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国内初の抗IL-17A抗体「コセンティクス®」が強直性脊椎炎の効能追加承認を取得

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ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区虎ノ門)は12月21日、2015年2月に尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬の治療薬として発売した、角化症・乾癬治療薬「コセンティクス®(Cosentyx®)皮下注150mgシリンジ、同皮下注用150mgペン(一般名:セクキヌマブ)」について、『既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)』の効能・効果の追加承認を取得した。

「コセンティクス®皮下注」は、日本で強直性脊椎炎の治療薬として初めての、ヒト型抗ヒトIL-17A(インターロイキン-17A)モノクローナル抗体製剤です。



強直性脊椎炎治療薬コセンティクス皮下注シリンジ
ヒト型抗ヒトIL-17A モノクローナル抗体
既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎治療薬
『コセンティクス®皮下注150mgシリンジ、コセンティクス®皮下注150mgペン』


強直性脊椎炎(AS=ankylosing spondylitis)は、脊椎関節炎の1つで、脊椎(せきつい)と仙腸(せんちょう)関節を主な病変部位とする慢性炎症性疾患です。
脊椎や大きな関節、手足の指の炎症を特徴とし、こわばりと痛みが生じます。男性で女性の3倍多く見られ、最も発症する事が多い年齢は、20~40歳です。

強直性脊椎炎の仙腸関節の炎症
強直性脊椎炎の主な炎症部位。
脊椎(背骨)や仙腸関節(仙骨の耳状面と腸骨の耳状面で作られる関節)、
更に股関節や肩の関節などに炎症(痛みや腫れ)が起こる疾患。


強直性脊椎炎の原因は判っていませんが、家系内で遺伝する傾向があり、遺伝子が関与している事が示唆されています。
しかし、親や兄弟姉妹が強直性脊椎炎である人では、そうでない人の10~20倍多く見られますが、一卵性双生児の場合、2人とも強直性脊椎炎に罹かる割合は50%である事から、他に未知の環境因子も関与している可能性が示唆されている。

国内の患者数は約4,500人で、指定難病に認定されています。

強直性脊椎炎の臨床的な特徴は、腰背部痛で、症状の進行は緩徐(かんじょ)で、数十年という長期の治療が必要になり、進行すると脊椎(せきつい)が強直して日常動作が困難になります。
脊椎(せきつい)に極度のこわばりが生じた人の予後は、思わしくありませんが、治療を継続する事で、ほとんどの人では多少の機能障害が残るものの、普通の生産的な生活を送る事が出来ます。

〔公益社団法人 日本整形外科学会「強直性脊椎炎」より〕
〔MSDマニュアル-家庭版/08.骨、関節、筋肉の病気/ 強直性脊椎炎より〕
〔ノバルティス ファーマ株式会社プレスリリース 2018年12月21日より〕




強直性脊椎炎の硬直化の進行
強直性脊椎炎の硬直化の進行


強直性脊椎炎の薬物治療は、第一選択として非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で、NSAIDsで効果不十分、又は忍容性(薬物の副作用に耐える事)不良な場合には、2003年以降に登場した抗TNF-α製剤が推奨されて来ました。
また、進行抑制を目指して疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)が使用され、四肢の関節炎に効果を上げていますが、脊椎病変には効果が乏しく、硬直化が進行している患者では効果不十分でした。



コセンティクス®の作用機序
強直性脊椎炎治療薬コセンティクスの作用機序
体内の異物を排除するために免疫細胞(樹状細胞)がT細胞を活性化する命令を出す。
→指令を受けたヘルパーT細胞(Th細胞)がインターロイキン17Aを介して
骨細胞のIL17A受容体を活性化させるが、
「コセンティクス®」はこのシグナル伝達物質(サイトカイン)を阻害する。


「コセンティクス®」は、強直性脊椎炎の治療薬として、EU各国および米国など88カ国で承認された最初のIL-17A阻害薬です。
強直性脊椎炎では、IL-17A(インターロイキン-17A)が関連するサイトカイン(血液や免疫系細胞で生産され免疫反応に影響を及ぼすタンパク質の総称)経路が重要な役割を果たしていると言われ、「コセンティクス®」がIL-17Aの生物活性を中和する事で、抗炎症効果を発揮するとされる。

第一選択の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)で効果不十分な患者には、第二選択として、抗TNF-α製剤(TNF阻害剤)とは異なる作用機序を有するIL-17Aのサイトカインを標的とした、新たな治療選択肢が提供される事となり、その効果が期待されます。




【製品概要】

【製品名】:「コセンティクス®皮下注150mg シリンジ」(Cosentyx® for s.c. injection 150mg syringe)/「コセンティクス®皮下注用150mg ペン」(Cosentyx® for s.c. injection 150mg Pen)

【一般名】:セクキヌマブ(Secukinumab/遺伝子組換え)
【効能又は効果】:*(下線太字部は今回追加承認された効能又は効果)*
既存治療で効果不十分な下記疾患
 1. 尋常性乾癬
 2. 関節症性乾癬
 3. 膿疱性乾癬
 4. 強直性脊椎炎

【用法及び用量】:*(下線太字部は今回追加承認された効能又は効果)
 1. 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬
◆通常、成人にはセクキヌマブ(Secukinumab/遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。

 2. 強直性脊椎炎
◆通常、成人にはセクキヌマブ(Secukinumab/遺伝子組換え)として、1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。


【承認取得日】:2018 年12 月21 日
【製造販売】:ノバルティス ファーマ株式会社
【販売】:マルホ株式会社
【薬価】:
皮下注シリンジ 150mg/mL シリンジ 7万3,132円(2015年2月収載)
皮下注ペン 150mg/mL シリンジ 7万3,132円(2016年11月収載)





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