小野薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市中央区)が、再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)の適応で、2019年8月28日に国内製造販売承認申請していた『ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤「ベレキシブル錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩=ONO-4059)」』について、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会が2月26日、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(primary central nervous system lymphoma=PCNSL)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・希少疾病用医薬品として承認申請を了承した。
本剤は海外に於いて2019年11月現在、承認されている国・地域はない。
*写真はイメージです。
再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫治療薬
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤「ベレキシブル®錠80mg」
(一般名:チラブルチニブ塩酸塩/tirabrutinib)は
現在、発売準備中のため、薬剤の写真はありません。
中枢神経系原発(悪性)リンパ腫(PCNSL)とは…
中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)は、初発診断時に病変が脳、脊髄、髄膜(脳の外側を覆う膜)、又は眼(=眼球リンパ腫)の中枢神経系リンパ組織外に病巣を認めない、脳脊髄(眼を含む)に限局した悪性リンパ腫を指します。
他の臓器リンパ腫由来(転位してきた場合)の二次性中枢神経系リンパ腫は含みません。
〔日本脳腫瘍学会/中枢神経系原発悪性リンパ腫エビデンスガイドライン
〔https://www.jsn-o.com/guideline2016/CQ/general3.html〕
*血管中心性リンパ腫は原発が脳以外のリンパ節に起因する場合が殆ど。
日本国内に於ける中枢神経系原発リンパ腫の年間発症数は約980人と推定され、発症率は原発性脳腫瘍の3%と比較的希有で、男性にやや多く、好発年齢は50~80歳で、中央値は60歳台で、罹患率が近年上昇しています。
中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者が呈する徴候や症状は、脳の病変部位により異なり、局所神経障害(麻痺、失語)、神経精神症状、頭蓋内圧上昇に関連する症状、発作、眼症状、頭痛、運動困難、脳ニューロパチー、神経根障害などがあります。
治療の主体は、放射線治療と化学療法になります。
現在、未治療の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者には高用量メトトレキサート療法を基盤とする薬物療法、及びその後の全脳放射線療法が行われており、一部の患者集団で長期寛解するものの、多くの患者は再発に至ります。
また、初回治療が奏功しない難治性患者も存在します。
再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者に対しては、標準治療が確立されておらず、治療選択肢は限定的で、予後不良であり、新たな治療薬の登場が望まれています。
〔脳腫瘍診療ガイドライン 2019年版〕
〔小野薬品工業株式会社プレスリリース2019年12月9日及び2019年8月28日〕
〔東京大学医科学研究所附属病院 脳腫瘍外科/中枢神経系原発悪性リンパ腫〕
「ベレキシブル錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩/tirabrutinib)」は、小野薬品工業が創製した選択性の高い経口ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤で、国内に於いて、B細胞腫瘍患者および自己免疫疾患患者を対象に開発が進められて来ました。
B細胞受容体(BCR)シグナル伝達は、B細胞系リンパ球細胞の生存、活性化、増殖、成熟、及び分化に関する中心的役割を担っており、特にB細胞性非ホジキンリンパ腫、及び慢性リンパ性白血病(CLL)では、B細胞受容体シグナル伝達経路が恒常的に活性化している事が知られている。
「ベレキシブル錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩/tirabrutinib)」は、B細胞受容体の下流に位置するメディエーター(仲介者)のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を阻害する事で治療効果が期待される。
本剤は通常、成人には1日1回480mgを空腹時に経口投与して用いる。
