マルホ株式会社(本社:大阪府大阪市北区)は7月4日、乳児血管腫治療薬「ヘマンジオル®シロップ小児用0.375%」(一般名:プロプラノロール塩酸塩)の製造販売承認を取得したと発表した。
「ヘマンジオル®シロップ小児用0.375%」は、プロプラノロール塩酸塩を有効成分とする、国内初の乳児血管腫治療薬である。
国内では乳児血管腫(別名:苺状血管腫)を適応とする医療用医薬品が無かった事から、日本小児血液・がん学会より乳児への投与に適したプロプラノロールの早期開発要望書が、厚生労働省に提出されていた。
乳児血管腫(Infantile Hemangioma)は、出生時には僅かに赤いか無症状で、出生時もしくは生後1~4週で急速に隆起し、増大します。表面はイチゴのように鮮紅色を示す場合が多いのですが、色調には変化が無い事もあります。表面がこぶ状に隆起するものは3割程度で、6割近くは軽度に隆起するだけです。
腫瘍自体は良性血管性で、血管内皮の増殖を特徴とし、発症率の男女差は1:3と女性に多い。
症状は、1年以内に急速に増殖しますが(増殖期)、その後90%以上は5~7歳までに、数年かけて自然に消えて行くので、特に合併症の危険が無い大部分は、無治療で経過を見て差し支えありません。
乳児血管腫の原因は、胎児期の発達段階にある血管を構成する細胞が、何らかの要因で残り、出生後、母親から受けていた増殖抑制因子が欠乏する事で、増殖するのではないかと言う考えがありますが、確定されていません。
本来、自然消滅する良性腫瘍ですが、病変の大きさや発生部位によっては、“うっ血性心不全、気道狭窄、眼瞼眼窩(がんけんがんか=まぶたと目のくぼみ)病変”による視性刺激遮断弱視、斜視、乱視、耳下腺病変に伴う外耳道閉鎖、出血を伴う潰瘍形成等、重要臓器、及び感覚器官に影響を及ぼす事から、症状発現時には早期治療が必要とされています。
特に早急な治療が必要とされるのは、まぶたに発症し、眼を塞いでしまうようになったものや、気道を塞ぐものなどです。
これまで、日本国内で乳児血管腫を適応とする医療用医薬品が無かった為、治療は、副腎皮質ステロイド薬の大量投与、効果が不十分な場合には、インターフェロンα(アルファ)の連日皮下注射、ビンクリスチン(抗悪性腫瘍剤)などを用いた治療が試みられています。
これらの治療は効果的ですが、しかし乳幼児では、いずれも重い副作用を生じる可能性があり、単に色調だけを、自然経過よりも早期に淡くしたい場合、色素レーザー治療を行います。
この治療は副作用が少ないのですが、隆起したコブを小さくする効果は期待出来ません。
新たに承認された「ヘマンジオル」の有効成分であるプロプラノロール塩酸塩は、日本薬局方に収載されている非選択的β受容体遮断薬で、錠剤は、1960年代から高血圧、狭心症、不整脈等の治療薬として使用されています。
小児においても不整脈、右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制の適応が承認されている。
プロプラノロール塩酸塩が乳児血管腫に対して有用であると言うのは、フランスのボルドー大学で、偶然発見されました――。
乳児血管腫(Infantile Hemangioma)を合併する肥大型閉塞性心筋症の乳児患者に使用した事をきっかけに、有効性が発現、2008年に論文報告され広く認知されるようになった。
その後、乳児用シロップ製剤の開発が進み、海外では2014年3月に米国で、2014年4月に欧州で承認・臨床使用されている。
<製品特徴>
【効能・効果】:乳児血管腫
【成分・含量(1mL中)】:プロプラノロールとして3.75mg
【特徴】:バニラいちご味のシロップ剤で、専用ピペットを用いて乳幼児に投与する。
【用法・用量】:通常、プロプラノロールとして1日1mg/体重1kg~3mg/体重1kgを2回に分け、低血糖を起こす恐れがある為、空腹時を避けて経口投与する。
投与は1日1mg/kgから開始し、2日以上の間隔を空けて1mg/体重1kgずつ増量し、1日3mg/kgで維持するが、患者の状態に応じて適宜減量する。
【主な除外基準】:先天性血管腫(要確定診断)、気管支喘息、気管支痙攣、低血糖、コントロール不良の心不全など。
