塩野義製薬株式会社(本社:大阪府大阪市中央区)とシャイアー・ジャパン社(Shire plc=本社:アイルランド、ダブリン/日本支社:東京都新宿区)は1月27日、共同で、小児期における*注意欠如・多動症(ADHD)治療薬「S-877503®」(グアンファシン塩酸塩徐放性製剤)について、日本国内での製造販売承認申請を行ったと発表しました。
「S-877503」は、2011年11月に塩野義製薬とシャイアー社との間で締結した、国内における共同開発・商業化に関するライセンス契約に基づき、小児期のADHD治療薬として共同開発が進められて来た。
欧米ではADHD治療薬として、種々の薬剤や剤型が承認、販売されているものの、日本国内においてADHDに対する適応が承認されている薬剤は2剤(ストラテラとコンサータ)のみに留まり、海外と比較して使用できる治療薬が少ないため、新たな治療薬が望まれて来ました。
新たに製造販売について承認申請が出された「S-877503」は、シナプスに存在する受容体を介してノルアドレナリン作動性神経を活性化する薬剤であり、前頭前皮質における後シナプス性α2A受容体の活性化作用により、ADHD症状を改善すると考えられている。
作用機序は、これまで国内でADHD治療薬として販売されている薬剤と異なる事から、ADHD患者への新たな治療選択肢となる事が期待されている。
注意欠如・多動症(ADHD)は、頻繁で激しい不注意、多動性および衝動性の3つの主症状によって定義される精神疾患で、これまでは小児期の疾患とされて来ましたが、近年では、症状が成人期になっても持続する場合があることが認められるようになりました。
ADHDは世界保健機関(WHO)においても疾患分類がなされており(IDC-10,2007)、世界での罹患率は5.29~7.1%、小児および18歳未満の青年では5%未満と推定されています。
発症要因は解明されていませんが、遺伝的要因と妊娠期の感染症や環境要因などが重なり発症すると考えられている。
*注意欠如・多動症の表記について…
2013年5月28日、日本精神神経学会は米国精神医学会が発行した「精神疾患の診断と統計のためのマニュアル第5版(DSM-5)」に基づき、病名・用語において患者中心の医療が行われる中、児童青年期の疾患においての病名を変えることを提案しました。
旧病名がある程度普及している場合には、新たに提案された病名の横に併記する事とし、「障害」を「症」に変更する用語翻訳ガイドラインを公表した。
それにより、「注意欠如・多動性障害(ADHD)」は「注意欠如・多動症」へ。「限局性学習障害」は「限局性学習症」に。自閉症やアスペルガー症候群などを統一した病名の「自閉症スペクトラム障害」は「自閉スペクトラム症」とされた。
他にも、「パニック障害」は「パニック症」へ。「大うつ病性障害」は「うつ病(DSM-5)」に変更。更に、「性同一性障害」は「性別違和」とする事などが盛り込まれた。
これらに基づき本記事では、プレスリリースの病名をそのまま表記しています。
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注意欠如・多動症(ADHD)治療薬「S-877503®」
(米国における製品名:Intuniv®)
(グアンファシン塩酸塩徐放性製剤)
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注意欠如・多動症(ADHD)治療薬「S-877503®」
(米国における製品名:Intuniv®)
(グアンファシン塩酸塩徐放性製剤)
「S-877503」は、2011年11月に塩野義製薬とシャイアー社との間で締結した、国内における共同開発・商業化に関するライセンス契約に基づき、小児期のADHD治療薬として共同開発が進められて来た。
欧米ではADHD治療薬として、種々の薬剤や剤型が承認、販売されているものの、日本国内においてADHDに対する適応が承認されている薬剤は2剤(ストラテラとコンサータ)のみに留まり、海外と比較して使用できる治療薬が少ないため、新たな治療薬が望まれて来ました。
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これまでADHD治療薬は2剤のみ承認されている。
ストラテラ(2009年6月薬価初収載)と、
コンサータ(2007年12月薬価初収載)
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これまでADHD治療薬は2剤のみ承認されている。
ストラテラ(2009年6月薬価初収載)と、
コンサータ(2007年12月薬価初収載)
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脳神経細胞と脳神経細胞との接続部をシナプスと呼ぶ。
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脳神経細胞と脳神経細胞との接続部をシナプスと呼ぶ。
新たに製造販売について承認申請が出された「S-877503」は、シナプスに存在する受容体を介してノルアドレナリン作動性神経を活性化する薬剤であり、前頭前皮質における後シナプス性α2A受容体の活性化作用により、ADHD症状を改善すると考えられている。
作用機序は、これまで国内でADHD治療薬として販売されている薬剤と異なる事から、ADHD患者への新たな治療選択肢となる事が期待されている。
注意欠如・多動症(ADHD)は、頻繁で激しい不注意、多動性および衝動性の3つの主症状によって定義される精神疾患で、これまでは小児期の疾患とされて来ましたが、近年では、症状が成人期になっても持続する場合があることが認められるようになりました。
ADHDは世界保健機関(WHO)においても疾患分類がなされており(IDC-10,2007)、世界での罹患率は5.29~7.1%、小児および18歳未満の青年では5%未満と推定されています。
発症要因は解明されていませんが、遺伝的要因と妊娠期の感染症や環境要因などが重なり発症すると考えられている。
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シャイアー社の成人用ADHD治療薬「Adderall®」
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シャイアー社の成人用ADHD治療薬「Adderall®」
*注意欠如・多動症の表記について…
2013年5月28日、日本精神神経学会は米国精神医学会が発行した「精神疾患の診断と統計のためのマニュアル第5版(DSM-5)」に基づき、病名・用語において患者中心の医療が行われる中、児童青年期の疾患においての病名を変えることを提案しました。
旧病名がある程度普及している場合には、新たに提案された病名の横に併記する事とし、「障害」を「症」に変更する用語翻訳ガイドラインを公表した。
それにより、「注意欠如・多動性障害(ADHD)」は「注意欠如・多動症」へ。「限局性学習障害」は「限局性学習症」に。自閉症やアスペルガー症候群などを統一した病名の「自閉症スペクトラム障害」は「自閉スペクトラム症」とされた。
他にも、「パニック障害」は「パニック症」へ。「大うつ病性障害」は「うつ病(DSM-5)」に変更。更に、「性同一性障害」は「性別違和」とする事などが盛り込まれた。
これらに基づき本記事では、プレスリリースの病名をそのまま表記しています。
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