用して使用する。尚、併用するコルチコステロイド、5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬等の用法・用量については、各々の薬剤の添付文書等、最新の情報を参考にし、投与すること。
・原則として抗悪性腫瘍剤の投与前に本剤を投与し、癌化学療法の各クールにおける本剤の投与期間は6日間までを目安とすること。




尚、オランザピンは2001年6月に保険収載されており、その際、基本的注意の項目に、「本剤には嘔吐を抑える作用があるので、薬物中毒、腸閉塞、脳腫瘍などによる嘔吐症状を隠す事があります」と記されていて、この副症状が、今回抗がん剤使用時の制吐薬としての処方で保険適用が認められた事になります。





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