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NTRK融合遺伝子陽性固形がん治療薬「ロズリートレクカプセル」が発売を開始

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中外製薬株式会社(本社:東京都中央区日本橋)は9月4日、がん腫を問わない「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん」を効能・効果とした、抗悪性腫瘍剤/経口チロシンキナーゼ阻害剤『ロズリートレク®カプセル100mg、同200mg(一般名:エヌトレクチニブ(Entrectinib)/遺伝子組換え)』を、薬価基準収載と同時に発売を開始した。

「ロズリートレク®(ROZLYTREK®)カプセル」は、希少がん(神経膠腫・膠芽腫)などで、がん細胞の増殖が促進されると考えられている、NTRK(NeuroTrophic Receptor tyrosine Kinase)融合遺伝子から作られる融合TRKの働きを阻害し、増殖を抑えるとされる。



NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形癌治療薬ロズリートレクカプセル100mg_200mg
NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん治療薬
抗悪性腫瘍剤/ROS1/TRK阻害剤
「ロズリートレク®カプセル100mg、同200 mg」(一般名:エヌトレクチニブ)


NTRK(神経栄養因子受容体チロシンキナーゼ)融合遺伝子とは、NTRK遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3→は、それぞれ→TRKA、→TRKB、→TRKCタンパク質を*コードする)と他の遺伝子(ETV6、LMNA、TPM3など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。

NTRK融合遺伝子から作られる融合TRKタンパク質

NTRK融合遺伝子の発生は、極めて非常に稀に存在する、成人や小児の様々な固形がんや肉腫等〔乳児型線維肉腫、神経膠腫、神経膠芽腫、びまん性橋グリオーマ、先天性中胚葉性腎腫、悪性黒色腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(IMT)、子宮肉腫、その他軟部腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、乳腺分泌がん、唾液腺分泌がん、原発不明がん、肺がん、大腸がん、虫垂がん、乳がん、胃がん、卵巣がん、甲状腺がん、胆管がん、膵臓がん、頭頸部がん、等〕で確認されています。

NTRK融合遺伝子から作られる融合TRK(トロポミオシン受容体キナーゼ)により、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。

NTRK融合遺伝子と染色体転座


◆ NTRK1/NTRK2/NTRK3遺伝子が、染色体上で遺伝子融合を起こした場合、これらによって*コードされるTRK-A/TRK-B/TRK-Cタンパク質は、リガンド(=特定のタンパク質や受容体などと特異的に結合する物質)である神経栄養因子(神経成長因子、脳由来神経栄養因子及びニューロトロフィン)と結合することで、TRK融合タンパクにより、恒常的にチロシンキナーゼが活性化される。

その結果、癌細胞への生存及び増殖シグナルを発し続けるため、癌細胞の過剰増殖及び生存延長が起こる。

*コードするとは…核酸の塩基配列からタンパク質のアミノ酸配列に変換するためのコード。
〔参考元:U.S. FDA Pediatric oncology subcommittee of the oncologic Drugs advisory committee(米FDA小児腫瘍学小委員会 薬諮問委員会)〕
〔中外製薬株式会社 ニュースリリース:2019年06月18日〕



「ロズリートレク®カプセル」は、このシグナル伝達分子を阻害することによって、細胞増殖抑制作用を示すとされています。

〔臨床成績〕
大人(18歳以上)
◇国際共同第Ⅱ相試験(STARTRK-2試験)
NTRK融合遺伝子陽性患者の奏効率(癌腫別)


ロズリートレクカプセルの患者奏効率

小児(22歳未満/n=5)
◇国際共同第Ⅱ相試験(STARTRK-2試験)、海外第Ⅰ相試験(STARTRK-1試験)及び海外第Ⅰ/Ⅰb 相試験(STARTRK-NG試験)に組み入れられた4歳以上の患者。


ロズリートレクカプセルの小児患者の治療成績

副作用発現頻度は、100.0%(5/5例)であった。
主な副作用は、白血球数減少100.0%(5/5例)、貧血80.0%(4/5例)、好中球数減少60.0%(3/5例)、体重増加40.0%(2/5例)、傾眠40.0%(2/5例)、食欲亢進40.0%(2/5例)であった。

〔参考元:https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190904150000_874.html〕
〔米国FDA https://www.fda.gov/media/99239/download



【製品概要】
【販売名】:ロズリートレク®カプセル100mg/同200mg(ROZLYTREK® Capsules)
【一般名】:エヌトレクチニブ(Entrectinib)
【効能又は効果】:NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
【用法及び用量】:
 ①通常、成人にはエヌトレクチニブとして1日1回600mgを経口投与する。尚、患者の状態により適宜減量する。

 ②通常、小児にはエヌトレクチニブとして1日1回300mg/m2(体表面積)を経口投与する。但し、600mgを超えない事。尚、患者の状態により適宜減量する。
ロズリートレクカプセルの小児患者の投与用量


【用法及び用量に関連する注意】:他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

【薬価】:
  ロズリートレクカプセル100mg/5,214.20円(100mg/1カプセル)
  ロズリートレクカプセル200mg/9,889.90円(200mg/1カプセル)







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