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再発卵巣がん治療薬PARP阻害剤「ゼジューラ®カプセル」が製造販売承認を取得

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武田薬品工業株式会社(グローバル本社:東京都中央区日本橋本町二丁目)は9‎月‎25‎日、経口ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP=Poly ADP Ribose Polymerase)阻害薬「ゼジューラ®(ZEJULA™)カプセル100㎎」(一般名:ニラパリブトシル酸塩水和物=Niraparib)について、【卵巣癌に於ける初回化学療法後の維持療法白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌に於ける維持療法白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌】を適応とする再発卵巣がん治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。


卵巣癌PARP阻害薬ゼジューラカプセル
再発卵巣がん治療薬
経口ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬
「ゼジューラ®(ZEJULA™)カプセル100㎎(一般名:ニラパリブトシル酸塩水和物=Niraparib)」




卵巣がん
卵巣がんは、女性特有の癌で、女性生殖器悪性腫瘍の中で、罹患者数・死亡者数ともに年々増加しており、最も死亡者数の多い疾患です。

近年では年間に約10,000人の女性が新たに卵巣がんに罹患し、約4,800人が亡くなっています(2012~2014年)。
卵巣がんは、主に閉経期と閉経後(45~70歳)の女性に最も多く発生します。


卵巣がん年齢別罹患率


卵巣がんのリスクの上昇は以下の影響が考えられており、80%以上は、卵巣の表面に発生する上皮性卵巣がんです。
  • 第1度近親者の卵巣癌の既往
  • 未経産
  • 高齢での出産
  • 早い初経
  • 閉経の遅れ
  • 子宮内膜癌(子宮体がん),乳癌,または結腸癌の既往歴または家族歴


〔*武田薬品工業株式会社/ 国内向けニュースリリースより〕
〔*MSDマニュアル家庭版 /22.女性の健康上の問題/ 女性生殖器のがん/ 卵巣がんより〕
〔*アストラゼネカ(公式)株式会社/ 卵巣がんについて: 卵巣がんとは?より〕





卵巣癌と卵巣嚢胞の違い

卵巣癌と卵巣嚢胞の違い

卵巣は、骨盤内の比較的奥深くに位置する臓器のため、初期の段階では自覚症状に乏しく、卵巣がんの進行期分布を観ると、半数近くが予後不良な進行期ステージⅢ・Ⅳ期症例となっています。

卵巣がんの自覚症状には、腫瘍の増大に伴う“腹部膨満感、下腹部痛、頻尿など”がありますが、早期発見が困難な事から予後不良な癌として知られています。

卵巣がんステージ別(病期)進行度
卵巣がん超音波検査画像
卵巣がん超音波検査画像


治療は、極く初期の段階を除き、手術療法と化学療法の組み合わせが基本となります。
また、半数以上の患者が治療後再発のリスクがあり、不安を抱えながら過ごしています。


〔*武田薬品工業株式会社/ 国内向けニュースリリースより〕
〔*MSDマニュアル家庭版 /22.女性の健康上の問題/ 女性生殖器のがん/ 卵巣がんより〕




Robotic Surgery for Ovarian, Cervical, Uterine Cancer - Baltimore, Mercy
ダヴィンチ・ロボットによる卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がん全摘の外科手術。
海外サイトに飛びます(2012年版)






「ゼジューラ®カプセル」は、これまでの抗がん剤とは異なる作用機序のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬で、DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に対し、特異的に細胞死を誘導する新規機序の薬剤です。


オラパリブ作用機序
PARP阻害薬は、既にアストラゼネカの「リムパーザ錠(一般名:オラパリブ)」があり、「ゼジューラ®カプセル」は2番手となりますが、ただ、「ゼジューラ®カプセル」の方が適応が広くなっています。

リムパーザは、「卵巣がんに於ける初回化学療法後の維持療法」の適応について、BRCA遺伝子変異陽性で、HER2陰性の患者を対象としていますが、「ゼジューラ®」は、BRCA遺伝子変異の発現有無に関係なく使用できる。


ゼジューラ(ZEJULA)の作用機序

また「ゼジューラ®」の適応に入る、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣がん」の適応は、リムパーザには無い。

さらに、リムパーザは1日2回経口投与で用いるが、「ゼジューラ®」は1日1回経口投与で用いる。







【製品概要】
【販売名】:ゼジューラ®(ZEJULA™)カプセル100㎎
【一般名】:ニラパリブトシル酸塩水和物=Niraparib
【効能・効果】:

〇卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
〇白金系抗悪性腫瘍剤(プラチナ製剤)感受性の再発卵巣癌における維持療法
白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌

【用法及び用量】:
通常、成人にはニラパリブとして1日1回200mgを経口投与する。但し、本剤初回投与前の体重が77kg以上、尚かつ血小板数が150,000/μL以上の成人には、ニラパリブとして1日1回300mgを経口投与する。尚、患者の状態により適宜減量する。

【国内製造販売承認取得日】:2020年9‎月‎25‎日
【薬価】:100mg1カプセル 1万370.20円(1日薬価:2万740.40円)









「ゼジューラ®」は、バイオマーカーで限定されず、卵巣がん患者の初回、及び再発の維持療法として──また再発卵巣がん患者の後方ライン(サードライン及び第4ライン)での治療として、1日1回単剤での投与が可能な唯一のPARP阻害剤となっています。
本剤が、国内の卵巣がん患者にとって、新たな治療選択肢となると期待されます。


「ゼジューラ®」は2017年3月に、再発性上皮性卵巣がん卵管がん、又は原発性腹膜がんで、白金系抗悪性腫瘍剤を基本とした化学療法で完全奏効、又は部分奏効が得られた成人患者の維持療法として、米国食品医薬品局(FDA)から最初の承認を取得しました。










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