ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区西神田)は9月20日、抗HIV薬「オデフシィ®配合錠(一般名:リルピビリン塩酸塩/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩/エムトリシタビン)」について、『成人および小児(12歳以上で体重35kg以上)のHIV-1感染症』を効能・効果として販売を開始した。
本剤は、既に8月29日薬価収載されている。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス=Human Immunodeficiency Virus)感染症は、公衆衛生上極めて重要な、生命を脅かす重篤疾患であり、主としてCD4陽性Tリンパ球とマクロファージ系の細胞に感染する*レトロウイルスです。
*レトロウイルスとは‥‥。
ウイルスを構成する遺伝子の中には、DNAではなく、RNAを遺伝子として持っているモノがあり、この様なウイルスはRNAからDNAに遺伝情報をコピーする酵素、すなわち逆転写酵素を使って、CD4陽性Tリンパ球やマクロファージの細胞の中にウイルスを次々に大量に作る。
この様なウイルスの事をレトロウイルスと言う。他に、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)がある。
2017年に全世界で約3,690万人がHIVに罹患していると報告されています。〔AIDS DATA:国連合同エイズ計画(UNAIDS) スイス・ジュネーブ〕
日本では、新規のHIV感染、及び後天性免疫不全症候群(AIDS)患者として年間約1,500人が報告されており、2017年の累計患者数は約2万8,750人と報告されています。
現在、全世界では先進国を中心に、新規HIV患者数は減少傾向にありますが、日本国内では新規HIV感染患者数および後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者は、横ばいの状況が続いている。〔公益財団法人 エイズ予防財団.エイズ動向委員会報告2017年◇http://apinet.jfap.or.jp/status/2016.html〕
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、ウイルスやウイルスに感染した細胞を含む体液(血液、精液、腟分泌液)と濃厚に接触する事で感染します。
HIV感染症の標準治療は、複数の抗HIV治療薬を併用して、ウイルスの複製抑制、CD4陽性リンパ球数の増加、及び疾患進行の抑制を目指す、抗レトロウイルス療法(ART)です。
日本の抗HIV治療のガイドラインでは、抗HIV治療未経験の患者に対する初回治療は、核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)を2剤に、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)、侵入阻止薬(EI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)又はプロテアーゼ阻害薬(PI)から1剤を加えた、3~4剤を組み合わせて併用する抗レトロウイルス療法(ART)が推奨されている。
〔平成29年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 エイズ対策政策研究事業 HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班. 抗HIV治療ガイドライン2018年3月〕
HIV感染症の病期は、急性感染期、無症状期、AIDS(後天性免疫不全症候群)期に大別される。
急性期は発熱、発疹、リンパ節腫脹など。その後、無症状期となり、患者自身の免疫機構とHIVレトロウイルスが拮抗した状態が長期間続く。
治療を開始しなければAIDS期としてHIV増殖が続き、患者の免疫力が徐々に低下し、免疫能力が弱る事で日和見感染症(カンジダ症、クリプトコッカス症、サイトメガロウイルス症、単純ヘルペスウイルス、ニューモシスチス肺炎、トキソプラズマ脳症、ヒストプラズマ症、結核、サルモネラ菌血症など)や悪性腫瘍を引き起こす。
初感染からAIDS期に至るまでは個々の症例で異なるものの、一般的に抗HIV治療が行われない場合、AIDS発症後死亡に至るまでの期間は、約2年程度と考えられている。
現在では、抗レトロウイルス療法(ART)で抗HIV薬を服薬する事で、ウイルス複製の抑制が可能となり、生命予後は著しく改善されました。
しかしながら、現在でも治療を中断すると、どんなに長期間HIVレトロウイルス増殖を抑制できていたとしても、HIV感染患者からウイルスを完全に排除する事は出来ないため、またたく間にウイルスの活性化が起こり、AIDS発症へと至る事から、生涯(服薬)治療を継続する必要があります。
そのため患者は、服薬を維持する必要があり、服薬率が95%を下回ると、十分な治療効果を得られないとするデータも発表されています。またHIVレトロウイルスに薬剤耐性が発現する事から、治療薬を途切れさせない事が重要となります。
【製品概要】
【製品名】:オデフシィ®配合錠
【一般名】:リルピビリン塩酸塩(既存製品名:エジュラント=NNRTI)/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(既存製品名:同右=NRTI)/エムトリシタビン(既存製品名:エムトリバ=NRTI)
【効能・効果】:HIV-1感染症
【用法・用量】:通常、成人および12歳以上かつ体重35kg以上の小児には、1回1錠(リルピビリンとして25mg、テノホビル アラフェナミドとして25mgおよびエムトリシタビンとして200mgを含有)を1日1回、食事中又は食直後に経口投与する。
【製造販売承認日】:2018年8月21日
【薬 価】:1錠 6043.00円
【確認事項】:B型慢性肝炎にかかっている人では、この薬の使用を中止すと B型慢性肝炎が悪化する事があります。特に進行したB型慢性肝炎の場合は、B型慢性肝炎の症状が悪化する事があります。
●飲み忘れた場合の対応
決して2回分を一度に飲まない。気がついた時に、1回分を食事中または食直後に飲んで下さい。但し、次の飲む時間が近い場合は1回飛ばして、次の時間に1回分飲んで下さい。
●本剤の特徴
