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世界初・結節性硬化症に伴う皮膚病変治療薬「ラパリムスゲル」の承認申請を了承

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厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会は3月1日、ノーベルファーマ株式会社(本社:東京都中央区日本橋)が承認申請していた、「結節性硬化症に伴う皮膚病変(血管線維腫)」を効能・効果とする新投与外用治療剤、「ラパリムスゲル0.2%(一般名:シロリムス=NPC-12G12G)」について、承認申請を了承した。
早ければ、約1~2ヶ月ほどで正式承認される。




ラパリムスゲル0.2%
*写真はイメージです。
結節性硬化症に伴う血管線維腫外用治療薬「ラパリムスゲル0.2%」は、
世界初のゲル剤で発売前あり、薬剤の写真はまだありません。



結節性硬化症(TSC=tuberous sclerosis complex)は常染色体優性遺伝疾患の一つで、主に心臓、脳、皮膚、目、腎臓、肺などの様々な臓器に、「過誤腫」と呼ばれる、良性の腫瘍が出来る疾患です。

結節性硬化症の発症率は、約1万人に1人と言う希少疾患ですが、症状は様々で、非常に重症の人もいれば、診断されずに過ごしてしまうほど軽症の人もいます。
結節性硬化症患者の中には、発達障害(0-6歳)、知的障害(IQが測定できる年齢)や自閉症を伴う人もいます。

結節性硬化症の年齢別の症状
結節性硬化症の年齢別の症状

しかし、同じ結節性硬化症患者でも、自立して生活し、健康的な人生を送り、医師、弁護士、教育者や研究者などの専門職に就いている人達もたくさんいます。(ここまで日本結節性硬化症学会HPより)


結節性硬化症の患者の約9割に、顔面に赤いニキビの様な発疹が出る『血管線維腫』の皮膚病変が現れ、外観に著しい影響を及ぼします。他に白斑、シャグリンパッチ(粒起革様皮=サメ肌様皮膚)、爪囲線維腫などの皮膚病変が現れる。
結節性硬化症の顔面の血管線維腫の症例結節性硬化症の顔面の血管線維腫
『C』は血管線維腫のピンク色斑の症例

中でも顔面の血管線維腫の影響は大きく、2~5歳頃の思春期にかけて、鼻や両頬、額に赤みを帯びた腫瘤が現れ、重症化の場合は、鼻閉塞や触るだけで出血する事もあり、患者のQOL(生活の質)に著しく悪影響を及ぼす疾患と言われています。


現在の治療法としてはレーザー治療や、外科的切除のみで、再発が多く、色素変化や傷あと、感染等のリスクもあります。

多くの結節性硬化症(TSC)患者は、より良い医療ケアを受ける事で、平均寿命を全うします。



結節性硬化症を引き起こす、二つの原因遺伝子が同定されています。
第9染色体上にある『TSC1』遺伝子と、第16染色体上にある『TSC2』遺伝子で、この二つの原因遺伝子のうち、一つでも遺伝子が壊れていると結節性硬化症を発症します。
結節性硬化症の原因遺伝子座位
結節性硬化症の原因遺伝子座

しかし、この二つの遺伝子がどのような役割を担っているか? また、この遺伝子の欠陥がどのように結節性硬化症を引き起こすのかは、症状が多岐に及ぶ事からハッキリしていません。




「ラパリムスゲル0.2%」は、結節性硬化症(TSC)に伴う皮膚病変=血管線維腫(顔面)に対する世界初の医薬品であり、ゲル様外用塗布剤で、TSC1遺伝子、又はTSC2遺伝子変異によって過剰に活性化している、*mTORの働きを抑制する事で症状を緩和する。
*mTOR=哺乳類ラパマイシン標的タンパク質
ラパリムスゲルの作用機序

通常は、mTORの働きを「TSC1遺伝子」と「TSC2遺伝子」がコントロールしていて、「過誤腫」の様な過剰な活性化にブレーキを掛けていますが、結節性硬化症患者ではその機能が働かず、発症してしまう。

「ラパリムスゲル0.2%」は、通常、1日2回、患部に適量を塗布して用いる。

尚、この主成分で承認されている「ラパリムス錠」はこれまで通り、リンパ脈管筋腫症にのみ使用する。






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