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真菌症治療剤「ジフルカン®カプセル」外陰腟カンジダ症で追加承認取得

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ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は、経口の単回治療剤としては日本初となる、「カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎」(外陰腟カンジダ症)の新効能・効果および新用法・用量で、深在性真菌症治療剤「ジフルカン®カプセル50mg/100mg」(一般名:フルコナゾール)について製造販売承認を取得した。

本剤は、この適応症の治療において、内服薬としては日本で初めての製造販売承認となる。


ジフルカンカプセル
フコナゾール
「ジフルカン®カプセル50mg/100mg」(一般名:フルコナゾール)

「ジフルカン」は1989年(平成元年)に、カンジダ属およびクリプトコッカス属による深在性真菌症および造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防薬として承認され、発売されて来ました。

そのため長い間、効能・効果及び用法・用量は、『カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症』の、
■ 真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎、並びに造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防、に適応されていました。

クリプトコッカス属真菌

カンジタ属真菌
上写真の大きい輪と小さい輪が対になっているのがクリプトコッカス属。
下写真がカンジタ属のカンジダ・アルビカンスで、根が連なり、先端から胞子を放出する。

深在性真菌症は、4大病原真菌と言われるアスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコッカス属、ムーコル属を差し、これらの真菌が肺などの呼吸器や消化管など、身体の深部に感染し、菌糸を伸ばす糸状菌である事から治療が困難な病気でした。

これに対して、今回承認された「外陰腟カンジダ症」とは、女性性器の感染症の内、日常的に認められる疾患で、ストレスや免疫力低下、他の抗菌薬治療などにより、しばしば発症します。



カンジダ属カンジダ・アルビカンスは、通常、私たちの消化管から大腸・直腸まで常に存在している常在菌の一種です。
その数は、数百万単位と言われています。
カンジダ・アルビカンスは実は無害な菌で、身体の免疫力と、豊富な腸内桿菌によって均衡が保たれています。

しかし、均衡のとれた腸内桿菌の数が減少すると、免疫力が弱まり、カンジダ・アルビカンスが簡単に増殖を始めます─────。

カンジダ・アルビカンスは酵母の形態から、菌糸状に成長し、胞子(真菌)を放出して全身に侵入し始めます。


膣内壁
カンジダ・アルビカンスが増殖を始めると、それまで酸性に保たれて、
膣内の雑菌の繁殖を阻止していたバランスが崩れ、膣内に「白体」と言う
寄生真菌が増殖します。

これが外陰部に掻痒感(かゆみ)や灼熱感が強く現れる原因です。
時に粥状(じゅくじょう)、酒粕状の帯下(ベージュ色のおりもの)、外陰部の発赤や腫れ、周辺に紅斑や小膿疱(しょうのうほう)を伴う事もあります。

外陰部のカンジタ
性行為によって男性にも感染します。
症状は潰瘍状になったり外性器の紅斑や小膿疱など。


国内において、治療が必要な患者数は約310万人と推定されており、そのうち約4割が治療せずに我慢しているとの調査結果があります。



「外陰腟カンジダ症」に対する治療には腟錠/腟坐剤による連日または週1回治療、及びこれらの治療方法と併用する形で、局所塗布剤が推奨されています。

しかし従来の腟錠や塗布剤は、継続しなければ治癒に至らないため、患者にとっては負担の一因になっていました。
またカンジダ属真菌に感染していても症状の無い事もあり、通常は症状がある場合に治療を行うので放置しがちでした。

カンジダ属真菌を放置すると、身体のストレスや睡眠不足、抵抗力の低下などが起こると、外陰膣炎が急激に悪化する事があります。

生殖器の不調


海外では、外陰腟カンジダ症の治療に対して「ジフルカン®カプセル150mg」単回経口投与の用法・用量が承認されていますが、日本では承認されていませんでした。

「ジフルカン®カプセル150mg」単回経口投与が、カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎(外陰腟カンジダ症)について販売承認された事で、従来の局所投与剤に比べて簡単で、患者の日常生活の質的向上が図られ、処方された薬剤を、指示に従って正しく服用する事の出来る、新たな治療選択肢の一つになると期待されます。


用法・用量

成人(深在性真菌症)
カンジダ症:通常、成人にはフルコナゾールとして50~100mgを1日1回経口投与する。
クリプトコッカス症:通常、成人にはフルコナゾールとして50~200mgを1日1回経口投与する。
造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:成人には、フルコナゾールとして400mgを1日1回経口投与する。
(新)
カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎:通常、成人にはフルコナゾールとして150mgを1回のみ経口投与する。


小児(深在性真菌症)
カンジダ症:通常、小児にはフルコナゾールとして3mg/体重1kgを1日1回経口投与する。
クリプトコッカス症:通常、小児にはフルコナゾールとして3~6mg/体重1kgを1日1回経口投与する。
造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:小児には、フルコナゾールとして12mg/体重1kgを1日1回経口投与する。尚、患者の状態に応じて適宜減量する。但し、1日量として400mgを超えないこと。

カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎:小児には投与しない事。


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ところで全く外陰腟カンジダ症について知らない方や、病院に行きたいが、どんな様子で診断されるか・・・? と興味を持たれた方に・・・。

恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか? DVD-BOX(DVD)



佐々木希・主演のドラマ「恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?」で、ヒロインの佐々木希演じる宝池青子が、仕事のストレスから「膣カンジタ症」になってしまうと言う、何とも斬新な役を演じている。
実に素朴な感じが出てて、知らない人には参考になるかもしれない・・・かもね。
その回は第4話だったと思うが・・・。





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