ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区虎ノ門)は3月28日、抗悪性腫瘍薬・ALK阻害剤『セリチニブ(商品名:ジカディアカプセル150mg)』について、「クリゾチニブに抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を対象に、国内における製造販売承認を取得したと発表した。
肺がん(臨床的に治療方法の違いから、小細胞肺がん、非小細胞肺がんの2つに区別)は、男性および女性双方のがん死因の第1位で、全ての癌による死亡の約3分の1を占めています。
これは、乳がん、前立腺がん及び大腸がんの死亡合計を上回ります。
肺がんのうち、約85%は非小細胞肺がん(NSCLC)と言われており、非小細胞肺がんでは、早期発見・早期治療をすれば5年生存率は50~70%ですが、残念ながら、その内75%は診断された時点で進行又は転移が認められ、その5年生存率は、僅か6%である。
従来の標準治療である「白金併用療法」の進行非小細胞肺がんに対する奏効率は、15~35%と言われている。
進行非小細胞肺がん(NSCLC)のうち、日本人の研究者から、“EML4(微小管会合蛋白)”と“ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)”の遺伝子が融合した、「EML4-ALK融合遺伝子」が発症に大きく関与しているタイプの癌がある事が報告された。
このEML4-ALK融合遺伝子が、肺がんの強い癌化能を獲得している事を発見したのは、公益財団法人がん研究会・有明病院と、自治医科大学分子病態治療研究センター、東京大学大学院医学系研究科の共同研究グループが、2007年に発見した。
それから9年の年月を費やし、この逆位遺伝子から産生されるEML-ALK融合蛋白質を標的とした、抗悪性腫瘍薬「セリチニブ」がようやく登場する事となった──。
EML4遺伝子とALK遺伝子は、正常細胞では、どちらもヒト2番染色体上の極く近い位置に互いに反対向きに存在するが、両遺伝子を挟む領域が「逆位」となる事でEML4-ALK融合遺伝子が生じる。
この発見を受けて、近年、ALK受容体チロシンキナーゼ(RTK)とその発癌性変異体(ALK融合蛋白質及び特定のALK変異体)を標的とする、チロシンキナーゼ阻害薬が開発・承認されて来ました。
それが、クリゾチニブ(商品名:ザーコリ,2012年5月)、アレクチニブ(商品名:アレセンサ,2014年9月)ですが、しかし既存のALK阻害薬に対し、不耐容、効果不十分、或いは一旦効果があったものの耐性を獲得し、症状が増悪する症例も少なくないのが現状です。
今回、新たに承認された抗悪性腫瘍薬「セリチニブ」は、クリゾチニブなどと同様にALKのリン酸化阻害作用により、癌細胞の増殖を抑制する、強力で、尚且つ選択的なALK阻害薬である。
これまでの日本人を含む国際共同治験、「化学療法及び既存のALK阻害薬(クリゾチニブ)の治療歴があるALK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がん」を対象にしたフェーズ2試験で、「セリチニブ」は奏効率37.1%(95%信頼区間:29.1-45.7%)と、高い抗腫瘍効果を示している。
また、脳転移を有するALK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がん患者において、脳転移病変に対する抗腫瘍効果が認められた。
ノバルティス ファーマによると「セリチニブ」は、クリゾチニブ投与後で化学療法未治療のALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん患者には投与出来るが、アレクチニブを1次治療に用いた患者には投与出来ないと言う。
尚、「セリチニブ(商品名:ジカディアZYKADIA™)」は、2014年4月に米国、2015年5月にEUで承認されて以降、2016年3月までに、アジアを含む世界50カ国以上で承認されている。
日本では2015年6月希少疾病用医薬品として指定されていた。
肺がん(臨床的に治療方法の違いから、小細胞肺がん、非小細胞肺がんの2つに区別)は、男性および女性双方のがん死因の第1位で、全ての癌による死亡の約3分の1を占めています。
これは、乳がん、前立腺がん及び大腸がんの死亡合計を上回ります。
肺がんのうち、約85%は非小細胞肺がん(NSCLC)と言われており、非小細胞肺がんでは、早期発見・早期治療をすれば5年生存率は50~70%ですが、残念ながら、その内75%は診断された時点で進行又は転移が認められ、その5年生存率は、僅か6%である。
従来の標準治療である「白金併用療法」の進行非小細胞肺がんに対する奏効率は、15~35%と言われている。
進行非小細胞肺がん(NSCLC)のうち、日本人の研究者から、“EML4(微小管会合蛋白)”と“ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)”の遺伝子が融合した、「EML4-ALK融合遺伝子」が発症に大きく関与しているタイプの癌がある事が報告された。
このEML4-ALK融合遺伝子が、肺がんの強い癌化能を獲得している事を発見したのは、公益財団法人がん研究会・有明病院と、自治医科大学分子病態治療研究センター、東京大学大学院医学系研究科の共同研究グループが、2007年に発見した。
それから9年の年月を費やし、この逆位遺伝子から産生されるEML-ALK融合蛋白質を標的とした、抗悪性腫瘍薬「セリチニブ」がようやく登場する事となった──。
EML4遺伝子とALK遺伝子は、正常細胞では、どちらもヒト2番染色体上の極く近い位置に互いに反対向きに存在するが、両遺伝子を挟む領域が「逆位」となる事でEML4-ALK融合遺伝子が生じる。
この発見を受けて、近年、ALK受容体チロシンキナーゼ(RTK)とその発癌性変異体(ALK融合蛋白質及び特定のALK変異体)を標的とする、チロシンキナーゼ阻害薬が開発・承認されて来ました。
それが、クリゾチニブ(商品名:ザーコリ,2012年5月)、アレクチニブ(商品名:アレセンサ,2014年9月)ですが、しかし既存のALK阻害薬に対し、不耐容、効果不十分、或いは一旦効果があったものの耐性を獲得し、症状が増悪する症例も少なくないのが現状です。
今回、新たに承認された抗悪性腫瘍薬「セリチニブ」は、クリゾチニブなどと同様にALKのリン酸化阻害作用により、癌細胞の増殖を抑制する、強力で、尚且つ選択的なALK阻害薬である。
これまでの日本人を含む国際共同治験、「化学療法及び既存のALK阻害薬(クリゾチニブ)の治療歴があるALK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がん」を対象にしたフェーズ2試験で、「セリチニブ」は奏効率37.1%(95%信頼区間:29.1-45.7%)と、高い抗腫瘍効果を示している。
また、脳転移を有するALK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がん患者において、脳転移病変に対する抗腫瘍効果が認められた。
ノバルティス ファーマによると「セリチニブ」は、クリゾチニブ投与後で化学療法未治療のALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん患者には投与出来るが、アレクチニブを1次治療に用いた患者には投与出来ないと言う。
尚、「セリチニブ(商品名:ジカディアZYKADIA™)」は、2014年4月に米国、2015年5月にEUで承認されて以降、2016年3月までに、アジアを含む世界50カ国以上で承認されている。
日本では2015年6月希少疾病用医薬品として指定されていた。