小野薬品工業は2014年12月、米国Gilead Sciences, Inc.(ギリアド・サイエンシズ・インク)に、日本、韓国、台湾、中国およびASEAN諸国以外の全世界におけるチラブルチニブの開発・販売権を供与するライセンス(導出)契約を締結しました。
また、既存の治療法では治癒が望めない難治性疾患、原発性マクログロブリン血症(WM)及びリンパ形質細胞リンパ腫(LPL)について2019年11月27日、未治療並びに再発又は難治性の「原発性マクログロブリン血症」及び「リンパ形質細胞リンパ腫」に対する効能又は効果に係るチラブルチニブの国内製造販売承認申請を行っている。
本剤は海外に於いて2019年11月現在、承認されている国・地域はない。
*写真はイメージです。
再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫治療薬
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤「ベレキシブル®錠80mg」
(一般名:チラブルチニブ塩酸塩/tirabrutinib)は
現在、発売準備中のため、薬剤の写真はありません。
中枢神経系原発(悪性)リンパ腫(PCNSL)とは…
中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)は、初発診断時に病変が脳、脊髄、髄膜(脳の外側を覆う膜)、又は眼(=眼球リンパ腫)の中枢神経系リンパ組織外に病巣を認めない、脳脊髄(眼を含む)に限局した悪性リンパ腫を指します。
他の臓器リンパ腫由来(転位してきた場合)の二次性中枢神経系リンパ腫は含みません。
〔日本脳腫瘍学会/中枢神経系原発悪性リンパ腫エビデンスガイドライン
〔https://www.jsn-o.com/guideline2016/CQ/general3.html〕
*血管中心性リンパ腫は原発が脳以外のリンパ節に起因する場合が殆ど。
日本国内に於ける中枢神経系原発リンパ腫の年間発症数は約980人と推定され、発症率は原発性脳腫瘍の3%と比較的希有で、男性にやや多く、好発年齢は50~80歳で、中央値は60歳台で、罹患率が近年上昇しています。
中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者が呈する徴候や症状は、脳の病変部位により異なり、局所神経障害(麻痺、失語)、神経精神症状、頭蓋内圧上昇に関連する症状、発作、眼症状、頭痛、運動困難、脳ニューロパチー、神経根障害などがあります。
治療の主体は、放射線治療と化学療法になります。
現在、未治療の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者には高用量メトトレキサート療法を基盤とする薬物療法、及びその後の全脳放射線療法が行われており、一部の患者集団で長期寛解するものの、多くの患者は再発に至ります。
また、初回治療が奏功しない難治性患者も存在します。
再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者に対しては、標準治療が確立されておらず、治療選択肢は限定的で、予後不良であり、新たな治療薬の登場が望まれています。
〔脳腫瘍診療ガイドライン 2019年版〕
〔小野薬品工業株式会社プレスリリース2019年12月9日及び2019年8月28日〕
〔東京大学医科学研究所附属病院 脳腫瘍外科/中枢神経系原発悪性リンパ腫〕
「ベレキシブル錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩/tirabrutinib)」は、小野薬品工業が創製した選択性の高い経口ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤で、国内に於いて、B細胞腫瘍患者および自己免疫疾患患者を対象に開発が進められて来ました。
B細胞受容体(BCR)シグナル伝達は、B細胞系リンパ球細胞の生存、活性化、増殖、成熟、及び分化に関する中心的役割を担っており、特にB細胞性非ホジキンリンパ腫、及び慢性リンパ性白血病(CLL)では、B細胞受容体シグナル伝達経路が恒常的に活性化している事が知られている。
「ベレキシブル錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩/tirabrutinib)」は、B細胞受容体の下流に位置するメディエーター(仲介者)のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を阻害する事で治療効果が期待される。
本剤は通常、成人には1日1回480mgを空腹時に経口投与して用いる。
小野薬品工業は2014年12月、米国Gilead Sciences, Inc.(ギリアド・サイエンシズ・インク)に、日本、韓国、台湾、中国およびASEAN諸国以外の全世界におけるチラブルチニブの開発・販売権を供与するライセンス(導出)契約を締結しました。
また、既存の治療法では治癒が望めない難治性疾患、原発性マクログロブリン血症(WM)及びリンパ形質細胞リンパ腫(LPL)について2019年11月27日、未治療並びに再発又は難治性の「原発性マクログロブリン血症」及び「リンパ形質細胞リンパ腫」に対する効能又は効果に係るチラブルチニブの国内製造販売承認申請を行っている。