エーザイ株式会社(本社:東京都文京区)と富山化学工業株式会社(本社:東京都新宿区)は2015年12月1日、抗リウマチ剤「イグラチモド」(一般名)について、本剤の承認条件となっていた特定使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除の通達を受けたと発表しました。
「イグラチモド」は、富山化学が創製した疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で、関節リウマチ患者を対象とした、標準治療薬である「メトトレキサート(MTX)」との併用試験において、メトトレキサートの効果不十分な患者に対して、経口の抗リウマチ剤として国内で初めてメトトレキサートとの併用での有効性が確認された。
「イグラチモド」は、2012年6月に関節リウマチを効能・効果として承認を取得し、エーザイから製品名「ケアラム®錠25mg」、富山化学から製品名「コルベット®錠25mg」として同年9月から販売を開始した。
その際、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施する事により、本剤使用患者の背景情報を把握すると共に、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じる事」、との承認条件(市販第四相試験)が付されていた。
エーザイおよび富山化学は、全例調査を共同で実施し、2,246例を対象症例として評価。
投与開始から24週後までの副作用の発現率31.34%(704例)。
重篤な副作用の発現率は3.07%(69例)だった。
主な副作用は、■胃腸障害(8.41%)、■臨床検査値異常変動(7.08%)、■感染症および寄生虫症(5.03%)。
一方、重篤な副作用は、■感染症および寄生虫症(1.16%)、■呼吸器、胸郭および縦隔障害(0.76%)、■胃腸障害(0.49%)だった。
今回の承認条件解除は、全例調査の安全性及び有効性データに基づき、新たな措置を必要とする問題点は認められないと判断された事によるものです。
関節リウマチは、身体の多くの関節に慢性の炎症が起こる、自己免疫疾患の一種で、手と足にその症状が表れるのが典型的です。遺伝的要因や細菌・ウイルスの感染などが考えられていますが、原因は良く分かっていません。
関節腔の内面を覆っている、滑膜細胞が増殖する事で炎症が起こる為、滑膜のあるどの関節でも発症する可能性があり、罹患早期から関節破壊が進行し、長期罹患によって、関節の変形と機能障害が起こります。
日本では約70~80万人、全世界では約2,370万人の患者が関節リウマチに罹患しています。
既存の治療薬は複数ありますが、治療効果が十分でない患者も少なくありません。
実際に、患者の3分の1では、治療が十分に奏効せず、約半数は5年以内に特定の抗リウマチ薬(DMARD)に反応しなくなり、依然として、更なる治療薬の登場が望まれています。
関節リウマチの標準治療薬である「メトトレキサート」は、疾患修飾性経口抗リウマチ薬(DMARD)であり、メトトレキサートの効果不十分な患者に対しては、経口の抗リウマチ剤が限られ、メトトレキサートの薬効が強いため、追加出来る薬剤は生物学的製剤の点滴静注、又は皮下注射が殆どでした。
分子構造が異なる製剤では、メトトレキサートと併用しなくても良い薬剤もありますが、多くはメトトレキサートとの併用が推奨されています。
しかし点滴静注や皮下注射を継続する事は、患者のQOLが低く、メトトレキサートと併用出来る経口薬の登場が望まれていました。
「イグラチモド」は、新規の疾患修飾性経口抗リウマチ薬(DMARD)で、メトトレキサート併用試験において、これまでメトトレキサートの効果不十分な患者では、点滴静注や皮下注射製剤が選択されて来ましたが、経口の抗リウマチ剤として国内で初めてメトトレキサートとの併用での有効性が確認されました。
■ 販 売 名 : 「ケアラム®錠25mg(エーザイ)」「コルベット®錠25mg(富山化学)」
■ 一 般 名 : イグラチモド
■ 効能・効果 : 関節リウマチ
■ 用法・用量 : 通常、成人にはイグラチモドとして、1回25mg を1日1回朝食後に4週間以上経口投与し、それ以降、1回25mg を1日2回(朝食後、夕食後)に増量する。
■ 薬価 : 150.50円/1錠
■ 包装 : 100 錠(PTP)
JAK阻害剤は、関節リウマチ分野において、近い将来、経口薬のみで治療できる可能性を示唆しました。
現在、より副作用の弱い、JAK阻害薬としては世界で2剤目となるバリシチニブも開発中で、昨年11月、2つの第3相試験の結果が発表されたが、いずれも画期的な内容だったとの事。今後、安全性評価と更なる臨床試験を積み重ね、市場投入される日も近い。
「イグラチモド」は、富山化学が創製した疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で、関節リウマチ患者を対象とした、標準治療薬である「メトトレキサート(MTX)」との併用試験において、メトトレキサートの効果不十分な患者に対して、経口の抗リウマチ剤として国内で初めてメトトレキサートとの併用での有効性が確認された。
