武田薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市中央区/グローバル本社:東京都日本橋本町)は7月22日、グループ会社のシャイアー・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区丸の内)が、血小板機能欠乏異常症の一つである遺伝性出血性疾患のフォン・ヴィレブランド病(VWD)治療薬「ヒトフォン・ヴィレブランド因子製剤『ボニコグ アルファ(高純度遺伝子組換え型/米国販売名:VONVENDI)』開発コード:BAX111)」について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表しました。
フォン・ヴィレブランド病※(von Willebrand disease=VWD)は、血友病の次に多い出血性の病気で、止血に必要なタンパク質の1つ、フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor=VWF)の質的異常、又は量的低下や欠損に起因する、常染色体優性の遺伝性出血性疾患です。
フォン・ヴィレブランド因子は、血管内皮で産生分泌され、血管周囲基質の一部となります。
※本疾患は、1926年(大正15年/昭和元年)にフィンランドの医師エリック・フォン・ヴィレブランド氏により初めて報告されました。
★フォン・ヴィレブランド因子の働き★
何らかの事象で、血管の壁が破れ出血すると、直ぐにフォン・ヴィレブランド因子が、血小板表面膜上に溢れ出て来たタンパク質(コラーゲン/糖タンパク)と結合し、それによって血小板を血管壁に密着させる橋渡し役をする事で、止血粘着を促進し、出血部位を塞ぎ止血させます。
しかし、フォン・ヴィレブランド病(VWD)患者では、このフォン・ヴィレブランド因子(VWF)量の低下や機能の異常により、傷ついた血管壁に血小板が結合できず、血が止まりにくくなります。
フォン・ヴィレブランド病は遺伝性の病気ですが、約30%の患者では兄弟姉妹、両親、祖父母に本疾患や、素因(保因者)者がいない場合があり、こうしたケースは(後天性)突然変異と呼ばれます。
また、症状が軽症であるため未診断の患者が多くいます。
公益財団法人エイズ予防財団が実施した全国調査によると、2018年5月31日時点で、国内のフォン・ヴィレブランド病(VWD)診断患者数は1,325人(男性:589人、女性:736人)※で、年々診断患者数は増加しています。
※公益財団法人エイズ予防財団.厚生労働省委託事業 平成30年度血液凝固異常症全国調査
◆患者の多数(70%)は、VWF(フォン・ヴィレブランド因子)が量的に低下しているI型で、VWFが完全に欠損している重篤なIII型の患者は、民族差がありますが100万人に0.1~5.3人(5~10%)とされ、VWFが質的異常の場合のII型が25%とされています。
フォン・ヴィレブランド病の症状には、鼻出血、歯肉出血、粘膜出血、消化管出血、月経過多などの様々な出血性事象があり、I型とII型では女性に於いて、流産後の異常出血、分娩後の異常出血、性器出血、黄体出血、月経不正出血がありますが、しばしば何年も適切な診断を受けることなく生活しており、診断が確定しても、利用できる治療選択肢は限られています。
診断は、類似した症状の病気があるため、難しく、子供の頃から、出血が多かったり、止血しにくい、内出血しやすいといった症状があったり、初潮から月経が重かったり、不正出血といった症状がある場合は、まずは婦人科を受診し、婦人科の病気でない場合は血液内科を受診しましょう。
◆確定診断は、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)抗原が低値、及びリストセチン補因子活性異常に基づきます。
治療には,補充療法(ウイルス不活化を行った中間純度・血液凝固第VIII(八)因子濃縮製剤)またはデスモプレシン(血友病A/Type1・Type2Aのvon Willebrand病)投与による出血コントロールがある。
血液凝固第VIII(八)因子の正常な血漿中濃度を維持するためには、VWFも必要であり、VWF濃度は、ストレス、運動、妊娠、炎症、又は感染症に反応して一時的に上昇する事があります。
またType2BやType3には使えません。
〔# KMバイオロジクス株式会社(明治ホールディングス株式会社&Meiji Seika ファルマ株式会社)血友病及び類縁疾患について ⇒フォン・ヴィレブランド病について.より〕
〔# 武田薬品工業株式会社 国内向けニュースリリース2019/7/22〕
〔# MSDマニュアル・プロフェッショナル版/11. 血液学および腫瘍学/血小板減少症と血小板機能異常症/von Willebrand病より〕
〔# バクスアルタ株式会社コミュニケーション部 フォン・ヴィレブランド病成人患者に対する世界で初めての遺伝子組換え型フォン・ヴィレブランド因子製剤であるVONVENDIの承認を米国FDAより取得,より〕
「ボニコグ アルファ(米国販売名:VONVENDI)」は、巨大多量体(ULMs)を含む多量体と呼ばれるタンパク質(フォン・ヴィレブランド因子)を生理学的配分で含有する、革新的な遺伝子組換え型フォン・ヴィレブランド因子製剤です。
