ファイザー株式会社(本社:東京都)は、5歳の子供を持つ母親2,793人に、子供の『肺炎球菌ワクチン接種』の実態を調査、2月1日に“子どもの肺炎球菌ワクチン接種に関する意識調査”として、結果を公表した。
その結果、8割以上の母親が、お子さんが*“補助的追加接種”の対象である事を知らなかった───。
しかし、医師などから勧められれば、接種したいと言う人は半数以上存在する事が明らかになりました。
■小児用肺炎球菌ワクチン[7価]しか接種していない5歳児の補助的追加接種の対象者は8割以上(84.5%)
■肺炎球菌ワクチンの「補助的追加接種」について知らないと答えた割合は8割以上(82.9%)と低い認知度
1度でも「肺炎球菌ワクチン」を接種した事がある、5歳児の母子手帳に記載している『肺炎球菌ワクチンの接種月』を確認した所、2013年(平成25年)10月以降で、肺炎球菌ワクチンの接種を実施していない5歳のお子さんは8割以上(84.5%:2,243人)、と非常に高く、このお子さんは6歳になるまでに、任意で[13価]のワクチンを接種出来る、『補助的追加接種』の対象者になります。
■補助的追加接種について知っていたが接種しなかった理由として最も多かったのが「接種する必要がないと思っていたから」(30.5%)、次いで「値段が高いから」(22.7%)。
■補助的追加接種について知らなかった理由
肺炎球菌による感染症は、副鼻腔炎、急性中耳炎、肺炎、菌血症や髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こす。
特に、「細菌性髄膜炎」を引き起こした場合は、2%の子供が死亡し、10%に難聴や精神発達遅滞、四肢の麻痺やてんかんなどの後遺症を残すと言われている。
[7価]の小児用肺炎球菌ワクチンの発売後、小児の侵襲性肺炎球菌感染症の発症数は減少傾向にある。
但し一時、ワクチンでカバーされている血清型は、感染者からの球菌分離数が減少した一方、19Aなどのカバーされていない血清型の分離数は、増加傾向を示した。
[13価]は、この19Aもカバーしており、切り替え後は減少傾向に転じていると言う。
今回の調査結果について、外房こどもクリニックの黒木春郎理事長は、「肺炎球菌ワクチンの補助的追加接種は、肺炎球菌感染症の予防の為に必要な事。 未接種の子供が未だに多い事、接種推進には、自治体やかかりつけ医からの勧奨が有効である事が示された」と、調査結果を評価。
現在使用されているワクチンを任意接種できるのは、6歳になる前(小学校入学前)までです。
医師や医療従事者は、母子手帳で予防接種歴を確認し、必要に応じて保護者へ案内するようコメントを寄せている。
ファイザー社は、"補助的追加接種"による効果が十分に浸透しておらず、費用負担の方に関心がいっている」と分析。
「接種の必要性や効果について、医療従事者からの説明が母親の接種意向に大きな影響を与えている」としている。
5歳は、MR(麻しん風しん混合)ワクチンの2回目の接種時期。ファイザー社は、MRワクチン接種目的での来院時が、母子手帳を確認する良い機会であるとして、「肺炎球菌ワクチン」の接種歴についても併せて確認し、[7価]しか接種していない小児がいたら、[13価]の"補助的追加接種"について説明して欲しいと述べている。
*補助的追加接種:
2013年10月までに小児用肺炎球菌ワクチン[7価]の接種を終えた、現在6歳未満のお子さんが対象。
2013年11月より新しい小児用肺炎球菌ワクチン[13価]が、日本でも接種出来るようになり、従来のワクチンの接種を全て終えた乳幼児に対しては、新しい[13価]のワクチンを追加で接種しておくと、従来のワクチンよりも予防の範囲が広がります。