「イグラチモド」は、2012年6月に関節リウマチを効能・効果として承認を取得し、エーザイから製品名「ケアラム®錠25mg」、富山化学から製品名「コルベット®錠25mg」として同年9月から販売を開始した。
その際、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施する事により、本剤使用患者の背景情報を把握すると共に、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じる事」、との承認条件(市販第四相試験)が付されていた。
エーザイおよび富山化学は、全例調査を共同で実施し、2,246例を対象症例として評価。
投与開始から24週後までの副作用の発現率31.34%(704例)。
重篤な副作用の発現率は3.07%(69例)だった。
主な副作用は、■胃腸障害(8.41%)、■臨床検査値異常変動(7.08%)、■感染症および寄生虫症(5.03%)。
一方、重篤な副作用は、■感染症および寄生虫症(1.16%)、■呼吸器、胸郭および縦隔障害(0.76%)、■胃腸障害(0.49%)だった。
今回の承認条件解除は、全例調査の安全性及び有効性データに基づき、新たな措置を必要とする問題点は認められないと判断された事によるものです。
関節リウマチは、身体の多くの関節に慢性の炎症が起こる、自己免疫疾患の一種で、手と足にその症状が表れるのが典型的です。遺伝的要因や細菌・ウイルスの感染などが考えられていますが、原因は良く分かっていません。
関節腔の内面を覆っている、滑膜細胞が増殖する事で炎症が起こる為、滑膜のあるどの関節でも発症する可能性があり、罹患早期から関節破壊が進行し、長期罹患によって、関節の変形と機能障害が起こります。
日本では約70~80万人、全世界では約2,370万人の患者が関節リウマチに罹患しています。
既存の治療薬は複数ありますが、治療効果が十分でない患者も少なくありません。
実際に、患者の3分の1では、治療が十分に奏効せず、約半数は5年以内に特定の抗リウマチ薬(DMARD)に反応しなくなり、依然として、更なる治療薬の登場が望まれています。
関節リウマチの標準治療薬である「メトトレキサート」は、疾患修飾性経口抗リウマチ薬(DMARD)であり、メトトレキサートの効果不十分な患者に対しては、経口の抗リウマチ剤が限られ、メトトレキサートの薬効が強いため、追加出来る薬剤は生物学的製剤の点滴静注、又は皮下注射が殆どでした。
分子構造が異なる製剤では、メトトレキサートと併用しなくても良い薬剤もありますが、多くはメトトレキサートとの併用が推奨されています。
しかし点滴静注や皮下注射を継続する事は、患者のQOLが低く、メトトレキサートと併用出来る経口薬の登場が望まれていました。
「イグラチモド」は、新規の疾患修飾性経口抗リウマチ薬(DMARD)で、メトトレキサート併用試験において、これまでメトトレキサートの効果不十分な患者では、点滴静注や皮下注射製剤が選択されて来ましたが、経口の抗リウマチ剤として国内で初めてメトトレキサートとの併用での有効性が確認されました。
■ 販 売 名 : 「ケアラム®錠25mg(エーザイ)」「コルベット®錠25mg(富山化学)」
■ 一 般 名 : イグラチモド
■ 効能・効果 : 関節リウマチ
■ 用法・用量 : 通常、成人にはイグラチモドとして、1回25mg を1日1回朝食後に4週間以上経口投与し、それ以降、1回25mg を1日2回(朝食後、夕食後)に増量する。
■ 薬価 : 150.50円/1錠
■ 包装 : 100 錠(PTP)
また現在、国内で初めて承認された新規経口関節リウマチ治療薬JAK阻害剤「ゼルヤンツ®錠5mg」が、ファイザー株式会社と武田薬品工業の共同創薬により発売されています。
本剤は、メトトレキサートによる治療を3カ月以上継続してもコントロール不良な患者を治療対象として推奨しています。新規有効成分のトファシチニブクエン酸塩により、関節リウマチ領域における世界初のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。
作用機序は、細胞内シグナル伝達に着目した新しいJAK Pathwayを利用するサイトカインによる、細胞内のシグナル伝達を阻害します。
過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与するとなっている。
JAK阻害剤は、関節リウマチ分野において、近い将来、経口薬のみで治療できる可能性を示唆しました。
現在、より副作用の弱い、JAK阻害薬としては世界で2剤目となるバリシチニブも開発中で、昨年11月、2つの第3相試験の結果が発表されたが、いずれも画期的な内容だったとの事。今後、安全性評価と更なる臨床試験を積み重ね、市場投入される日も近い。