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国内初、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症治療薬「カヌマ®」が製造販売承認

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アレクシオンファーマ合同会社(本社:東京都渋谷区恵比寿)は3月29日、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)治療薬として、「カヌマ®点滴静注液20mg(一般名:セベリパーゼ アルファ〔遺伝子組換え〕)」の製造販売承認を取得したと発表した。

カヌマ点滴静注液20mg
世界初のライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)治療薬
「カヌマ®点滴静注液20mg(一般名:セベリパーゼ アルファ)」。
2015年9月EUで承認、2015年12月米国で承認。


ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)は、生命を脅かす遺伝性疾患で、常染色体の劣勢遺伝で生じる、急速又は慢性に進行する代謝性疾患です。
進行性の多臓器障害により、多くの重篤な症状が認められ、早期死亡に至る可能があります。


乳児の場合は、治療をしなければ疾患が急速に進行し、数ヵ月もしない内に死に至ります。乳児の生存期間の中央値は3.7ヵ月と極めて早いのが特徴です。

乳児期以降の発症では、他の肝臓疾患と同様、多くの患者で無症状のまま進行し、重症化します。その結果、肝組織の線維化、肝硬変、肝不全、アテローム性動脈硬化症が進み、心臓疾患やその他の深刻な疾患を含む、進行性の多臓器障害をもたらします。

乳児期を超えてから発症した場合、小児および成人の約50%が3年以内に、肝組織の線維化、肝硬変、肝移植に至っています。


ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の発症年齢の中央値は5.8歳で、簡単な血液検査で診断が可能です。


ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症
真核細胞の中にリソソーム(リソゾームやライソゾームと呼ばれる事も)がある。

ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)は、遺伝子変異により、ライソゾーム内にあるライソゾーム酵素やタンパク質の活性が低下、もしくは欠損していて、本来代謝されるべき老廃物質が分解されずに、ライソゾーム内に過剰に蓄積し、細胞の働きに進行性の多臓器障害をもたらす疾患です。

正常なリソソームの大きさ
ライソゾームの大きさは直径0.1~1.2μmの細胞小器官。



正常なライソゾームと異常なライソゾーム
正常な働きのライソゾーム(左)と、
遺伝子変異により機能低下又は欠損したライソゾーム(右)。
分解出来ないコレステロールエステルとトリグリセリドが蓄積し黒くなる。

特に、体内の老廃物を分解する肝臓では、LAL-Dによって老廃物が蓄積し、肝臓組織の線維化、肝硬変、肝移植へと至る。


「カヌマ®点滴静注液20mg」は、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)の酵素補充療法に用いる世界で初めての治療薬で、LAL-Dの病態に深く関与する酵素を標的とし、体内組織のライソゾーム内におけるコレステロールエステル及びトリグリセリドの蓄積を減少させます。

国際共同試験では、乳児の患者において生存率の向上、小児及び大人の患者においては、肝機能ALTや肝臓の脂肪量の有意な減少、及び脂質パラメータの有意な改善が認められました。

臨床試験で認められた主な副作用は、腹痛、下痢、蕁麻疹、発熱、嘔吐、悪心、頻脈など。


尚、乳児に見られるライソゾーム酸性リパーゼ欠損症は「ウォルマン病」、小児及び成人に見られる場合は、「コレステロールエステル蓄積症(CESD)」と呼称されています。






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