Alnylam(アルナイラム)Japan株式会社(本社:東京都千代田区丸の内)は9月29日、指定難病の急性肝性ポルフィリン症(AHP)の治療薬として、RNA干渉(RNAi※)治療薬「ギボシランナトリウム:一般名/FDA承認名:Givlaari(givosiran)」について、日本国内における製造販売承認申請を行った。
本剤は、厚生労働省から希少疾病用医薬品に指定されており優先審査される。
急性肝性ポルフィリン症(AHP=acute hepatic porphyria)は、重症かつ原因不明の腹痛や嘔吐の呼吸器症状、痙攣などの消耗性発作を特徴とする遺伝性の超希少疾患群です。
発作中に麻痺や呼吸停止の可能性もある事から、生命を脅かす危険があります。
急性肝性ポルフィリン症の多くの患者で、発作と発作の間にも持続する疼痛などの慢性症状を伴い、日常機能とQOL(生活の質)に悪影響を及ぼす疾患です。
急性肝性ポルフィリン症(AHP)には、急性間欠性ポルフィリン症(AIP=acute intermittent porphyria)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP=hereditary co-proporphyria)、異型ポルフィリン症(VP=variegate porphyria)、及びALA脱水酵素欠損性ポルフィリン症(ADP=ALA dehydratase deficiency porphyria)の4つの病型があり、これらを総称します。(特に発症者の多い急性間欠性ポルフィリン症を指す事が多い)
いずれの病型も、遺伝子変異により肝臓内のヘム※産生に必要な特定の酵素が欠如する事で生じ、これにより体内のポルフィリンが毒性量まで蓄積します。
[*ALAS1=アミノレブリン酸合成酵素1]
[*ヘム=たんぱく質のグロビンと結合してヘモグロビンとなり、鉄としてその赤色素部分に酸素が結合し、全身に輸送する酸素の担体となる]
急性肝性ポルフィリン症(AHP)の発症は、労働年齢や、出産年齢の女性に偏って発生し、20~30代の女性に多いことが明らかになっており、女性ホルモン分泌との関係で、閉経後は症状が発現しにくくなるとされています。
症状などから、婦人科疾患やウイルス性胃腸炎などの一般的な他の疾患と診断される場合もあり、確定診断までに10年以上かかる患者もいます。
急性肝性ポルフィリン症の症状は様々で、最も良く見られる症状は重症かつ原因不明の腹痛で、随伴症状として、呼吸不全、てんかん発作、四肢痛、背部痛、胸痛、悪心、嘔吐、精神の錯乱、不安、痙攣、四肢脱力、便秘、下痢、暗色尿(赤褐色)または赤色尿も見られます。
ポルフィリン分子の蓄積による発作は、突然起こり、永久的な神経学的損傷や、死に至ることもありながら、これまで急性肝性ポルフィリン症に対する治療選択肢は、これら発作を特徴づける激しく繰り返す痛みを部分的に除去するなどしかありませんでした。
〔*Alnylam Japan 株式会社プレスリリース:2020年9月29日より]
〔*MSDマニュアル・プロフェッショナル版 /10. 内分泌疾患と代謝性疾患 /ポルフィリン症 /急性ポルフィリン症 より]
日本国内のポルフィリン症の患者数は、2011年の全国調査では63例でした。
但し、多くの未診断症例が存在している事も示唆されており、1920年(大正9年)に、国内で初めてポルフィリン症が報告されてから2010年12月末までの91年間に、926例のポルフィリン症関連疾患の患者が報告されていますが、実際にはもう少し多いと考えられています。
〔*Alnylam Japan 株式会社 /急性肝性ポルフィリン症(AHP)の疫学 /Porphyria.jp]
〔*公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター /ポルフィリン症診断ガイドライン(厚生労働省研究班 /指定難病254)]
『ギボシラン(ギボシランナトリウム/Givlaari(givosiran))』は、急性肝性ポルフィリン症を治療するための“アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)”を標的とするRNAi(RNA干渉※)治療薬です。
有効性と持続性を強化するために、安定化を促進したESC-GalNAcコンジュゲート技術に基づいています。
※▲RNA干渉とは‥‥標的遺伝子と同じ配列をもつ2本鎖のRNA(リボ核酸)を細胞内に導入すると、mRNA(メッセンジャーRNA)が分解され、遺伝子の発現が抑制される現象です。標的となるmRNAを分解させる事が出来るため、癌やエイズ、遺伝病の治療などへの応用が期待されています。
「ギボシラン(givosiran)」は、アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)メッセンジャーRNA(mRNA)を特異的に低下させる事で、急性肝性ポルフィリン症の発作やその他の症状の発現に関連する毒性を減少させます。
国際共同第III相試験(日本を含む世界18カ国から94名のAHP患者)に於いて、ギボシランはプラセボ(偽薬)と比較して、入院、緊急訪問診療、自宅での静脈内ヘミン投与を要するポルフィリン症の急性発作率を有意に低下させる事が示されました。
参考:米国での承認処方情報
製品名:GIVLAARI(givosiran)皮下注射剤
適応症:成人の急性肝性ポルフィリン症
使用法:推奨用量は2.5mg/kgです。
製品特徴:アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)指向性低分子RNA干渉治療に適応。
投薬法:皮下注射。
剤形:注射剤。単回投与。バイアルで189mg/mL。
禁忌:ギボシランに対する重度の過敏症。
