杏林製薬株式会社(本社:東京都千代田区神田駿河台)と、キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市芳野)は9月21日付けで、日本国内に於いて共同開発を進めて来た、過活動膀胱治療薬「ベオーバ®錠50mg(一般名:ビベグロン)」ついて、厚生労働省より製造販売承認を取得した。
過活動膀胱(OAB=Overactive Bladder)とは、加齢や、不安・心配などの神経疾患などの原因により、「尿意切迫感(急に起こる、抑えられないような強い尿意)」や「頻尿(排尿回数が通常より多い状態)」、「夜間頻尿」などの症状を示す疾患です。
過活動膀胱(OAB)の有症状者は、加齢と共に上昇する傾向があり、国内の患者数は約810万人と推定される。〔過活動膀胱治療薬の臨床評価方法に関するガイドライン平成18年6月28日付け〕
医療機関で治療などをしていない人は、2012年の人口構成から1,040万人の患者が存在すると推定されています※。〔※過活動膀胱診療ガイドライン[第2版] 日本排尿機能学会 過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会 編〕
【過活動膀胱の定義】
日本泌尿器科学会によると、過活動膀胱は、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮するという病気、とあります。
過活動膀胱(OAB)は「排尿障害」の症状症候群に分類されており、正式には下部尿路症状(LUTS=lower urinary tract symptoms)と言われ、蓄尿症状(尿を貯めることに関連した症状)、排尿症状(尿を出すことに関連した症状)、排尿後症状(排尿した後に出現する症状)の3つに大別されます。
蓄尿症状には『頻尿・尿意切迫感・尿失禁』などの症状が含まれますが、しかしこうした症状があっても、疾患(病気)とは区別されています。
疾患の対象となる症状は、蓄尿症状のある尿失禁や過活動膀胱が挙げられ、ただ単に強い尿意がある場合や、我慢できるものとは異なります。
【泌尿器科受診の目安】
◆せき・くしゃみ・体動などで不随意(意に反して)に尿が漏れる尿失禁は、更年期の女性に多く見られる、切迫性尿失禁と見られ、過活動膀胱の一つの形態と考えられています。
この様な症状が現れたら、早めに泌尿器科を受診すると良いでしょう。
骨盤底筋群の脆弱化や、尿道括約筋の損傷も考えられるので、理学療法を含め、早めの治療開始が症状の改善に役立ちます。
「過活動膀胱診療ガイドライン」に記載されている薬物は、①抗コリン薬(膀胱収縮抑制作用)、②フラボキサート(商品名:ブラダロン)③抗うつ薬が挙げられていますが、この中で推奨グレードAは抗コリン薬のみとなっている。
その理由は、口渇等の副作用発現の他、効果不十分等により治療中止となる事もあり、近年では選択的β3アドレナリン受容体作動薬のミラベグロン(商品名:ベタニス)が、推奨グレードAに加わった。
ミラベグロン(2011年9月発売)は、抗コリン薬が無効な場合の第二選択薬として推奨されている。
また単独投与で効果不十分な場合について、2015年、米国泌尿器学会で発表された第3相試験に於いて、抗コリン薬(ソリフェナシン/国内商品名:ベシケア)で効果不十分な症例に対して、ミラベグロンを追加併用した場合の有効性と安全性が証明されている。
但し、ミラベグロン(商品名:ベタニス)には【使用上の警告】として、『生殖可能年齢への投与はできる限り避ける」とあり、これまで選択的β3アドレナリン受容体作動薬は閉経後の女性しか使えませんでした。
また妊婦・妊娠可能性の女性では禁忌となっています。
「ベオーバ®錠50mg」の有効成分であるビベグロンは、米国Merck社により創製され、日本国内では2016年3月に導入され、杏林製薬とキッセイ薬品が共同で開発した、過活動膀胱(OAB)に対する新規経口治療薬です。
膀胱のβ3アドレナリン受容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させる(緊張をほぐす)事で、蓄尿機能を高め、過活動膀胱(OAB)に於ける尿意切迫感、頻尿、及び切迫性尿失禁の症状を改善します。
本剤は、過活動膀胱の適応を有する選択的β3アドレナリン受容体作動薬としては、既発売のミラベグロン(商品名:ベタニス/アステラス製薬)に次ぐ2番目となります。
【製品概要】
【製品名】:ベオーバ®錠50mg(Beova tablet)
【一般名】:ビベグロン(Vibegron)
【効能・効果】:過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
【用法・用量】:通常、成人にはビベグロン50mgを1日1回食後に経口投与する
【臨床試験での副作用(臨床検査値異常を含む)】:
口腔内乾燥、便秘(各1.2%)、膀胱炎などの尿路感染、残尿量増加(各0.7%)、肝機能異常、CK(CPK)上昇(各0.3%)など。尿閉を生じる可能性あり。
◆授乳中の婦人には投与しない事が望ましいが、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。
