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リゾチーム製剤の有効性認めず…消炎剤の販売中止と自主回収

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厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会は3月17日、消炎酵素剤「リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)」及び「プロナーゼ」の2成分について再評価を審議し、現時点で有効性が確認出来ないと判定した。


既に昨年12月11日、リゾチーム塩酸塩(商品名:ノイチーム、レフトーゼ他)を取り扱う製薬会社各社は、再評価の試験で、「慢性副鼻腔炎」の標準治療におけるリゾチーム塩酸塩の追加効果が認められなかった為、各薬剤商品名の効能・効果から「慢性副鼻腔炎」を削除する一部変更承認申請が承認されていた。

昨年12月11日付で適応は削除されており、リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)を処方し、慢性副鼻腔炎で保険請求する事は出来なくなっている。


リゾチーム添付文書の改訂


リゾチーム塩酸塩が厚生労働省から再評価指定を受けたのは2012年1月。

同じ消炎酵素薬であるセラペプターゼ(商品名:ダーゼン他)がプラセボ(偽薬)に対する有効性を示す事が出来ず、自主回収されたのを機に、「リゾチーム塩酸塩」と「プロナーゼ(エンピナース・P)」が再評価指定を受け、臨床試験を実施していた──。

再評価の対象となったリゾチーム塩酸塩の適応は、慢性副鼻腔炎、気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症の4つ。

このうち『慢性副鼻腔炎』については、リゾチームの上乗せ効果(自覚症状、他覚所見の改善)が確認出来ず、エーザイなど製薬会社5社は、慢性副鼻腔炎の適応を削除する申請を2015年5月に行い、この申請が今回承認される事となった。



■ 2016年3月17日より、製薬会社各社は「リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)」の販売中止と自主回収を行う事を決定した。

自主回収が決定したのは以下の17品目(全て医師処方薬)。

「リゾチーム塩酸塩」
【エーザイ】
・ノイチーム錠10mg
・ノイチーム錠30mg
・ノイチーム錠90mg
・ノイチーム顆粒10%
・ノイチーム細粒20%
・ノイチームシロップ0.5%

【あすか製薬】
・アクディーム錠30mg
・アクディームカプセル90mg
・アクディーム細粒10%
・アクディーム細粒45%
・アクディームシロップ0.5%
・アクディームシロップ1%

【日本新薬】
・レフトーゼ錠10mg
・レフトーゼ錠(30mg)
・レフトーゼ錠(50mg)
・レフトーゼ顆粒10%
・レフトーゼシロップ0.5%

尚、リゾチームの軟膏製剤(リフラップ)と点眼薬(ムコゾーム、リゾティア)は対象外。



また「プロナーゼ製剤」も同様に、現時点での医療上の有用性は確認出来ないとして、以下の3品目について販売中止と自主回収を行う事を決定した。

「プロナーゼ」
【科研製薬】
・エンピナース・Pカプセル9000
・エンピナース・P錠18000
・イソパール・P配合カプセル

エンピナース・Pカプセル9000



尚、消炎酵素剤「リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)」配合の市販薬について、総合風邪薬では有効期限が2018年5月以降のものには全て塩化リゾチームは使用されていない(現在販売されている物)、ようです。
(全製品を確認していないので、総合風邪薬を薬局で購入される場合は、成分を確認するか、有効期限を確認しましょう)

鼻炎薬に関しては、大正製薬パブロン、小林製薬ブルミンでは既に配合されていません。


■ 2016年3月時点で塩化リゾチーム含有鼻炎用内服薬(OTC医薬品)。

     ・カイゲン鼻炎カプセル12(カイゲンファーマ)
     ・コンタック600プラス(グラクソ・スミスクライン) 
     ・スカイナー鼻炎N(エーザイ) 
     ・ストナリニ・サット(佐藤製薬)


上記市販薬は既に製造を終了しており、在庫限りで発売中止となります。
有効期限が2018年5月以降の製品をお買い求め下さい。

また通販などではまだ出回っていますが、これも在庫限りです。


塩化リゾチーム配合2

塩化リゾチーム配合3


尚「リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)」が配合されていても、健康に害を及ぼす事はありませんが、鼻炎薬としての効果に有効性が無いという事になります。






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