エーザイ株式会社(本社:東京都文京区小石川)は3月28日、自社創製の新規抗てんかん剤「フィコンパ®錠」(一般名:ペランパネル水和物、海外製品名「Fycompa®」)について、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)及び強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法」の効能・効果で、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
日本の製薬会社が開発し、国内で販売する抗てんかん薬は1989年以来、実に27年ぶりだと言う。
本薬剤は、5月頃発売する見込みとの事。
日本におけるてんかん患者数は約100万人と報告されています。
てんかんは、患者の約30%が既存の抗てんかん剤で発作を十分に抑えらず、未だに有効な治療法が確立されていない為、医療上の必要性が強く望まれる医療分野(アンメット・メディカル・ニーズ=Unmet Medical Needs)であり、新薬の開発ニーズが望まれている疾患です。
また、強直間代発作は、突然の転倒による重篤なケガの恐れがあるほか、その発作頻度は、「てんかん患者の予期せぬ突然死(SUDEP: Sudden Unexpected Death in Epilepsy=てんかん突然死)」の最も重要な危険因子とされていて、てんかんの中でも極めて重篤な発作型の一つです。
今回承認された薬剤は、こうした患者向けで、元々使っていた薬に追加して使います。
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抗てんかん剤「フィコンパ」は、てんかん発作の分類において、
赤枠で囲んだ『部分発作(二次性全般化発作を含む)』
及び『全般発作・強直間代発作』に対して、
他の抗てんかん薬との併用療法で効果を発揮します。
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抗てんかん剤「フィコンパ」は、てんかん発作の分類において、
赤枠で囲んだ『部分発作(二次性全般化発作を含む)』
及び『全般発作・強直間代発作』に対して、
他の抗てんかん薬との併用療法で効果を発揮します。
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シナプスは、神経細胞と神経細胞との連結部分を指す。
ここには“シナプス間隙”という隙間があり、信号伝達物質を介して信号が伝えられる。
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シナプスは、神経細胞と神経細胞との連結部分を指す。
ここには“シナプス間隙”という隙間があり、信号伝達物質を介して信号が伝えられる。
てんかん発作では、神経細胞から信号伝達物質が過剰に放出され、脳が異常に興奮する事で発作が起こる。
特に強直間代発作(きょうちょくかんだいほっさ)は ‥‥てんかん(癲癇)の全般発作の一つで、意識を失い、全身が硬直する強直発作に続いて、ガクガクと痙攣する間代発作が起こる症状である。
臨床試験では、日本とアジアにおける12歳以上の難治性部分てんかん患者の部分発作‥‥すなわち、目の前が暗くなったり、動作が止まったりする発作のほか、突然意識を失い、手足が痙攣するような重い発作の患者に実施した臨床第3相試験の結果、及びグローバルでの12歳以上の、難治性全般てんかん患者の強直間代発作に対する併用療法として実施した、臨床第3相試験の結果、発作頻度が、既存の薬に「フィコンパ」を足す事で軽減された事に基づく。
「フィコンパ®」は、1日1回投与の錠剤。
てんかん発作は、神経伝達物質であるグルタミン酸により誘発される事が報告されており、本剤は、グルタミン酸によるシナプス後AMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択、非競合AMPA受容体拮抗剤です。
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「フィコンパ®」は、AMPA受容体の活性化を阻害し、信号伝達物質の過剰伝搬を阻止する。
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「フィコンパ®」は、AMPA受容体の活性化を阻害し、信号伝達物質の過剰伝搬を阻止する。
1) 製品名 : フィコンパ®錠2mg、フィコンパ®錠4mg
2) 一般名 : ペランパネル水和物
3) 効能・効果 : 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
4) 用法・用量 : 通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mgの就寝前経口投与より開始し、その後1週間以上の間隔をあけて2mgずつ漸増する。本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は、1日1回8mg、併用する場合の維持用量は、1日1回8~12mgとする。なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2mgずつ適宜増減するが、1日最高12mgまでとする。
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