ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は、抗悪性腫瘍剤/ALKチロシンキナーゼ阻害剤「ロルラチニブ(開発番号:PF-06463922)」が、2018年6月8日付けで、厚生労働省より『優先審査の対象』となる事が通知されたと発表しました。
予定する効能・効果は、「ALK(未分化リンパ腫リン酸化酵素)チロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性、又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」です。
これは、厚生労働省が2017年10月に導入した、「条件付き早期承認制度」の適用を受けたためで、「ロルラチニブ(Lorlatinib)」はこの制度の適用第一号と言う事になります。
本剤は、年内の承認が見込まれている。
*写真はイメージです。
第三世代ALK陽性チロシンキナーゼ阻害剤耐性非小細胞肺がん治療薬「ロルラチニブ」は
本邦に於いて優先審査の対象品目指定されたばかりで、正式承認前であり、
薬剤の写真はまだありません。
肺がんは、癌による死亡原因の世界1位です。(WHO ⇒The World Health Organization, in The International Agency for Research on Cancer, October 13, 2017)
肺がんのタイプは、大きく2つで、国内では非小細胞肺がん(85-90%)と小細胞肺がん(10~15%)の割合に分けられます。
非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がん症例の多数を占めており、特に遠隔転移している場合は、未だに治療が困難です。
非小細胞肺がん患者の約75%が、転移後、又は進行後に肺がんと診断されますが、その時点での5年生存率は僅か5%です。(全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2017年7月集計)による)
2000年代以降に登場した分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害剤)の多くは、EGFR遺伝子変異、ALK遺伝子転座、ROS1遺伝子転座、BRAF遺伝子変異と言った癌発生の直接的な原因となるようなドライバーと称される遺伝子変異に対する阻害剤です。
「ロルラチニブ」は、ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容の『ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌』の効能・効果で、今年1月に国内に於ける製造販売承認を申請した、ALKチロシンキナーゼ阻害剤耐性の非小細胞肺がん治療薬となります。
日本では、2015 年の年間新規肺がん罹患患者数は110,000 人強と推計しています。
非小細胞肺がん患者のうち、ALK遺伝子陽性は3~5%、そのうちALKチロシンキナーゼ阻害剤が効かなくなった患者の腫瘍に生じた変異(薬剤耐性変異)を解明する事で、「ロルラチニブ」が創製されました。
課題となっている薬剤耐性変異が見られる、変異型ALKにも効果が期待されます。
重篤(ステージⅣ)で有効な治療方法が乏しいこの疾患に対し、日本も参加した国際共同第1/2相試験で、一定程度の有効性と安全性が確認された事から、「条件付き早期承認制度」の適用となった。
ファイザー株式会社は既に、分子標的薬のALK阻害剤「ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)」を発売しているほか、ノバルティスファーマ株式会社から「ジカディア(一般名:セリチニブ)」が発売されていますが、「ロルラチニブ」は特に、他のALK阻害剤に抵抗性を示す変異腫瘍に対しても、効果を発揮できるように、また、*血液脳関門を通過できるように設計されている。
*尚、「オプジーボ」はモノクローナル抗体薬で標的分子が異なる。また、「キイトルーダ」も抗PD-1抗体薬で標的分子が異なる。
*血液脳関門‥‥様々な有害物質から、脳の神経細胞を守るために、血液から脳内への物質の移行を制限する防御機能の事で、脳の恒常性維持に不可欠となっている。
これによって、脳の神経活動のエネルギー源となる栄養素(グルコース、アミノ酸、ヌクレオチドなど)やブドウ糖などの必要な物質は、脳内に選択的に輸送されるが、それ以外の多くの物質は、この防御システム(バリア機能)により脳内に自由に入る事が出来ない。
「ロルラチニブ」は、まだいかなる適応症についても承認した国は無く、米国では2017年4月に、1剤以上のALK阻害剤による前治療歴を有する、ALK陽性転移性非小細胞肺がん治療に於けるブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定を受けています。
