MSD株式会社(本社:東京都千代田区九段北)は6月25日、尿路・腹腔内感染症治療薬で、新規セフェム系β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ザバクサ®配合点滴静注用」(一般名:タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩)を発売したと発表した。
本剤は、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍(のうよう=ウミ)、胆嚢炎、肝膿瘍を適応症として、2019年1月8日に製造販売承認を取得していました。
β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤
『ザバクサ®配合点滴静注用』
(一般名:タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩)』
【ZERBAXA◆Tazobactam Sodium/Ceftolozane Sulfate】
尿路感染症(UTI)は、明らかな基礎疾患が認められない単純性(細菌性)尿路感染症と、基礎疾患が認められる複雑性尿路感染症とに分類され、主に膀胱炎と腎盂腎炎がある。
このうち複雑性尿路感染症は、再発や再燃を繰り返し、難治性であることが多い。
20~50歳の成人では、尿路感染症(UTI)は女性の方が約50倍多く見られ、この年齢層の女性では、殆どの尿路感染症が膀胱炎または腎盂腎炎であり、同じ年齢層の男性では、殆どの尿路感染症が尿道炎または前立腺炎である。
尿路感染症に対する主な防御は、排尿時に膀胱が完全に空になる事である。
腎臓から外尿道口までの尿路は、正常では無菌状態であり、尿路を無菌に保つその他の機構としては、尿の酸性度、膀胱尿管弁、種々の免疫、及び粘膜バリアなどがある。
複雑性尿路感染症は、男女ともあらゆる年齢で発生する可能性があり、
(①)尿路の構造的または機能的異常と尿流の閉塞
(②)コントロール不良の糖尿病・慢性腎臓病・易感染状態など、感染、又は耐性化のリスクを上昇させる合併症
(③)尿路に対する器具操作(尿道カテーテル挿入)、又は手術を最近受けた、などが該当する。
腹腔内感染症(IAI)は、消化管穿孔などや、手術や事故などの侵襲、或いは他の感染部位からの波及などによって起こる感染症で、消化管内の細菌や、外傷痕からの細菌侵入によって腹腔内の組織に感染し、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍などを発症する感染症です。
尿路感染症(UTI)や腹腔内感染症(IAI)は、血流感染を起こしやすく、しばしば敗血性ショックを起こすなど重症化に至ります。
「ザバクサ®」は、抗菌薬(抗生物質製剤)に対する耐性菌の一種であるESBL産生菌*や緑膿菌による感染症の難治化という課題に対し、既存のβラクタマーゼ阻害薬「タゾバクタム(TAZ)ナトリウム」と、新規セフェム系薬「セフトロザン(CTLZ)硫酸塩」を、力価比1:2の割合で配合した抗生物質です。
比率の多い「セフトロザン」は、緑膿菌、ESBL産生菌*を含む大腸菌など腸内細菌などに強い抗菌活性を示します。
*ESBL=Extended Spectrum beta(β) Lactamase(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生菌は薬剤耐性菌の一種。
セフトロザンは、細菌のペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用し、細胞壁合成を阻害することで殺菌作用を示す。
また、タゾバクタムはβラクタマーゼを不可逆的に阻害することで、セフトロザンが加水分解されることを防ぐ作用を有す。
「ザバクサ®」は、レンサ球菌属などのグラム陽性菌、腸内細菌科細菌(大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属など)及び緑膿菌などのグラム陰性菌に対して、幅広い抗菌活性を示すことが確認されている。
複雑性尿路感染症、及び腹腔内感染症においては、ESBL産生菌や緑膿菌による感染の難治化が問題となっており、「ザバクサ®」は国内第Ⅲ相試験において、尿路感染症、及び腹腔内感染症に対し高い有効性を示し、尿路感染症に対する細菌学的効果は75.8%、腹腔内感染症に対する臨床効果は87.0%だった。
【製品概要】
【製品名】:ザバクサ®(Zerbaxa)配合点滴静注用
【一般名】:タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩
【効能・効果】
<適応菌種>
◎本剤に感性のレンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑膿菌
<適応症>
◎膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍
【用法・用量】:●通常、成人には1回1.5g(タゾバクタムとして0.5g/セフトロザンとして1g)を1日3回60分かけて点滴静注する。
尚、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。
【製造販売承認日】:2019年1月8日
【薬価基準収載日】:2019年2月26日