血栓(血小板による止血)形成を助ける活性が最も高いフォン・ヴィレブランド因子の形態である大型多量体を含んでいます。
本剤は血液凝固第VIII(八)因子を極く微量しか含まない世界初の薬剤でもあり、必要な場合にのみ血液凝固第VIII(八)因子を投与することができます。
これにより、血液凝固第VIII(八)因子を必要としない患者にも対応した治療が可能となります。
フォン・ヴィレブランド病※(von Willebrand disease=VWD)は、血友病の次に多い出血性の病気で、止血に必要なタンパク質の1つ、フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor=VWF)の質的異常、又は量的低下や欠損に起因する、常染色体優性の遺伝性出血性疾患です。
フォン・ヴィレブランド因子は、血管内皮で産生分泌され、血管周囲基質の一部となります。
※本疾患は、1926年(大正15年/昭和元年)にフィンランドの医師エリック・フォン・ヴィレブランド氏により初めて報告されました。
★フォン・ヴィレブランド因子の働き★
何らかの事象で、血管の壁が破れ出血すると、直ぐにフォン・ヴィレブランド因子が、血小板表面膜上に溢れ出て来たタンパク質(コラーゲン/糖タンパク)と結合し、それによって血小板を血管壁に密着させる橋渡し役をする事で、止血粘着を促進し、出血部位を塞ぎ止血させます。
しかし、フォン・ヴィレブランド病(VWD)患者では、このフォン・ヴィレブランド因子(VWF)量の低下や機能の異常により、傷ついた血管壁に血小板が結合できず、血が止まりにくくなります。
フォン・ヴィレブランド病は遺伝性の病気ですが、約30%の患者では兄弟姉妹、両親、祖父母に本疾患や、素因(保因者)者がいない場合があり、こうしたケースは(後天性)突然変異と呼ばれます。
また、症状が軽症であるため未診断の患者が多くいます。
公益財団法人エイズ予防財団が実施した全国調査によると、2018年5月31日時点で、国内のフォン・ヴィレブランド病(VWD)診断患者数は1,325人(男性:589人、女性:736人)※で、年々診断患者数は増加しています。
※公益財団法人エイズ予防財団.厚生労働省委託事業 平成30年度血液凝固異常症全国調査
◆患者の多数(70%)は、VWF(フォン・ヴィレブランド因子)が量的に低下しているI型で、VWFが完全に欠損している重篤なIII型の患者は、民族差がありますが100万人に0.1~5.3人(5~10%)とされ、VWFが質的異常の場合のII型が25%とされています。
フォン・ヴィレブランド病の症状には、鼻出血、歯肉出血、粘膜出血、消化管出血、月経過多などの様々な出血性事象があり、I型とII型では女性に於いて、流産後の異常出血、分娩後の異常出血、性器出血、黄体出血、月経不正出血がありますが、しばしば何年も適切な診断を受けることなく生活しており、診断が確定しても、利用できる治療選択肢は限られています。
診断は、類似した症状の病気があるため、難しく、子供の頃から、出血が多かったり、止血しにくい、内出血しやすいといった症状があったり、初潮から月経が重かったり、不正出血といった症状がある場合は、まずは婦人科を受診し、婦人科の病気でない場合は血液内科を受診しましょう。
◆確定診断は、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)抗原が低値、及びリストセチン補因子活性異常に基づきます。
治療には,補充療法(ウイルス不活化を行った中間純度・血液凝固第VIII(八)因子濃縮製剤)またはデスモプレシン(血友病A/Type1・Type2Aのvon Willebrand病)投与による出血コントロールがある。
血液凝固第VIII(八)因子の正常な血漿中濃度を維持するためには、VWFも必要であり、VWF濃度は、ストレス、運動、妊娠、炎症、又は感染症に反応して一時的に上昇する事があります。
またType2BやType3には使えません。
〔# KMバイオロジクス株式会社(明治ホールディングス株式会社&Meiji Seika ファルマ株式会社)血友病及び類縁疾患について ⇒フォン・ヴィレブランド病について.より〕
〔# 武田薬品工業株式会社 国内向けニュースリリース2019/7/22〕
〔# MSDマニュアル・プロフェッショナル版/11. 血液学および腫瘍学/血小板減少症と血小板機能異常症/von Willebrand病より〕
〔# バクスアルタ株式会社コミュニケーション部 フォン・ヴィレブランド病成人患者に対する世界で初めての遺伝子組換え型フォン・ヴィレブランド因子製剤であるVONVENDIの承認を米国FDAより取得,より〕
「ボニコグ アルファ(米国販売名:VONVENDI)」は、巨大多量体(ULMs)を含む多量体と呼ばれるタンパク質(フォン・ヴィレブランド因子)を生理学的配分で含有する、革新的な遺伝子組換え型フォン・ヴィレブランド因子製剤です。
血栓(血小板による止血)形成を助ける活性が最も高いフォン・ヴィレブランド因子の形態である大型多量体を含んでいます。
本剤は血液凝固第VIII(八)因子を極く微量しか含まない世界初の薬剤でもあり、必要な場合にのみ血液凝固第VIII(八)因子を投与することができます。
これにより、血液凝固第VIII(八)因子を必要としない患者にも対応した治療が可能となります。