専門医・小児科医など、乳児血管腫の治療経験を持つ医師の指示で投与する事。
「ヘマンジオル®シロップ小児用0.375%」は、プロプラノロール塩酸塩を有効成分とする、国内初の乳児血管腫治療薬である。
国内では乳児血管腫(別名:苺状血管腫)を適応とする医療用医薬品が無かった事から、日本小児血液・がん学会より乳児への投与に適したプロプラノロールの早期開発要望書が、厚生労働省に提出されていた。
乳児血管腫(Infantile Hemangioma)は、出生時には僅かに赤いか無症状で、出生時もしくは生後1~4週で急速に隆起し、増大します。表面はイチゴのように鮮紅色を示す場合が多いのですが、色調には変化が無い事もあります。表面がこぶ状に隆起するものは3割程度で、6割近くは軽度に隆起するだけです。
腫瘍自体は良性血管性で、血管内皮の増殖を特徴とし、発症率の男女差は1:3と女性に多い。
症状は、1年以内に急速に増殖しますが(増殖期)、その後90%以上は5~7歳までに、数年かけて自然に消えて行くので、特に合併症の危険が無い大部分は、無治療で経過を見て差し支えありません。
乳児血管腫の原因は、胎児期の発達段階にある血管を構成する細胞が、何らかの要因で残り、出生後、母親から受けていた増殖抑制因子が欠乏する事で、増殖するのではないかと言う考えがありますが、確定されていません。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
本来、自然消滅する良性腫瘍ですが、病変の大きさや発生部位によっては、“うっ血性心不全、気道狭窄、眼瞼眼窩(がんけんがんか=まぶたと目のくぼみ)病変”による視性刺激遮断弱視、斜視、乱視、耳下腺病変に伴う外耳道閉鎖、出血を伴う潰瘍形成等、重要臓器、及び感覚器官に影響を及ぼす事から、症状発現時には早期治療が必要とされています。
特に早急な治療が必要とされるのは、まぶたに発症し、眼を塞いでしまうようになったものや、気道を塞ぐものなどです。
これまで、日本国内で乳児血管腫を適応とする医療用医薬品が無かった為、治療は、副腎皮質ステロイド薬の大量投与、効果が不十分な場合には、インターフェロンα(アルファ)の連日皮下注射、ビンクリスチン(抗悪性腫瘍剤)などを用いた治療が試みられています。
これらの治療は効果的ですが、しかし乳幼児では、いずれも重い副作用を生じる可能性があり、単に色調だけを、自然経過よりも早期に淡くしたい場合、色素レーザー治療を行います。
この治療は副作用が少ないのですが、隆起したコブを小さくする効果は期待出来ません。
新たに承認された「ヘマンジオル」の有効成分であるプロプラノロール塩酸塩は、日本薬局方に収載されている非選択的β受容体遮断薬で、錠剤は、1960年代から高血圧、狭心症、不整脈等の治療薬として使用されています。
小児においても不整脈、右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制の適応が承認されている。
プロプラノロール塩酸塩が乳児血管腫に対して有用であると言うのは、フランスのボルドー大学で、偶然発見されました――。
乳児血管腫(Infantile Hemangioma)を合併する肥大型閉塞性心筋症の乳児患者に使用した事をきっかけに、有効性が発現、2008年に論文報告され広く認知されるようになった。
その後、乳児用シロップ製剤の開発が進み、海外では2014年3月に米国で、2014年4月に欧州で承認・臨床使用されている。
<製品特徴>
【効能・効果】:乳児血管腫
【成分・含量(1mL中)】:プロプラノロールとして3.75mg
【特徴】:バニラいちご味のシロップ剤で、専用ピペットを用いて乳幼児に投与する。
【用法・用量】:通常、プロプラノロールとして1日1mg/体重1kg~3mg/体重1kgを2回に分け、低血糖を起こす恐れがある為、空腹時を避けて経口投与する。
投与は1日1mg/kgから開始し、2日以上の間隔を空けて1mg/体重1kgずつ増量し、1日3mg/kgで維持するが、患者の状態に応じて適宜減量する。
【主な除外基準】:先天性血管腫(要確定診断)、気管支喘息、気管支痙攣、低血糖、コントロール不良の心不全など。
専門医・小児科医など、乳児血管腫の治療経験を持つ医師の指示で投与する事。