◆妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。)それぞれ副作用の項目が変更された。
過活動膀胱(OAB=Overactive Bladder)とは、加齢や、不安・心配などの神経疾患などの原因により、「尿意切迫感(急に起こる、抑えられないような強い尿意)」や「頻尿(排尿回数が通常より多い状態)」、「夜間頻尿」などの症状を示す疾患です。
過活動膀胱(OAB)の有症状者は、加齢と共に上昇する傾向があり、国内の患者数は約810万人と推定される。〔過活動膀胱治療薬の臨床評価方法に関するガイドライン平成18年6月28日付け〕
医療機関で治療などをしていない人は、2012年の人口構成から1,040万人の患者が存在すると推定されています※。〔※過活動膀胱診療ガイドライン[第2版] 日本排尿機能学会 過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会 編〕
【過活動膀胱の定義】
日本泌尿器科学会によると、過活動膀胱は、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮するという病気、とあります。
過活動膀胱(OAB)は「排尿障害」の症状症候群に分類されており、正式には下部尿路症状(LUTS=lower urinary tract symptoms)と言われ、蓄尿症状(尿を貯めることに関連した症状)、排尿症状(尿を出すことに関連した症状)、排尿後症状(排尿した後に出現する症状)の3つに大別されます。
蓄尿症状には『頻尿・尿意切迫感・尿失禁』などの症状が含まれますが、しかしこうした症状があっても、疾患(病気)とは区別されています。
疾患の対象となる症状は、蓄尿症状のある尿失禁や過活動膀胱が挙げられ、ただ単に強い尿意がある場合や、我慢できるものとは異なります。
【泌尿器科受診の目安】
◆せき・くしゃみ・体動などで不随意(意に反して)に尿が漏れる尿失禁は、更年期の女性に多く見られる、切迫性尿失禁と見られ、過活動膀胱の一つの形態と考えられています。
この様な症状が現れたら、早めに泌尿器科を受診すると良いでしょう。
骨盤底筋群の脆弱化や、尿道括約筋の損傷も考えられるので、理学療法を含め、早めの治療開始が症状の改善に役立ちます。
「過活動膀胱診療ガイドライン」に記載されている薬物は、①抗コリン薬(膀胱収縮抑制作用)、②フラボキサート(商品名:ブラダロン)③抗うつ薬が挙げられていますが、この中で推奨グレードAは抗コリン薬のみとなっている。
その理由は、口渇等の副作用発現の他、効果不十分等により治療中止となる事もあり、近年では選択的β3アドレナリン受容体作動薬のミラベグロン(商品名:ベタニス)が、推奨グレードAに加わった。
ミラベグロン(2011年9月発売)は、抗コリン薬が無効な場合の第二選択薬として推奨されている。
また単独投与で効果不十分な場合について、2015年、米国泌尿器学会で発表された第3相試験に於いて、抗コリン薬(ソリフェナシン/国内商品名:ベシケア)で効果不十分な症例に対して、ミラベグロンを追加併用した場合の有効性と安全性が証明されている。
但し、ミラベグロン(商品名:ベタニス)には【使用上の警告】として、『生殖可能年齢への投与はできる限り避ける」とあり、これまで選択的β3アドレナリン受容体作動薬は閉経後の女性しか使えませんでした。
また妊婦・妊娠可能性の女性では禁忌となっています。
「ベオーバ®錠50mg」の有効成分であるビベグロンは、米国Merck社により創製され、日本国内では2016年3月に導入され、杏林製薬とキッセイ薬品が共同で開発した、過活動膀胱(OAB)に対する新規経口治療薬です。
膀胱のβ3アドレナリン受容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させる(緊張をほぐす)事で、蓄尿機能を高め、過活動膀胱(OAB)に於ける尿意切迫感、頻尿、及び切迫性尿失禁の症状を改善します。
本剤は、過活動膀胱の適応を有する選択的β3アドレナリン受容体作動薬としては、既発売のミラベグロン(商品名:ベタニス/アステラス製薬)に次ぐ2番目となります。
【製品概要】
【製品名】:ベオーバ®錠50mg(Beova tablet)
【一般名】:ビベグロン(Vibegron)
【効能・効果】:過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
【用法・用量】:通常、成人にはビベグロン50mgを1日1回食後に経口投与する
【臨床試験での副作用(臨床検査値異常を含む)】:
口腔内乾燥、便秘(各1.2%)、膀胱炎などの尿路感染、残尿量増加(各0.7%)、肝機能異常、CK(CPK)上昇(各0.3%)など。尿閉を生じる可能性あり。
◆授乳中の婦人には投与しない事が望ましいが、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。
◆妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。)それぞれ副作用の項目が変更された。