警告と注意事項:アナフィラキシー反応。医療サポートが利用可能であることを確認する事。投与時にアナフィラキシー反応が起こった場合、適切に管理する。
本剤は、厚生労働省から希少疾病用医薬品に指定されており優先審査される。
急性肝性ポルフィリン症(AHP=acute hepatic porphyria)は、重症かつ原因不明の腹痛や嘔吐の呼吸器症状、痙攣などの消耗性発作を特徴とする遺伝性の超希少疾患群です。
発作中に麻痺や呼吸停止の可能性もある事から、生命を脅かす危険があります。
急性肝性ポルフィリン症の多くの患者で、発作と発作の間にも持続する疼痛などの慢性症状を伴い、日常機能とQOL(生活の質)に悪影響を及ぼす疾患です。
急性肝性ポルフィリン症(AHP)には、急性間欠性ポルフィリン症(AIP=acute intermittent porphyria)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP=hereditary co-proporphyria)、異型ポルフィリン症(VP=variegate porphyria)、及びALA脱水酵素欠損性ポルフィリン症(ADP=ALA dehydratase deficiency porphyria)の4つの病型があり、これらを総称します。(特に発症者の多い急性間欠性ポルフィリン症を指す事が多い)
いずれの病型も、遺伝子変異により肝臓内のヘム※産生に必要な特定の酵素が欠如する事で生じ、これにより体内のポルフィリンが毒性量まで蓄積します。
[*ALAS1=アミノレブリン酸合成酵素1]
[*ヘム=たんぱく質のグロビンと結合してヘモグロビンとなり、鉄としてその赤色素部分に酸素が結合し、全身に輸送する酸素の担体となる]
急性肝性ポルフィリン症(AHP)の発症は、労働年齢や、出産年齢の女性に偏って発生し、20~30代の女性に多いことが明らかになっており、女性ホルモン分泌との関係で、閉経後は症状が発現しにくくなるとされています。
症状などから、婦人科疾患やウイルス性胃腸炎などの一般的な他の疾患と診断される場合もあり、確定診断までに10年以上かかる患者もいます。
急性肝性ポルフィリン症の症状は様々で、最も良く見られる症状は重症かつ原因不明の腹痛で、随伴症状として、呼吸不全、てんかん発作、四肢痛、背部痛、胸痛、悪心、嘔吐、精神の錯乱、不安、痙攣、四肢脱力、便秘、下痢、暗色尿(赤褐色)または赤色尿も見られます。
ポルフィリン分子の蓄積による発作は、突然起こり、永久的な神経学的損傷や、死に至ることもありながら、これまで急性肝性ポルフィリン症に対する治療選択肢は、これら発作を特徴づける激しく繰り返す痛みを部分的に除去するなどしかありませんでした。
〔*Alnylam Japan 株式会社プレスリリース:2020年9月29日より]
〔*MSDマニュアル・プロフェッショナル版 /10. 内分泌疾患と代謝性疾患 /ポルフィリン症 /急性ポルフィリン症 より]
日本国内のポルフィリン症の患者数は、2011年の全国調査では63例でした。
但し、多くの未診断症例が存在している事も示唆されており、1920年(大正9年)に、国内で初めてポルフィリン症が報告されてから2010年12月末までの91年間に、926例のポルフィリン症関連疾患の患者が報告されていますが、実際にはもう少し多いと考えられています。
〔*Alnylam Japan 株式会社 /急性肝性ポルフィリン症(AHP)の疫学 /Porphyria.jp]
〔*公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター /ポルフィリン症診断ガイドライン(厚生労働省研究班 /指定難病254)]
『ギボシラン(ギボシランナトリウム/Givlaari(givosiran))』は、急性肝性ポルフィリン症を治療するための“アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)”を標的とするRNAi(RNA干渉※)治療薬です。
有効性と持続性を強化するために、安定化を促進したESC-GalNAcコンジュゲート技術に基づいています。
※▲RNA干渉とは‥‥標的遺伝子と同じ配列をもつ2本鎖のRNA(リボ核酸)を細胞内に導入すると、mRNA(メッセンジャーRNA)が分解され、遺伝子の発現が抑制される現象です。標的となるmRNAを分解させる事が出来るため、癌やエイズ、遺伝病の治療などへの応用が期待されています。
「ギボシラン(givosiran)」は、アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)メッセンジャーRNA(mRNA)を特異的に低下させる事で、急性肝性ポルフィリン症の発作やその他の症状の発現に関連する毒性を減少させます。
国際共同第III相試験(日本を含む世界18カ国から94名のAHP患者)に於いて、ギボシランはプラセボ(偽薬)と比較して、入院、緊急訪問診療、自宅での静脈内ヘミン投与を要するポルフィリン症の急性発作率を有意に低下させる事が示されました。
参考:米国での承認処方情報
製品名:GIVLAARI(givosiran)皮下注射剤
適応症:成人の急性肝性ポルフィリン症
使用法:推奨用量は2.5mg/kgです。
製品特徴:アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)指向性低分子RNA干渉治療に適応。
投薬法:皮下注射。
剤形:注射剤。単回投与。バイアルで189mg/mL。
禁忌:ギボシランに対する重度の過敏症。
警告と注意事項:アナフィラキシー反応。医療サポートが利用可能であることを確認する事。投与時にアナフィラキシー反応が起こった場合、適切に管理する。