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膵・消化管神経内分泌腫瘍で「ソマチュリン®皮下注120mg」が追加承認を取得

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帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区)は7月3日、フランスのパリに本社を置くイプセン社(ADR:IPSEY)から導入している、先端巨大症および下垂体性巨人症治療剤「ソマチュリン®皮下注120mg」(一般名:ランレオチド酢酸塩)について、厚生労働省より、「膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET=Neuroendocrine Tumor)」の効能・効果の追加承認を取得したと発表した。


ソマチュリン皮下注120mg
「ソマチュリン®皮下注120mg」


膵臓や小腸・直腸などの消化管に発生する「膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)」は、ホルモンを分泌する神経内分泌細胞から発生する悪性腫瘍で、ホルモン(ガストリン、インスリン、グルカゴンなど)の過剰分泌により様々な症状が現れる「機能性」と、ホルモン分泌による症状がない「非機能性」に大別されます。

「機能性」タイプでは、低血糖や消化性潰瘍、重度の下痢などの症状を引き起こす事がある。

神経内分泌腫瘍の発症部位別頻度
神経内分泌腫瘍の発症部位別頻度。


日本人が、1年間に新規発症する割合は、人口10万人当たりで膵神経内分泌腫瘍が約1.3人、消化管神経内分泌腫瘍が約3.5人と言われています。
いずれも比較的稀少な疾患ですが、患者数が年々増加傾向にある事から、その治療意義が高まっている。



膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)に対しては、第一選択として外科的切除による全摘が標準的な治療となっていますが、切除不能や手術後に腫瘍が残った場合には、腫瘍増殖を抑えて、生命予後を改善させる薬物治療が用いられている。

微妙なコントラストの膵臓神経内分泌腫瘍の画像

膵頭部の神経内分泌腫瘍
膵頭部の神経内分泌腫瘍では、
肝転移などが無ければ腫瘍切除による機能温存手術が可能。

消化管・直腸神経内分泌腫瘍の内視鏡画像
消化管(直腸)神経内分泌腫瘍の内視鏡画像。


身体症状が見られる膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)の薬物治療としては、*ソマトスタチンアナログ製剤が第一選択とされています。

しかし、日本国内には、抗腫瘍効果で膵神経内分泌腫瘍に使用可能なソマトスタチンアナログ製剤はなく、消化管神経内分泌腫瘍には1剤のみで、薬剤の選択肢が限られていました。

*ソマトスタチンアナログ製剤とは…
  内分泌ホルモンの分泌を抑制する効果を持つ▼ソマトスタチンの類似化合物の事。(▼ソマトスタチンは、視床下部などから分泌される成長ホルモン放出抑制ホルモン)




今回、先端巨大症および下垂体性巨人症治療剤「ソマチュリン®皮下注120mg」の追加承認の取得は、イプセン社が欧州14か国で実施した、切除不能、または遠隔転移を有する膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)を対象に、『ランレオチド酢酸塩』の有効性・安全性を検証した、プラセボ対照の「CLARINET®試験」、及び帝人ファーマが日本で実施した、2013年以降の第2相臨床試験の結果に基づくもの。


ソマチュリン皮下注
「ソマチュリン®皮下注120mg」は、日本で初めての膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)を適応症に持つソマトスタチンアナログ製剤となります。




【製品概要】
【販売名】:ソマチュリン®皮下注60mg、ソマチュリン®皮下注90mg
      ソマチュリン®皮下注120mg
  『膵・消化管神経内分泌腫瘍の効能・効果は「ソマチュリン®皮下注120mg」のみ承認されています。』

【一般名】:ランレオチド酢酸塩
【剤 形】:徐放性注射剤(針付きプレフィルドシリンジ製剤)

【効能・効果】
■ 下記疾患における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善。
先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)

膵・消化管神経内分泌腫瘍

【用法・用量】
■ 通常、成人にはランレオチドとして90 mgを4週毎に3ヵ月間、深部皮下に注射する。その後は患者の病態に応じて60 mg、90 mgまたは120 mgを4週毎に投与する。

通常、成人にはランレオチドとして120 mgを4週毎に、深部皮下に注射する。





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