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アビガン第3相臨床試験に向け「デンカ」が原料の国内生産を再開

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富士フィルム富山化学(富山第一工場:富山県富山市下奥井)は日本政府の要請を受け、3月31日、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の患者を対象に、抗インフルエンザ薬アビガン錠(一般名:ファビピラビル)の増産を開始すると共に、国内第3相臨床試験を開始した。

「アビガン」増産を受けて、化学メーカーの「デンカ」は4月2日、原料となる有機化合物「マロン酸ジエチル」の生産を再開すると発表しました。

 

 

「アビガン錠」は富士フイルム富山化学が開発した薬剤で、新型コロナウイルスの治療薬として国の承認を受けるため、現在、第3相臨床試験が進められています。

 


デンカは「アビガン錠」の原料となる有機化合物「マロン酸ジエチル」を製造する国内で唯一のメーカーですが、3年前の4月に生産設備を休止していました。
デンカによりますと、「アビガン錠」の国内での一貫した供給体制を作るため、国産の原料を使いたいと言う日本政府の要請を受けて、生産を再開する事にしたと言う事です。

 


デンカは来月(5月)から新潟県糸魚川市にある青海(おうみ)工場で生産し、「富士フイルム富山化学」に供給すると言う事です。
デンカは「新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、迅速に生産体制を構築し、確実な供給を図ってまいります」とコメントしています。


「マロン酸ジエチル」は、合成香料・農薬・医薬品などの原料として使用される有機化合物で、デンカは国内唯一の「マロン酸ジエチル」メーカーであり、またその原料となる『モノクロル酢酸』も国内で唯一、関連会社のデナックが生産しています。
グループ内で、原料から最終製品に至る一貫生産体制の下、2017年まで「マロン酸ジエチル」の生産を行ってきた。


「アビガン錠」は、富士フイルム富山化学が開発した、新型コロナウイルス感染症(covid‐19)への治療効果が期待される抗インフルエンザ薬です。
COVID‐19は現在、治療法が確立されていない疾患であり、急速かつ世界的な拡大を受けて世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的な大流行)を表明するなど、有効な治療法の早期発見と開発が急務となっています。

「アビガン錠」は、新型インフルエンザ治療薬として承認を取得していますが、薬価が設定されていない緊急用の為、使用には政府の許可や病院内での審査を経て使用が許可される薬剤です。

 

 


ファビピラビルの機序は、ウイルスのRNAの複製に必要なRNAポリメラーゼ(酵素)の働きを選択的に阻害して、ウイルスの増殖を抑えることで作用を発揮します。この為、RNAウイルスである新型コロナウイルス(COVID‐19)に対しても効果が期待されています。

富士フィルム富山化学は、アビガン錠(一般名:ファビピラビル)の国内第3相臨床試験を約100例登録する計画で、2020年6月末の試験の終了を目標に据えています。


「アビガン錠」は、富士フイルム富山化学が開発した、新型コロナウイルス感染症(covid‐19)への治療効果が期待される抗インフルエンザ薬です。

 

 

 

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