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世界初、球脊髄性筋萎縮症の進行抑制で「リュープリンSR注射用キット」が追加承認取得

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武田薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市)は8月28日、「リュープリンSR®注射用キット11.25mg(一般名:リュープロレリン酢酸塩)」について、厚生労働省より、球脊髄性筋萎縮症(SBMA=Spinal and Bulbar Muscular Atrophy)の進行抑制の効能追加承認を取得したと発表した。

「リュープリン®」は2015年9月28日、「リュープリン®PRO注射用キット22.5mg」が、前立腺がん及び閉経前乳がん治療剤として製造販売承認を取得している。


リュープリンSR注射用キット11.25mg
「リュープリン®SR注射用キット11.25mg」


球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は、筋萎縮を特徴とし、脳の一部や脊髄の運動神経細胞の障害により、しゃべったり、飲み込んだりする時に使う筋肉や、舌の筋肉、更には手足の筋肉が萎縮(やせる)する病気で、成人男性で発症するX連鎖性の下位運動ニューロン疾患です。

球脊髄性筋萎縮症のX染色体関連遺伝子座
球脊髄性筋萎縮症のX染色体関連遺伝子座
Xq11.2-q12(アンドロゲン受容体座位)


球脊髄性筋萎縮症の発症は、C(シトシン)・A(アデニン)・G(グアニン)の塩基配列が、“三連繰り返し”と呼ばれるDNA部分の異常な拡大で起こります。

球脊髄性筋萎縮症を発症するCAG3塩基異常
球脊髄性筋萎縮症を発症するCAG3塩基反復拡張変異

これによってポリグルタミンを有する変異アンドロゲン受容体(AR)が、核内に異常蓄積する事で、男性ホルモン依存的筋細胞死が起こり、神経細胞障害が生じます。

通常30~60歳頃に発症する事が多く、緩徐進行性の経過を辿り、末期には車イスでの生活や寝たきりの生活を余儀なくされるばかりではなく、誤嚥性肺炎を繰り返します。

日本では「指定難病」に定められており、特定疾患医療受給者証所持者数は、1223人(平成26年度厚生労働省特定疾患調査研究より)と報告されている。




「リュープリンSR®注射用キット11.25mg」は、武田薬品工業株式会社で合成された、高活性のLH-RHアゴニスト(黄体形成ホルモン放出ホルモン誘導体)の、12週間持続徐放性注射用製剤です。
脳下垂体に持続的に作用し、脳下垂体の反応性を低下させる事で性ホルモンの産生を抑制します。



「リュープリンSR」の投与前と投与後の陰嚢細胞変化。
リュープリンSRの投与前と投与後の陰嚢細胞変化
(A)治療前、陰嚢皮膚は核で反ポリグルタミン抗体の為に強烈で常習的(濃灰色)な染色を示す。
(B)治療12週後、核を染色すると強烈な強さの色彩は、著しく減少しました。性ホルモンの産生が抑制された為です。


今回の効能追加承認の取得は、主として、名古屋大学神経内科が中心となって、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の患者を対象に、「リュープリンSR®」の有効性および安全性を検討した、医師主導治験の結果に基づき評価されたものです。

本剤は、国内に於いて前立腺がん、閉経前乳がんなどのホルモン依存性疾患の治療剤として使用されており、「球脊髄性筋萎縮症(SBMA)」の進行に対する治療剤としては、世界初の承認となります。




【今回承認された効能・効果、用法・用量について】

【効能・効果】:球脊髄性筋萎縮症の進行抑制
【用法・用量】:通常、成人には12週に1回リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを皮下に投与する。
▲投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。






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