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重症気管支喘息治療薬「ヌーカラ皮下注用100mg」が発売開始

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グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都渋谷区、略称:GSK)は6月10日、成人および12歳以上の小児に対し「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治患者に限る)」の効能・効果で、2016年3月28日に承認を取得した、抗インターロイキン-5(IL-5)抗体薬「ヌーカラ®皮下注用100mg」(一般名:メポリズマブ(遺伝子組換え))について、発売を開始したと発表した。


ヌーカラ皮下注用100mg


喘息患者は現在、全世界で約2億4,200万人が罹患(りかん)していると推定されています。日本では、全人口1億2,700万人のうち8%、約1,000万人が喘息に罹患していると推定されている。

喘息患者の多くは、既存の治療薬を適切に使用している場合、症状を十分にコントロールする事が出来ますが、喘息患者のうち5%以下が重症喘息であり、年間1550人程度(2014年)が重症化し、既存の治療法では症状を十分にコントロールする事が出来ずに死亡しています。

2000年には死亡者が4000人を越えていたので、この間、治療薬の進歩で減少傾向にありますが、それでも尚、難治性重症喘息患者では選択肢が狭められています。



喘息重症度別治療薬ステップ
「喘息の症状度別治療ステップ」
☆治療ステップ4の青線部=「抗IgE抗体」は、
2012年11月30日に登場した「ゾレア®(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え)」

ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体ゾレア
ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体「ゾレア®」


この『重症喘息(重症持続型)』は、「“コントロール不良”となる事を予防する為、高用量の吸入ステロイド薬および長期管理薬(および/または全身性ステロイド薬)による治療が必要である喘息、或いはこうした治療にも関わらず“コントロール不良”となる喘息」と定義され、また経口ステロイド薬を長期間使用している患者も、重症喘息患者として分類される。


血液中の好酸球
好酸球は白血球の中の一つで、
アレルギー性疾患では多く集まり特殊なタンパク質を放出する。


「ヌーカラ®」は、重症喘息患者において、好酸球(白血球の一種)の生成促進(産生亢進)が、肺の炎症を引き起こし、気道に影響を与え、呼吸を制限して喘息発作の頻度を増加させるインターロイキン-5(IL-5)と好酸球との結合を阻止する事で、血中、組織、および喀痰(たんを吐く事)に含まれる好酸球数を減少させます。


好酸球IL-5受容体とIL-5結合
好酸球にあるIL-5受容体とIL-5が結合して症状を悪化させる。
IL-5はサイトカイン(低分子タンパク質)の一種。


ヌーカラがIL-5と結合して受容体結合を阻止
「ヌーカラ®」がIL-5と結合、好酸球のIL-5受容体への結合を阻止。

「ヌーカラ®」は、骨髄で作られ肺へ送られる好酸球が、過剰になり、好酸球によって気道炎症が進む事を阻止するモノクローナル抗体製剤です。


製品概要;
製品名: 「ヌーカラ®皮下注用100mg」
一般名: メポリズマブ(遺伝子組換え)
効能・効果: 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
■ モノクローナル抗体薬としては初めて、12歳以上の小児にも使用が可能。
用法・用量: 通常、成人及び12歳以上の小児にはメポリズマブ(遺伝子組換え)として1回100mgを4週間ごとに皮下に注射する。
注意事項 ヌーカラの投与は皮下注射とし、静脈内または筋肉内注射は行わないこと。
薬価: 17万5,684円






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