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多血性腫瘍などの動脈塞栓療法補綴材「DCビーズ®」が追加承認を取得

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エーザイ株式会社(本社:東京都文京区)は9月29日、「多血性腫瘍又は動静脈奇形(AVM)を有する患者に対する動脈塞栓療法」の効果・効能で、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材「ディーシー ビーズ®(DC Bead®)」についての、日本における適応追加承認を取得したと発表した。

尚、今回取得した効果・効能は、肝細胞癌への使用に関して保険適用となる予定で、肝細胞癌以外の使用目的または効果に対する保険適用は、特定保険医療材料としての収載手続き後となる。


ディーシービーズ
中心循環系血管内塞栓促進用補綴材「ディーシー ビーズ®(DC Bead®)」

「DCビーズ®」は、架橋化ポリビニルアルコール高分子からなる親水性の球状微粒子で、粒子サイズの異なる3種の製品(100~300µm粒、300~500µm粒、500~700µm粒)がある。

2009年7月、英国のBiocompatibles UK Limitedから国内使用権を獲得し、2013年4月に「肝細胞癌患者に対する肝動脈塞栓療法」を使用目的又は効果として、製造販売承認を取得し、エーザイ株式会社が2014年2月より発売していた。

外国製DCビーズ
「ディーシー ビーズ®(DC Bead®)」はその名の通り、非常に微小な球状粒子で、
「血管塞栓用ビーズ」と「抗がん剤溶出性ビーズ」の2種類がある。
青色が「抗がん剤溶出性ビーズ」で、抗がん剤を染み込ませると赤色に変化。


肝動脈マイクロカテーテル

通常、大腿部の付け根の動脈からガイドカテーテルを挿入し、肝動脈から腫瘍に通じる血管内に、内径0.46mmほどのマイクロカテーテルを挿入‥‥その後‥‥。

肝臓癌へのディービーズ1

カテーテルから抗がん剤の染み込んだ「ディーシー ビーズ®(DC Bead®)」を送り込む。
肝臓癌へのディービーズ2

肝臓癌へのディービーズ3

「ディーシー ビーズ®(DC Bead®)」がぎゅうぎゅうとなり血液の流れを止めると、染み込んでいた抗がん剤が放出される。
肝臓癌へのディービーズ4

肝臓癌へのディービーズ5

肝臓癌へのディービーズ6

栄養路を絶たれた腫瘍の縮小・壊死効果や、動静脈奇形に伴う症状の改善が期待されている。



厚生労働省の「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」において、「DCビーズ®」が「多血性腫瘍および動静脈奇形の適応」について、早期導入すべき医療機器として推奨されていた。

これを受けてエーザイ株式会社は、適応拡大のため、多血性腫瘍および動静脈奇形(中枢・心・肺を除く)を対象として、「DCビーズ®」を用いた血管塞栓療法の有効性と安全性を確認する臨床試験を実施した。
その結果、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材としての性能、安全性を示唆する結果を得た為、2014年9月に、使用目的又は効果の追加申請を行なっていた──。



多血性腫瘍は、腫瘍組織(がん細胞)に発達した血管網を介して栄養供給を受けている腫瘍(がん細胞)の総称で、一般的に『肝細胞癌』、一部の『転移性肝癌』、『腎細胞癌』、『骨軟部腫瘍』、『子宮筋腫』などが知られています。


また一方の動静脈奇形は、動静脈が毛細血管を介さずに異常連結したことにより血液循環動態に異常をきたし、種々の機能障害、器質障害、発育障害等を引き起こす先天性の血管奇形です。

AVM


腫瘍組織(がん細胞/悪性腫瘍)への栄養補給を絶つためには、標的となる血管の血管径、腫瘍の大きさ、及び塞栓範囲を考慮し、適切な粒子サイズを選択する必要があるため、現在、3タイプの粒子サイズが用意されている。
国内臨床試験において確認された主な有害事象は、塞栓術後症候群、リンパ球減少、便秘などとなっている。

これらの高度医療機器が、保険適用になる事で、より金銭的負担の少ない治療法での塞栓法治療が、多くの人に寄与する事を望みたい。




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