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CD20陽性の濾胞性リンパ腫治療薬「ガザイバ®点滴静注」が製造販売承認を取得

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中外製薬株式会社(本社:東京都中央区日本橋)と日本新薬株式会社(本社:京都府京都市南区)は7月2日、国内で共同開発した糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体「ガザイバ®点滴静注1000mg(一般名:オビヌツズマブ=遺伝子組換え)」について、「CD20陽性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果として中外製薬株式会社が、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。

ガザイバ点滴静注1000mg
糖鎖改変型タイプIIヒト化抗CD20モノクローナル抗体
CD20陽性の濾胞性リンパ腫治療薬
「ガザイバ®点滴静注1000mg[一般名:オビヌツズマブ(Obinutuzumab)]」



濾(ろ)胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)は、代表的な低悪性度B細胞リンパ腫で、“非ホジキンリンパ腫”の一種であり、国内の罹患者数は“非ホジキンリンパ腫”の7~15%を占めています〔日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版より〕。

ホジキンリンパ腫と“非ホジキンリンパ腫”では治療方針が異なるため、病理検査で「リード・シュテルンベルグ細胞(reed sternberg giant cell)」や「ホジキン細胞(hodgkin cell)」と言う、特徴的な細胞が見られるものがホジキンリンパ腫、それ以外が“非ホジキンリンパ腫”に分類されます。


悪性リンパ腫病型分類


“非ホジキンリンパ腫”は、癌になっている細胞の特徴(B細胞性・T細胞性・NK細胞性のいずれかとその成熟度)や、染色体検査、遺伝子検査などの結果を基に、更に細かく分類されます〔国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター 悪性リンパ腫より〕。
ホジキンリンパ腫のリード・シュテルンベルグ細胞
ホジキンリンパ腫(古典的)の特徴は、
『フクロウの目』に似た巨大化した二葉核を有する。
リード・シュテルンベルグ細胞、又は*ホジキン細胞と呼ぶ。


国内の、2012年の悪性リンパ腫の罹患者数は約2万7000人、死亡者数は約1万1000万人と報告されています。

国内では、悪性リンパ腫に占めるホジキンリンパ腫の割合が8~10%程度と報告されている事から、“非ホジキンリンパ腫”の罹患者数は約2万4000人(90%)、死亡者数は約1万人と推定されており、殆どが“非ホジキンリンパ腫”の患者という事になります。

悪性リンパ腫の罹患者数、死亡者数は近年増加傾向にあり、“非ホジキンリンパ腫”の罹患者数、死亡者数も、増加傾向にあると考えられています〔国立がん研究センターがん対策情報センター 地域がん登録全国推計によるがん罹患データ/同センター 人口動態統計によるがん死亡データより〕。


濾胞性リンパ腫のGrade別病理組織所見
◆濾胞性リンパ腫のGrade別病理組織所見(WHO分類にはグレード4はありません)
 ▲Grade 1‥‥細胞核に切れ込み。周りは正常なBリンパ球。
 ▲Grade 2‥‥細胞核がU字形核に変化した大小細胞。
 ▲Grade 3A、3B‥‥分裂し多葉性の折り重った核(新生腫瘍細胞)と周囲の小リンパ球。


B細胞の細胞表面抗原の種類


「ガザイバ®」は、非ホジキンリンパ腫の治療薬として国内外の治療ガイドラインで推奨されている「*リツキサン®注(一般名:リツキシマブ)」と同様、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質CD20に結合する、糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体で、「ガザイバ」は、標的となるB細胞を直接、及び体内の免疫系と共に攻撃し、破壊するようデザインされている。

ガザイバ点滴静注1000mgの作用機序
ガザイバ®点滴静注(オビヌツズマブ)の作用機序。

 *リツキサンは…《製造販売元:全薬工業=中外製薬》CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫や、腎・肝移植のABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制などの治療薬。

 *ホジキン細胞の名の由来…英国の内科医トーマス・ホジキンが1832年に発見した、悪性リンパ腫の一種。




【製品概要】
【販売名】:ガザイバ®(GAZYVA)点滴静注1000mg
【一般名】:オビヌツズマブ(obinutuzumab=遺伝子組換え)
【有効成分】:1バイアル中(40ml)オビヌツズマブ1000mg
【効能・効果】:CD20陽性の濾胞性リンパ腫
【用法・用量】:通常、成人には、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)として1日1回1000mgを点滴静注する。導入療法は、以下のサイクル期間及び投与サイクル数とし、1サイクル目は1、8、15日目、2サイクル目以降は1日目に投与する。維持療法では、単独投与により2カ月に1回、最長2年間、投与を繰り返す。
 1)シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合
 3週間を1サイクルとし、8サイクル。

 2)シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合
 3週間を1サイクルとし、8サイクル。

 3)ベンダムスチン塩酸塩併用の場合
 4週間を1サイクルとし、6サイクル。

【適用上の注意】: ◆希釈液として日局生理食塩液以外は使用しないこと。
 ◆点滴静注のみとし、静脈内大量投与、急速静注をしないこと。
【効能又は効果に関連する使用上の注意】:
 ◆フローサイトメトリー法等により検査を行い、CD20抗原が陽性であることが確認された患者に使用すること。



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尚、前回の記事に本ブログ始まって以来、最多のペタを頂きまして本当にありがとうございます。
日進月歩の医療や新薬について知らない事は、とても残念な事です。今日まで諦めていた事が、もしや明日、可能になるかもしれません。
それが生きる希望につながって欲しいと常に思っています。


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