2018年2月、米ファイザー社は、米国食品医薬品局(FDA)が、「ロルラチニブ」の新薬承認申請(NDA)を受理し、優先審査品目に指定しました。また、欧州医薬品庁(EMA)も、「ロルラチニブ」の製造販売承認申請を受理しています。
予定する効能・効果は、「ALK(未分化リンパ腫リン酸化酵素)チロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性、又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」です。
これは、厚生労働省が2017年10月に導入した、「条件付き早期承認制度」の適用を受けたためで、「ロルラチニブ(Lorlatinib)」はこの制度の適用第一号と言う事になります。
本剤は、年内の承認が見込まれている。
*写真はイメージです。
第三世代ALK陽性チロシンキナーゼ阻害剤耐性非小細胞肺がん治療薬「ロルラチニブ」は
本邦に於いて優先審査の対象品目指定されたばかりで、正式承認前であり、
薬剤の写真はまだありません。
肺がんは、癌による死亡原因の世界1位です。(WHO ⇒The World Health Organization, in The International Agency for Research on Cancer, October 13, 2017)
肺がんのタイプは、大きく2つで、国内では非小細胞肺がん(85-90%)と小細胞肺がん(10~15%)の割合に分けられます。
非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がん症例の多数を占めており、特に遠隔転移している場合は、未だに治療が困難です。
非小細胞肺がん患者の約75%が、転移後、又は進行後に肺がんと診断されますが、その時点での5年生存率は僅か5%です。(全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2017年7月集計)による)
2000年代以降に登場した分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害剤)の多くは、EGFR遺伝子変異、ALK遺伝子転座、ROS1遺伝子転座、BRAF遺伝子変異と言った癌発生の直接的な原因となるようなドライバーと称される遺伝子変異に対する阻害剤です。
「ロルラチニブ」は、ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容の『ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌』の効能・効果で、今年1月に国内に於ける製造販売承認を申請した、ALKチロシンキナーゼ阻害剤耐性の非小細胞肺がん治療薬となります。
日本では、2015 年の年間新規肺がん罹患患者数は110,000 人強と推計しています。
非小細胞肺がん患者のうち、ALK遺伝子陽性は3~5%、そのうちALKチロシンキナーゼ阻害剤が効かなくなった患者の腫瘍に生じた変異(薬剤耐性変異)を解明する事で、「ロルラチニブ」が創製されました。
課題となっている薬剤耐性変異が見られる、変異型ALKにも効果が期待されます。
重篤(ステージⅣ)で有効な治療方法が乏しいこの疾患に対し、日本も参加した国際共同第1/2相試験で、一定程度の有効性と安全性が確認された事から、「条件付き早期承認制度」の適用となった。
ファイザー株式会社は既に、分子標的薬のALK阻害剤「ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)」を発売しているほか、ノバルティスファーマ株式会社から「ジカディア(一般名:セリチニブ)」が発売されていますが、「ロルラチニブ」は特に、他のALK阻害剤に抵抗性を示す変異腫瘍に対しても、効果を発揮できるように、また、*血液脳関門を通過できるように設計されている。
*尚、「オプジーボ」はモノクローナル抗体薬で標的分子が異なる。また、「キイトルーダ」も抗PD-1抗体薬で標的分子が異なる。
*血液脳関門‥‥様々な有害物質から、脳の神経細胞を守るために、血液から脳内への物質の移行を制限する防御機能の事で、脳の恒常性維持に不可欠となっている。
これによって、脳の神経活動のエネルギー源となる栄養素(グルコース、アミノ酸、ヌクレオチドなど)やブドウ糖などの必要な物質は、脳内に選択的に輸送されるが、それ以外の多くの物質は、この防御システム(バリア機能)により脳内に自由に入る事が出来ない。
「ロルラチニブ」は、まだいかなる適応症についても承認した国は無く、米国では2017年4月に、1剤以上のALK阻害剤による前治療歴を有する、ALK陽性転移性非小細胞肺がん治療に於けるブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定を受けています。
2018年2月、米ファイザー社は、米国食品医薬品局(FDA)が、「ロルラチニブ」の新薬承認申請(NDA)を受理し、優先審査品目に指定しました。また、欧州医薬品庁(EMA)も、「ロルラチニブ」の製造販売承認申請を受理しています。