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新機序の潰瘍性大腸炎治療剤「エンタイビオ®点滴静注用」が発売を開始

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武田薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市中央区)は11月7日、新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬「エンタイビオ®点滴静注用300mg(一般名:ベドリズマブ)」を発売したと発表しました。
適応は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」となっている。

「エンタイビオ点滴静注用300mg(一般名:ベドリズマブ)」は、ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体で、炎症を起こしている『腸管組織に炎症性細胞のTリンパ球の遊走を阻害』するよう設計されている。

潰瘍性大腸炎エンタイビオ点滴静注用300mg
ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体製剤
活動期の潰瘍性大腸炎治療剤「エンタイビオⓇ点滴静注用300mg」


潰瘍性大腸炎(UCulcerative colitis)は、最も代表的な炎症性腸疾患の一つで、主として大腸消化管粘膜を侵し、しばしば粘膜びらん(ただれる)や潰瘍を形成、再燃と寛解を繰り返す、原因不明の大腸の慢性びまん性(=広範囲に広がる)非特異性の進行性炎症疾患です。

現在、国内の患者数は約22万人*以上と推定されています。
厚生労働省によって医療費助成制度の対象となる「指定難病」の一つに指定されています。
助成は、難病指定医によって潰瘍性大腸炎の診断となった患者のうち、一定以上の重症度、或いは軽症であっても一定以上の高額な医療を受ける必要がある患者が対象となります。

よく見られる症状は、腹痛や下痢、腹部不快感、下血や排膿などにより、著しいQOL(生活の質)の低下を余儀なくされる疾患です。

潰瘍性大腸炎の重症度

潰瘍性大腸炎の病因については明らかになっていませんが、最近の研究では、遺伝素因や環境要因に加え、腸内細菌抗原に対する異常な免疫応答など、様々な因子が関与する、多因子疾患と考えられています。
〔*潰瘍性大腸炎およびクローン病の有病者に関する全国疫学調査 調査結果報告, 厚生労働科学研究費補助金 分担研究報告書,2017〕




エンタイビオ点滴静注用の作用機序

潰瘍性大腸炎は、血管壁の隙間から浸入した炎症性細胞(白血球の一部のTリンパ球)が、大腸の粘膜組織へ浸潤し、これらの炎症性細胞の増加と停滞によって潰瘍性大腸炎に特徴的な炎症性反応が引き起こされます。

エンタイビオ点滴静注用の作用機序1

本剤は、炎症を起こしている腸管組織に、炎症性細胞の一種である“Tリンパ球の遊走を阻害する”事で、炎症を軽減するようデザインされており、細胞接着分子のMAdCAM-1*は、腸管の血管内皮に選択的に発現しており、一方α4β7インテグリンは循環血液中のある種の白血球サブセット(一部)に発現しています。


〔*MAdCAM-1=Mucosal Addressin Cell Adhesion Molecule-1(粘膜アドレシン細胞接着分子-1)〕

エンタイビオ点滴静注用の作用機序2

本剤は、α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンとMAdCAM-1との相互作用を阻害する事により、炎症を起こした腸管組織へのTリンパ球の遊走を抑制し、炎症を軽減します。

「エンタイビオ®(Entyvio)」は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎、またはクローン病に対する治療薬として、現在60カ国以上の国で承認されています。





【エンタイビオ®の製品概要】

【製品名】:エンタイビオ点滴静注用300mg(Entyvio)
【一般名】:ベドリズマブ(遺伝子組換え/vedolizumab)
【効能・効果】:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
【用法・用量】:通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを点滴静注する。初回投与後、2週目、6週目に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。

【製造販売承認申請日】:2017年8月
【薬価基準収載日】:2018年8月29日
【薬価】:エンタイビオ点滴静注用300mg/27万4,490円






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