エーザイ株式会社(本社:東京都文京区)、EAファーマ株式会社(本社:東京都中央区)、持田製薬株式会社(本社:東京都新宿区)の3社は、世界初の作用機序を持つ、『胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害剤/慢性便秘症治療薬「グーフィス®錠5mg」(一般名:エロビキシバット水和物)』について、4月18日付けで薬価基準に収載された事を受け、4月19日より、EAファーマ株式会社と持田製薬株式会社から、それぞれ新発売したと発表した。
EAファーマ株式会社と、その親会社のエーザイ株式会社は共同販促する。
便秘とは、「本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。
診断は、排便回数の減少、便の硬さ、排便困難感、残便感等により診断されます。
水分摂取量の減少や、発汗、緊張など、一時的な未排便とは異なり、腹痛、直腸残便感、腹部膨満感があり慢性化するのが特徴です。
便秘症は、若年層の女性に多く、また男女共に高齢者の罹患比率が高い疾患で、日本に於ける有訴者数は、約450万人(平成28年国民生活基礎調査(厚生労働省)より推定)と推定されます。
「グーフィス®錠5mg」は、EAファーマ株式会社がスウェーデンのAlbireo AB社から導入した、新規作用機序を持つ、1日1回経口投与の慢性便秘症治療薬で、本作用機序を有する薬剤としては、世界初となります。
《小耳を拝借》
胆汁酸は、肝臓でコレステロールから合成される物質で、胆汁の主成分として胆嚢に蓄えられます。
食事に伴って胆嚢から十二指腸へ分泌され、腸肝循環(腸管から再び吸収され肝臓に戻る)により小腸で約95%が再吸収される。
一方、再吸収されなかった胆汁酸は大腸へ到達して、大腸管腔内で胆汁酸が増加すると、胆汁酸の働きによって大腸管腔内へ水分が分泌され、また消化管運動が促進することが知られています。
「グーフィス®錠」は、胆汁酸トランスポーター(IBAT=ileal bile acid transporter)阻害作用を有するエロビキシバット(Elobixibat)を有効成分とし、胆汁酸再吸収が阻害され、大腸へ流入する胆汁酸の量が増加すれば、大腸管腔内への水分の分泌と大腸運動促進の2つの作用で、自然な排便を促す事が期待されています。
こうした作用機序を持つ便秘症治療薬は、これまでになく、既存の便秘治療薬の長期使用による耐性化や、習慣性(薬剤の増量)、高マグネシウム血症を含む電解質異常、悪心などの発現等が起こりにくく、自発排便に近い治療効果を発揮する可能性を持つと考えられる
【製品概要】
【製品名】:グーフィス®錠5mg
【一般名】:エロビキシバット水和物
【剤型・含量】:1錠中にエロビキシバットとして5mgを含有するフィルムコーティング錠
【効能・効果】:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
【用法・用量】:通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。尚、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。
【薬価】:5mg/1錠 105.80円
【製造販売承認取得日】:2018年1月19日
【使用上の注意】:ウルソデオキシコール酸(ウルソ他)などの胆汁酸製剤の再吸収を阻害し、胆汁酸製剤の作用を減弱するおそれがある事から併用注意。
また腫瘍、ヘルニア、腸閉塞など器質的疾患には禁忌となっている。
その他の副作用は、腹痛、下痢。