中外製薬株式会社(本社:東京都中央区日本橋)は、抗悪性腫瘍剤/ALKチロシンキナーゼ阻害剤「アレセンサ®(ALECENSA®)カプセル150mg(一般名:アレクチニブ塩酸塩)」について、『再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫(ALCL)」に対する適応拡大の追加承認を2020年2月21日、厚生労働省より取得したと発表しました。
ALK阻害剤がALK陽性未分化大細胞リンパ腫に対して薬事承認されるのは、本剤が世界で初めてとなります。
「アレセンサ®カプセル」は2014年7月、20mgと40mgがALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の治療薬として承認され、発売を開始。
その後、服薬の負担(錠数が多い)と利便性から150mgカプセルが追加され、2016年5月、20mgと40mgが販売中止となった。
ALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫(ALK陽性ALCL=Anaplastic Large-Cell Lymphoma)は、若年期に発症年齢のピークを示す、悪性リンパ腫の中の末梢性T細胞リンパ腫の4つの亜型の1つで、リンパ球の中のT細胞から発生する非ホジキンリンパ腫です。
日本の患者数は約90人/年と推計される極めて稀な希少疾患で、月単位で病勢進行が観られる「中悪性度」に分類され、国際共同研究で、ALK陽性ALCLの化学療法による5年治療成功生存割合は60%と報告されており、40%が再発・難治例であると推定されています。
再発・難治性に対しての治療法は未確立であり、造血細胞移植を含む様々な治療が選択されるものの、化学療法抵抗難治症例の場合、予後不良となるケースが多く、新たな治療選択肢が待たれていた。
ALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫(ALCL)の国内に於ける発症頻度は、悪性リンパ腫の1.5~2.0%、そしてその約半数がALK陽性と報告されています。
〔*厚生労働省研究事業(ALCL)/厚生科研費 研究課題/再発又は難治性のALK陽性ALCLに対するアレクチニブ塩酸塩の開発より〕
〔*中外製薬ニュースリリース/アレセンサ、再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対する適応追加の承認を取得〕
▼ALK融合遺伝子陽性未分化大細胞リンパ腫は……
ヒトの2番染色体の未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の末端部まで、5番染色体にあるヌクレオフォスミン(NPM=タンパク質)が飛ばされ転座を起こし融合する事で出来る異常な融合タンパク質で、この融合タンパク質によって造られる多形性悪性リンパ腫です。(t2-p23;t5-q35)
ALK融合遺伝子から作られるALK融合タンパク質は、細胞内に於いてタンパク質を構成するアミノ酸の一つ、チロシンにリン酸を付加するチロシンキナーゼ活性を持ち、このチロシンキナーゼの恒常的な活性化により、細胞増殖のシグナル伝達に関与するタンパク質にリン酸が付加(リン酸化)され、細胞増殖が異常に亢進、癌化が起こります。
「アレセンサ®」は、T細胞に由来する癌化の原因遺伝子であるALK融合タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害する第2世代型のALK阻害剤です。
非小細胞肺癌では、同じALK融合遺伝子陽性でも、ALKと融合する遺伝子がEML4遺伝子の転座でしたが、「アレセンサ®」は別々の遺伝子から離れ融合したALK融合遺伝子に対しても、新たな承認適応となった。
〔*共同プレスリリース/国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED), 国立病院機構名古屋医療センター, 国立病院機構九州がんセンター, 聖マリアンナ医科大学〕
【製品概要】:※下線太字部分が追加
【販売名】:アレセンサ®(ALECENSA®)カプセル150mg
【一般名】:アレクチニブ塩酸塩(Alectinib Hydrochloride)
【効能又は効果】:
◎ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
◎再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫
【用法及び用量】:
◇ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはアレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。
◇再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫
通常、アレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。但し、体重35kg未満の場合の1回投与量は150mgとする。
【薬価】:6737.10円/1カプセル
ALK阻害剤がALK陽性未分化大細胞リンパ腫に対して薬事承認されるのは、本剤が世界で初めてとなります。
「アレセンサ®カプセル」は2014年7月、20mgと40mgがALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の治療薬として承認され、発売を開始。
その後、服薬の負担(錠数が多い)と利便性から150mgカプセルが追加され、2016年5月、20mgと40mgが販売中止となった。
ALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫(ALK陽性ALCL=Anaplastic Large-Cell Lymphoma)は、若年期に発症年齢のピークを示す、悪性リンパ腫の中の末梢性T細胞リンパ腫の4つの亜型の1つで、リンパ球の中のT細胞から発生する非ホジキンリンパ腫です。
日本の患者数は約90人/年と推計される極めて稀な希少疾患で、月単位で病勢進行が観られる「中悪性度」に分類され、国際共同研究で、ALK陽性ALCLの化学療法による5年治療成功生存割合は60%と報告されており、40%が再発・難治例であると推定されています。
再発・難治性に対しての治療法は未確立であり、造血細胞移植を含む様々な治療が選択されるものの、化学療法抵抗難治症例の場合、予後不良となるケースが多く、新たな治療選択肢が待たれていた。
ALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫(ALCL)の国内に於ける発症頻度は、悪性リンパ腫の1.5~2.0%、そしてその約半数がALK陽性と報告されています。
〔*厚生労働省研究事業(ALCL)/厚生科研費 研究課題/再発又は難治性のALK陽性ALCLに対するアレクチニブ塩酸塩の開発より〕
〔*中外製薬ニュースリリース/アレセンサ、再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対する適応追加の承認を取得〕
▼ALK融合遺伝子陽性未分化大細胞リンパ腫は……
ヒトの2番染色体の未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の末端部まで、5番染色体にあるヌクレオフォスミン(NPM=タンパク質)が飛ばされ転座を起こし融合する事で出来る異常な融合タンパク質で、この融合タンパク質によって造られる多形性悪性リンパ腫です。(t2-p23;t5-q35)
ALK融合遺伝子から作られるALK融合タンパク質は、細胞内に於いてタンパク質を構成するアミノ酸の一つ、チロシンにリン酸を付加するチロシンキナーゼ活性を持ち、このチロシンキナーゼの恒常的な活性化により、細胞増殖のシグナル伝達に関与するタンパク質にリン酸が付加(リン酸化)され、細胞増殖が異常に亢進、癌化が起こります。
「アレセンサ®」は、T細胞に由来する癌化の原因遺伝子であるALK融合タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害する第2世代型のALK阻害剤です。
非小細胞肺癌では、同じALK融合遺伝子陽性でも、ALKと融合する遺伝子がEML4遺伝子の転座でしたが、「アレセンサ®」は別々の遺伝子から離れ融合したALK融合遺伝子に対しても、新たな承認適応となった。
〔*共同プレスリリース/国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED), 国立病院機構名古屋医療センター, 国立病院機構九州がんセンター, 聖マリアンナ医科大学〕
【製品概要】:※下線太字部分が追加
【販売名】:アレセンサ®(ALECENSA®)カプセル150mg
【一般名】:アレクチニブ塩酸塩(Alectinib Hydrochloride)
【効能又は効果】:
◎ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
◎再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫
【用法及び用量】:
◇ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはアレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。
◇再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫
通常、アレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。但し、体重35kg未満の場合の1回投与量は150mgとする。
【薬価】:6737.10円/1カプセル