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再発難治性多発性骨髄腫治療薬「サークリサ®」が発売を開始

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サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区西新宿)は2020年8月31日、抗悪性腫瘍薬で新規のヒト型抗CD38モノクローナル抗体製剤「サークリサ®(Sarclisa®)点滴静注100mg/ 同500mg(一般名:イサツキシマブ(遺伝子組換え))」を、再発又は難治性の多発性骨髄腫の効能・効果で、発売を開始しました。

多発性骨髄腫治療薬サークリサ点滴静注
新規ヒト型抗CD38モノクローナル抗体製剤
再発又は難治性の多発性骨髄腫治療薬
「サークリサ®(Sarclisa®)点滴静注100mg/ 同500mg」
(一般名:イサツキシマブ=Isatuximab)」


多発性骨髄腫(Multiple Myeloma=MM)は、骨髄中にある血液細胞の一つである「形質細胞」のリンパ球が腫瘍化した血液癌で、異常な形質細胞が骨髄や、時には他の部位で、制御を失った状態で増殖する病気です。

形質細胞は、正常な血液内には存在しない白血球細胞の一種で、慢性の炎症症状がある時、多く出現するため、白血病や多発性骨髄腫などの診断に使われています。

形質細胞の癌化


形質細胞は免疫システムの役割を担っており、ウイルスなどが体内に侵入して来た時に攻撃する免疫グロブリン(抗体)を産生する細胞ですが、多発性骨髄腫になると、異常な抗体(M蛋白)が産生され、これが異物が無いのにどんどん増殖します。

その結果、正常であれば、形質細胞が骨髄中に占める割合は1%未満ですが、多発性骨髄腫では骨髄組織の大半に癌化した形質細胞が見られ、正常な抗体が低下する為、骨の痛み、病的骨折・圧迫骨折、倦怠感、貧血、出血傾向、感染症に対する抵抗力の低下、腎臓の機能低下、アミロイドーシス(臓器機能の低下)、過粘稠度症候群(血液の粘りが高くなる)、ウイルス感染による体力の低下などで、免疫力低下などを来たします。



多発性骨髄腫の治療と経過
近年、多発性骨髄腫の治療法・治療薬には目覚ましい進歩が見られるにも関わらず、まだ治癒が望める状況ではありませんが、治療する事で殆どの人に効果が得られ、最近では、平均生存期間は約2倍に延びています。

しかしそれでも、多発性骨髄腫では、最終的に死に至る事は避けられない事から、緩和ケアなどについて主治医と話し合ったり、適切な家族や友人を交えて話し合う事が有益となる事が多いようです。

〔MSDマニュアル家庭版--13. 血液の病気 / 形質細胞の病気 / 多発性骨髄腫より〕




「サークリサ®(Sarclisa®)」は、多発性骨髄腫(MM)の腫瘍細胞表面に高頻度で尚かつ一様に発現している、シグナル伝達分子CD38受容体を標的とする新規モノクローナル抗体製剤です。

サークリサ(イサツキシマブ)の作用機序

CD38に結合し、多発性骨髄腫(MM)細胞に対して『抗体依存性細胞傷害(ADCC)』『抗体依存性細胞貪食(ADCP)』『補体依存性細胞傷害(CDC)活性』、並びにアポトーシス(プログラム腫瘍細胞死)を誘導することなどにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。

ポマリドミド(サリドマイドの誘導体)、デキサメタゾン(副腎皮質ステロイド)と併用して使う。
尚、CD38を標的とする抗体製剤にはダラザレックス(一般名:ダラツムマブ)がある。





【製品概要】
【販売名】:サークリサ®点滴静注100mg、サークリサ®点滴静注500mg
【一般名】:イサツキシマブ(遺伝子組換え)新有効成分含有医薬品
【効能・効果】:再発又は難治性の多発性骨髄腫
【用法及び用量】:
ポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用に於いて、通常、成人にはイサツキシマブとして 1回 10mg/kgを点滴静注する。28日間を1サイクルとし、最初のサイクルは、1週間間隔で4回(1、8、15、22 日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15 日目)点滴静注する。

【国内製造販売承認取得日】:2020年6月29日
【薬価収載日】:2020年8月26日
【発売日】:2020年8月31日
【薬価】:100mg5mL/1瓶 6万4699円
       500mg25mL/1瓶 28万5944円(1日薬価:2万425円









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