厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会は8月27日、Web会議を開催し、科研製薬株式会社(本社:東京都文京区本駒込)が2020年1月10日に製造販売承認申請していた、外用薬として初めての原発性腋窩(えきか)多汗症外用治療剤「エクロックゲル5%(一般名:ソフピロニウム臭化物/開発コード:BBI-4000)」を審議し、承認することを了承した。
9月中にも正式承認される見込み。
原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)は、原発性局所多汗症の中の、手掌(しゅしょう=てのひら)、足底、腋窩(えきか)と言った限局した部位から両側性に過剰な発汗を認める疾患で、腋窩は両ワキの下の事を指す。
原発性局所多汗症は、温熱や精神的な負荷などや、またそれらと関係なく、手のひらや足の裏、ワキの下などに、日常生活や仕事に支障をきたすほどの大量の発汗を生じる状態を言い、特にワキの下(腋窩)に生じる場合を、原発性腋窩多汗症と言います。
東京医科歯科大学の大規模疫学調査(2012年)では、国内の原発性腋窩多汗症の罹患率は、人口の5.75%(約719万8000人)であった。
多汗症の重症度を自覚症状から判定・評価・診断には、国際的なワーキンググループによって策定されたHyperhidrosis Disease Severity Scale (HDSS=多汗症重症度スケール)スコアで、1~4の4つに分類したうちの3以上、かつ各腋窩の発汗重量が共に『50mg/5分』以上、原因不明の過剰な局所性発汗が6ヵ月以上持続していること等が、原発性腋窩多汗症の診断基準、及び重症度尺度となります。
臨床試験では、新しい腋窩多汗症の重症度尺度の、Hyperhidrosis Disease Severity Measure-Axillary(HDSM-Ax=腋窩多汗症重症度処置)スコア(0~4の5段階)で、原発性と診断した。
〔*科研製薬株式会社 ニュースリリース/原発性腋窩多汗症治療剤「BBI-4000」の製造販売承認申請について〕
〔*グラクソ・スミスクライン株式会社 原発性腋窩多汗症/診断について〕
「エクロックゲル5%(一般名:ソフピロニウム臭化物/BBI-4000)」は、神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻止する抗コリン剤に分類さる薬剤です。
アセチルコリンは、ムスカリン受容体(ムスカリン作働性アセチルコリン受容体M3)と結合することで、汗腺から発汗を誘発すると考えられており、本剤は、ムスカリン受容体と結合することで、アセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制します。
【BBI-4000】は、2015年3月に米国コロラド州に本拠を置く、Brickell Biotech, Inc.(ブリッケル・バイオテック社)より科研製薬株式会社が導入し、日本国内で外用剤として開発を進め、原発性腋窩多汗症の患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験に於いて、実薬群(141例)と基剤群(140例)との多施設共同、ランダム化二重盲検比較試験を実施、6週間投与時の有効性と安全性について検討を行った。
結果、良好な有効性と安全性が確認されたことで、多汗症治療の新たな選択肢として提供できるようになった。
【本剤の概要】
【一般名】:ソフピロニウム臭化物(Sofpironium bromide)
【効能・効果】:原発性腋窩多汗症
【特徴】:新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
◆同剤は1日1回、適量を腋窩(ワキの下)に塗布して用いる。
◆現在は、重度の原発性腋窩多汗症に対する治療薬としてA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックス注用」があるが、エクロックゲルは外用塗り薬であり軽度から使用できる。
今回の承認適応でゲル製剤は国内初となる。海外でも2020年6月現在、承認されている国・地域はない。
9月中にも正式承認される見込み。
原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)は、原発性局所多汗症の中の、手掌(しゅしょう=てのひら)、足底、腋窩(えきか)と言った限局した部位から両側性に過剰な発汗を認める疾患で、腋窩は両ワキの下の事を指す。
原発性局所多汗症は、温熱や精神的な負荷などや、またそれらと関係なく、手のひらや足の裏、ワキの下などに、日常生活や仕事に支障をきたすほどの大量の発汗を生じる状態を言い、特にワキの下(腋窩)に生じる場合を、原発性腋窩多汗症と言います。
東京医科歯科大学の大規模疫学調査(2012年)では、国内の原発性腋窩多汗症の罹患率は、人口の5.75%(約719万8000人)であった。
多汗症の重症度を自覚症状から判定・評価・診断には、国際的なワーキンググループによって策定されたHyperhidrosis Disease Severity Scale (HDSS=多汗症重症度スケール)スコアで、1~4の4つに分類したうちの3以上、かつ各腋窩の発汗重量が共に『50mg/5分』以上、原因不明の過剰な局所性発汗が6ヵ月以上持続していること等が、原発性腋窩多汗症の診断基準、及び重症度尺度となります。
臨床試験では、新しい腋窩多汗症の重症度尺度の、Hyperhidrosis Disease Severity Measure-Axillary(HDSM-Ax=腋窩多汗症重症度処置)スコア(0~4の5段階)で、原発性と診断した。
〔*科研製薬株式会社 ニュースリリース/原発性腋窩多汗症治療剤「BBI-4000」の製造販売承認申請について〕
〔*グラクソ・スミスクライン株式会社 原発性腋窩多汗症/診断について〕
「エクロックゲル5%(一般名:ソフピロニウム臭化物/BBI-4000)」は、神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻止する抗コリン剤に分類さる薬剤です。
アセチルコリンは、ムスカリン受容体(ムスカリン作働性アセチルコリン受容体M3)と結合することで、汗腺から発汗を誘発すると考えられており、本剤は、ムスカリン受容体と結合することで、アセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制します。
【BBI-4000】は、2015年3月に米国コロラド州に本拠を置く、Brickell Biotech, Inc.(ブリッケル・バイオテック社)より科研製薬株式会社が導入し、日本国内で外用剤として開発を進め、原発性腋窩多汗症の患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験に於いて、実薬群(141例)と基剤群(140例)との多施設共同、ランダム化二重盲検比較試験を実施、6週間投与時の有効性と安全性について検討を行った。
結果、良好な有効性と安全性が確認されたことで、多汗症治療の新たな選択肢として提供できるようになった。
【本剤の概要】
【一般名】:ソフピロニウム臭化物(Sofpironium bromide)
【効能・効果】:原発性腋窩多汗症
【特徴】:新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
◆同剤は1日1回、適量を腋窩(ワキの下)に塗布して用いる。
◆現在は、重度の原発性腋窩多汗症に対する治療薬としてA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックス注用」があるが、エクロックゲルは外用塗り薬であり軽度から使用できる。
今回の承認適応でゲル製剤は国内初となる。海外でも2020年6月現在、承認されている国・地域はない。