「オデフシィ®配合錠」は、核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を2剤に、非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)1剤を組み合わせた3剤配合薬です。
本剤は、既に8月29日薬価収載されている。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス=Human Immunodeficiency Virus)感染症は、公衆衛生上極めて重要な、生命を脅かす重篤疾患であり、主としてCD4陽性Tリンパ球とマクロファージ系の細胞に感染する*レトロウイルスです。
*レトロウイルスとは‥‥。
ウイルスを構成する遺伝子の中には、DNAではなく、RNAを遺伝子として持っているモノがあり、この様なウイルスはRNAからDNAに遺伝情報をコピーする酵素、すなわち逆転写酵素を使って、CD4陽性Tリンパ球やマクロファージの細胞の中にウイルスを次々に大量に作る。
この様なウイルスの事をレトロウイルスと言う。他に、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)がある。
2017年に全世界で約3,690万人がHIVに罹患していると報告されています。〔AIDS DATA:国連合同エイズ計画(UNAIDS) スイス・ジュネーブ〕
日本では、新規のHIV感染、及び後天性免疫不全症候群(AIDS)患者として年間約1,500人が報告されており、2017年の累計患者数は約2万8,750人と報告されています。
現在、全世界では先進国を中心に、新規HIV患者数は減少傾向にありますが、日本国内では新規HIV感染患者数および後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者は、横ばいの状況が続いている。〔公益財団法人 エイズ予防財団.エイズ動向委員会報告2017年◇http://apinet.jfap.or.jp/status/2016.html〕
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、ウイルスやウイルスに感染した細胞を含む体液(血液、精液、腟分泌液)と濃厚に接触する事で感染します。
HIV感染症の標準治療は、複数の抗HIV治療薬を併用して、ウイルスの複製抑制、CD4陽性リンパ球数の増加、及び疾患進行の抑制を目指す、抗レトロウイルス療法(ART)です。
日本の抗HIV治療のガイドラインでは、抗HIV治療未経験の患者に対する初回治療は、核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)を2剤に、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)、侵入阻止薬(EI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)又はプロテアーゼ阻害薬(PI)から1剤を加えた、3~4剤を組み合わせて併用する抗レトロウイルス療法(ART)が推奨されている。
〔平成29年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 エイズ対策政策研究事業 HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班. 抗HIV治療ガイドライン2018年3月〕
HIV感染症の病期は、急性感染期、無症状期、AIDS(後天性免疫不全症候群)期に大別される。
急性期は発熱、発疹、リンパ節腫脹など。その後、無症状期となり、患者自身の免疫機構とHIVレトロウイルスが拮抗した状態が長期間続く。
治療を開始しなければAIDS期としてHIV増殖が続き、患者の免疫力が徐々に低下し、免疫能力が弱る事で日和見感染症(カンジダ症、クリプトコッカス症、サイトメガロウイルス症、単純ヘルペスウイルス、ニューモシスチス肺炎、トキソプラズマ脳症、ヒストプラズマ症、結核、サルモネラ菌血症など)や悪性腫瘍を引き起こす。
初感染からAIDS期に至るまでは個々の症例で異なるものの、一般的に抗HIV治療が行われない場合、AIDS発症後死亡に至るまでの期間は、約2年程度と考えられている。
現在では、抗レトロウイルス療法(ART)で抗HIV薬を服薬する事で、ウイルス複製の抑制が可能となり、生命予後は著しく改善されました。
しかしながら、現在でも治療を中断すると、どんなに長期間HIVレトロウイルス増殖を抑制できていたとしても、HIV感染患者からウイルスを完全に排除する事は出来ないため、またたく間にウイルスの活性化が起こり、AIDS発症へと至る事から、生涯(服薬)治療を継続する必要があります。
そのため患者は、服薬を維持する必要があり、服薬率が95%を下回ると、十分な治療効果を得られないとするデータも発表されています。またHIVレトロウイルスに薬剤耐性が発現する事から、治療薬を途切れさせない事が重要となります。
【製品概要】
【製品名】:オデフシィ®配合錠
【一般名】:リルピビリン塩酸塩(既存製品名:エジュラント=NNRTI)/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(既存製品名:同右=NRTI)/エムトリシタビン(既存製品名:エムトリバ=NRTI)
【効能・効果】:HIV-1感染症
【用法・用量】:通常、成人および12歳以上かつ体重35kg以上の小児には、1回1錠(リルピビリンとして25mg、テノホビル アラフェナミドとして25mgおよびエムトリシタビンとして200mgを含有)を1日1回、食事中又は食直後に経口投与する。
【製造販売承認日】:2018年8月21日
【薬 価】:1錠 6043.00円
【確認事項】:B型慢性肝炎にかかっている人では、この薬の使用を中止すと B型慢性肝炎が悪化する事があります。特に進行したB型慢性肝炎の場合は、B型慢性肝炎の症状が悪化する事があります。
●飲み忘れた場合の対応
決して2回分を一度に飲まない。気がついた時に、1回分を食事中または食直後に飲んで下さい。但し、次の飲む時間が近い場合は1回飛ばして、次の時間に1回分飲んで下さい。
●本剤の特徴
「オデフシィ®配合錠」は、核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を2剤に、非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)1剤を組み合わせた3剤配合薬です。