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国内最低用量のレボノルゲストレルを含む月経困難症治療薬「ジェミーナ配合錠」発売

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厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は8月22日、去る7月3日と8月3日に承認された、新規・新有効成分含有医薬品で、これまで販売されていない新薬9製品の薬価収載を了承しました。
これらは8月29日に収載されます。



その中で、国内初となる、レボノルゲストレルを含む月経困難症治療薬「ジェミーナ®配合錠(一般名:レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール配合製剤)」が、新たに薬価収載される。

「ジェミーナ®配合錠」は、ノーベルファーマ株式会社(本社:東京都中央区日本橋)が今年7月2日に製造販売承認を取得していた、「月経困難症」を効能・効果とする新医療用配合剤で、1錠当たりレボノルゲストレル(LNG=Levonorgestrel)を0.09mg、エチニルエストラジオール(EE=Ethynylestradiol)を0.02mgを含有する治療薬です。

本剤は月経困難症治療薬として、日本初のレボノルゲストレルを含有した“一相性超低用量エストロゲン・プロゲスチン配合製剤”となります。



月経困難症治療薬ジェミーナ配合錠
レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール配合製剤
月経困難症治療剤「ジェミーナ®配合錠」
(Jemina®tablets)



月経困難症(dysmenorrhea)とは、月経期間中に子宮に痛みが生じる状態を言います。
痛みは月経時、又は月経の1~3日前に起こる事があり、痛みは月経開始後24時間で最大となり、2~3日後に軽減する傾向があります。

痛みは多岐にわたり、下腹痛、腰痛、腹部膨満感、悪心・嘔吐、頭痛、いらいら感、脱力感、便秘または下痢、頻尿などが現れ、月経痛は多少でも痛みがあるものを含めると、女性の約80%に見られ、その約半数は、日常生活に支障をきたしているとの報告がある。
生理痛のイメージ
月経困難症の病因は、子宮内膜症など骨盤内に器質性病変のある『器質性月経困難症(続発性月経困難症)』と、子宮内膜に増加したプロスタグランジン(=痛みや炎症の原因となる生理活性物質)の関与が考えられる『機能性月経困難症(原発性月経困難症)』に大別される。

月経困難症の治療では、エストロゲン(E:卵胞ホルモン)とプロゲスチン(P:黄体ホルモン)との配合剤を使用することが第一選択となっている。
薬剤を長期間安全に使用するためには、エストロゲンの低用量化と共にプロゲスチンの薬剤選択が重要となり、日本国内で、月経困難症の適応を有する薬剤は、13製剤が販売されている。

そのうち、エストロゲン(卵胞ホルモン)の低用量化エチニルエストラジオール(EE=卵胞ホルモン)に、プロゲスチン(黄体ホルモン)としてドロスピレノン(DRSP)との配合製剤(ヤーズ配合錠)、プロゲスチンとしてノルエチステロンとの配合製剤(ルナベル配合錠)などの低用量エストロゲン・プロゲスチン(低用量EP)製剤が使用されています。



「ジェミーナ®配合錠」と既存の月経困難症治療薬2剤との成分比較
月経困難症治療薬の成分比較
*レボノルゲストレル、ドロスピレノン、ノルエチステロンはいずれも合成黄体ホルモン。
「ジェミーナ®配合錠」は月経困難症の適応を持つ薬剤では最も低い用量となる。
これによって脳や肺の血栓症のリスク低減の可能性。




【製品概要】
【販売名】:ジェミーナ配合錠
【一般名】:レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール配合製剤
【有効成分・含量】:レボノルゲストレル(0.09mg)/日局エチニルエストラジオール(0.02mg)
【効能・効果】:月経困難症(避妊や子宮内膜症の適応はありません)
【用法・用量】:次のいずれかを選択する。
(1)21日間連続投与、7日間休薬の28日間を1周期とした投与方法。
(2)77日間連続投与、7日間休薬の84日間を1周期とした投与方法。
いずれの場合も出血の有無にかかわらず、1周期終了後の翌日から次の周期を開始し、以後同様に繰り返す、となっている。
用法・用量が14日を超える投与期間であること。

既存薬に於いて、14日を超える投薬の安全性は確認されている事から、例外として処方日数制限を14日ではなく30日とする事が提案され、中央社会保険医療協議会総会で了承された。


◆同一成分を配合した製剤としては、3相性の経口避妊薬(低用量ピル=アンジュ/トリキュラー/ラベルフィーユ)が臨床使用されているが、薬価基準未収載で保険適応になっていない。


「ジェミーナ®配合錠」は、月経困難症に適応を有する低用量EP(黄体ホルモン・卵胞ホルモン混合)製剤の中でも、EE(エチニルエストラジオール=卵胞ホルモン)含量が最も低い用量(0.02mg)と同一で、プロゲスチン(黄体ホルモン)としてLNG(レボノルゲストレル)を配合した事が特徴である。

海外での研究結果から、レボノルゲストレル含有のEP製剤は、黄体ホルモンとしてドロスピレノン含有のEP製剤よりも血栓症の発症リスクが低いことが確認されている

また、EP(黄体ホルモン・卵胞ホルモン混合)製剤の連続投与は、28日周期投与に比べて(84日周期の方が)月経回数を減らす事により、疼痛軽減が期待されること。一方、28日周期投与では連続投与に比べて破綻出血の発生が少ない事もあり、「ジェミーナ®配合錠」はいずれの投与方法も選択可能なEP製剤となっている。



本剤はノーベルファーマ株式会社と、あすか製薬株式会社(本社:東京都港区芝浦)で販売提携をしており、今後、両社医薬情報担当者を通じて、本剤の適正使用に関する情報提供に努めるとコメントしている。




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