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国内初の2型糖尿病治療剤「カナリア®配合錠」が発売開始

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田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪府大阪市中央区)と第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は、選択的DPP-4阻害剤「テネリア®錠(一般名:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)」と、SGLT2阻害剤「カナグル®錠(一般名:カナグリフロジン水和物)」の配合剤である2型糖尿病治療剤「カナリア®配合錠」について、8月30日に薬価基準に収載された事を受け、9月7日に発売を開始したと発表しました。

【プレスリリース】
http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2017/MTPC170907.html


2型糖尿病治療剤カナリア配合錠
2型糖尿病治療剤「カナリア®配合錠」
《テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物配合錠》


「カナリア®配合錠」は、日本で初めて発売された、ジペプチジルペプチダーゼ‐4(DPP-4)阻害剤と、ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の2成分を含有する配合剤です。

選択的DPP-4阻害剤「テネリア®錠」と、SGLT2阻害剤「カナグル®錠」は、いずれも田辺三菱製薬が創製した日本オリジン(日本に研究開発の拠点を置く製薬企業が開発した新医薬品)の2型糖尿病治療剤です。


カナリア配合錠-2型糖尿病治療剤

二つの薬剤を配合した「カナリア®配合錠」は、DPP-4阻害剤による血糖値に応じたインスリン分泌促進作用の「テネリア®錠」と、SGLT2阻害剤による尿糖排泄促進作用の「カナグル®錠」と言う、2つの異なる作用機序により、1日1回1錠で、良好な血糖降下コントロールが期待できる、国内初の配合製剤となる。




糖尿病はインスリン作用の不足に基づく慢性の高血糖状態を来す代謝疾患です。
1型糖尿病、2型糖尿病、その他の疾患に伴う糖尿病、及び妊娠糖尿病に分類されます。


糖尿病の病態分類表


【1】1型糖尿病
~自己免疫異常により、インスリンを合成する膵β細胞が破壊され、インスリンが絶対的に欠乏し、高血糖になる。8~12歳の思春期に発症が多くなりますが、幼児や、最近では成人にも発症が見られます。日本の有病率は1万人に約1人です。

【2】2型糖尿病
~糖尿病の98%以上を占め、40歳以降に起こりやすいタイプです。インスリン分泌の低下、或いはインスリン抵抗性によって骨格筋などでの糖の利用が悪くなり、高血糖を来す。2型糖尿病は多因子遺伝で、家族性に起こります。
最近では50歳以上の人の約10%が2型糖尿病です。

【3】その他の疾患に伴う糖尿病
~遺伝子異常が突き止められた糖尿病(MODY、ミトコンドリア糖尿病)や、糖尿病がその他の疾患や条件(内分泌疾患、膵疾患、肝疾患、ステロイド薬服用)に伴って発症する事もあります。

【4】妊娠糖尿病(GDM、GD)
~妊娠中には女性ホルモンなどの影響で耐糖能(たいとうのう*)が悪化し、糖尿病になる事があります。多くは出産後、正常に戻りますが、妊娠糖尿病になった女性は、将来糖尿病を発症しやすいので、注意が必要です。


 *耐糖能とは……検査時、血中グルコース(糖)濃度を測定する事で求められます。
 耐糖能が低い場合、血糖値を制御するインスリンなどが十分に機能していないと判断される。健常人と糖尿病患者の中間に該当し、いわゆる「糖尿病予備軍」に入る。WHOなどは「耐糖能異常」の病名を与えている。





一般的に、2型糖尿病の治療では、第一選択薬としてスルホニル尿素(SU)系薬剤やジペプチジルペプチダーゼ‐4(DPP-4)阻害剤などの単独投与が行われており、単独投与で血糖コントロールが不十分な場合には、増量、又は作用機序の異なる薬剤の併用療法が推奨されています。

従って、第一選択薬で十分なコントロールが出来ない場合の配合製剤は、服薬する薬剤(下記一覧参照)の種類、錠数、及び服用回数が減少できる事など、患者サイドにとっても大きな利点を有している。

糖尿病_高血糖の要因

本剤は、国内の臨床試験で、「テネリア®錠」又は「カナグル®錠」の単独治療で効果が不十分な患者を対象として、有効性や安全性において良好な成績が認められました。
「カナリア®配合錠」は、この併用治療により血糖コントロールが安定している2型糖尿病の患者が使用する事で、服薬錠数が低減され、アドヒアランス(適切に飲みやすい)の向上につながります。

更に、「テネリア®錠」又は「カナグル®錠」での単剤治療を受けているにも関わらず、効果が不十分な2型糖尿病の患者にとっては、本剤の使用によって血糖コントロールの改善が期待される。


糖尿病患者数

尚、糖尿病の総患者の具体数は、厚生労働省の統計値や推計値を見ても、統一した明確な判断基準がなく、同じ2016年数値でも様々発表されており(継続的治療中、入院治療、糖尿病予備群、健康増進法に基づく推定患者数、高脂血症など)、曖昧なため掲載を断念しました。(概ね、316万人~1000万人)




【製品概要】
【販売名】:カナリア®配合錠(CANALIA® Combination Tablets)
【一般名】:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物配合錠

【効能・効果】:2型糖尿病
但し、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物及びカナグリフロジン水和物の併用による治療が適切と判断される場合に限る。

【用法・用量】:通常、成人には1日1回1錠(テネリグリプチン/カナグリフロジンとして20mg/100mg)を朝食前又は朝食後に経口投与する。
尚、本剤を2型糖尿病治療の「第一選択薬として用いない」事に注意する。

【国内臨床試験で報告された、臨床検査値異常を含む副作用】
 ▼主な副作用は頻尿(3.3%)、血中ケトン体増加(2.0%)、外陰部膣カンジダ症、便秘、口渇(各1.7%)など。▼重大な副作用は、低血糖、脱水、ケトアシドーシス、腎盂腎炎、敗血症、腸閉塞、肝機能障害、間質性肺炎、類天疱瘡が報告された。

【薬価】:300.30円
【製造販売承認日】:2017年7月3日
【製造販売元】:田辺三菱製薬株式会社
【販売元】:第一三共株式会社


◆現在、臨床使用されている糖尿病薬配合製剤◆

▼チアゾリン誘導体ピオグリタゾン(アクトス他)と、DPP-4阻害薬アログリプチン(ネシーナ)との配合製剤(リオベル)
▼ピオグリタゾンと、SU系薬グリメピリド(アマリール他)との配合製剤(ソニアス)
▼ピオグリタゾンと、ビグアナイド(BG)系薬メトホルミン(メトグルコ他)との配合製剤(メタクト)
▼速効型インスリン分泌促進薬ミチグリニド(グルファスト)と、αグルコシダーゼ阻害薬ボグリボース(ベイスン他)との配合製剤(グルベス)
▼DPP-4阻害薬ビルダグリプチン(エクア)と、BG系薬メトホルミンとの配合製剤(エクメット)
▼DPP-4阻害薬アログリプチンと、BG系薬メトホルミンとの配合製剤(イニシンク)

‥‥などがあります。





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