【発売日】:2019年6月25日
【薬価】:ザバクサ®配合点滴静注用(1.5g)1瓶 6,335円
本剤は、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍(のうよう=ウミ)、胆嚢炎、肝膿瘍を適応症として、2019年1月8日に製造販売承認を取得していました。
β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤
『ザバクサ®配合点滴静注用』
(一般名:タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩)』
【ZERBAXA◆Tazobactam Sodium/Ceftolozane Sulfate】
尿路感染症(UTI)は、明らかな基礎疾患が認められない単純性(細菌性)尿路感染症と、基礎疾患が認められる複雑性尿路感染症とに分類され、主に膀胱炎と腎盂腎炎がある。
このうち複雑性尿路感染症は、再発や再燃を繰り返し、難治性であることが多い。
20~50歳の成人では、尿路感染症(UTI)は女性の方が約50倍多く見られ、この年齢層の女性では、殆どの尿路感染症が膀胱炎または腎盂腎炎であり、同じ年齢層の男性では、殆どの尿路感染症が尿道炎または前立腺炎である。
尿路感染症に対する主な防御は、排尿時に膀胱が完全に空になる事である。
腎臓から外尿道口までの尿路は、正常では無菌状態であり、尿路を無菌に保つその他の機構としては、尿の酸性度、膀胱尿管弁、種々の免疫、及び粘膜バリアなどがある。
複雑性尿路感染症は、男女ともあらゆる年齢で発生する可能性があり、
(①)尿路の構造的または機能的異常と尿流の閉塞
(②)コントロール不良の糖尿病・慢性腎臓病・易感染状態など、感染、又は耐性化のリスクを上昇させる合併症
(③)尿路に対する器具操作(尿道カテーテル挿入)、又は手術を最近受けた、などが該当する。
〔MSDマニュアルプロフェッショナル版/03.泌尿器疾患/尿路感染症(UTI)より〕
〔日経メディカル Online/尿路・腹腔内感染症を適応とするβラクタマーゼ阻害薬配合のセフェム系抗菌薬/2019.2.8より〕
腹腔内感染症(IAI)は、消化管穿孔などや、手術や事故などの侵襲、或いは他の感染部位からの波及などによって起こる感染症で、消化管内の細菌や、外傷痕からの細菌侵入によって腹腔内の組織に感染し、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍などを発症する感染症です。
尿路感染症(UTI)や腹腔内感染症(IAI)は、血流感染を起こしやすく、しばしば敗血性ショックを起こすなど重症化に至ります。
「ザバクサ®」は、抗菌薬(抗生物質製剤)に対する耐性菌の一種であるESBL産生菌*や緑膿菌による感染症の難治化という課題に対し、既存のβラクタマーゼ阻害薬「タゾバクタム(TAZ)ナトリウム」と、新規セフェム系薬「セフトロザン(CTLZ)硫酸塩」を、力価比1:2の割合で配合した抗生物質です。
比率の多い「セフトロザン」は、緑膿菌、ESBL産生菌*を含む大腸菌など腸内細菌などに強い抗菌活性を示します。
*ESBL=Extended Spectrum beta(β) Lactamase(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生菌は薬剤耐性菌の一種。
セフトロザンは、細菌のペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用し、細胞壁合成を阻害することで殺菌作用を示す。
また、タゾバクタムはβラクタマーゼを不可逆的に阻害することで、セフトロザンが加水分解されることを防ぐ作用を有す。
「ザバクサ®」は、レンサ球菌属などのグラム陽性菌、腸内細菌科細菌(大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属など)及び緑膿菌などのグラム陰性菌に対して、幅広い抗菌活性を示すことが確認されている。
複雑性尿路感染症、及び腹腔内感染症においては、ESBL産生菌や緑膿菌による感染の難治化が問題となっており、「ザバクサ®」は国内第Ⅲ相試験において、尿路感染症、及び腹腔内感染症に対し高い有効性を示し、尿路感染症に対する細菌学的効果は75.8%、腹腔内感染症に対する臨床効果は87.0%だった。
【製品概要】
【製品名】:ザバクサ®(Zerbaxa)配合点滴静注用
【一般名】:タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩
【効能・効果】
<適応菌種>
◎本剤に感性のレンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑膿菌
<適応症>
◎膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍
【用法・用量】:●通常、成人には1回1.5g(タゾバクタムとして0.5g/セフトロザンとして1g)を1日3回60分かけて点滴静注する。
尚、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。
【製造販売承認日】:2019年1月8日
【薬価基準収載日】:2019年2月26日
【発売日】:2019年6月25日
【薬価】:ザバクサ®配合点滴静注用(1.5g)1瓶 6,335円