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A型ボツリヌス毒素製剤「ボトックスビスタ」が目尻の表情皺の適応追加取得

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アラガン・ジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区)は5月23日、A型ボツリヌス毒素製剤「ボトックスビスタ®注用50単位」が、65歳未満の成人における目尻の表情皺(シワ)の効能・効果に対して、適応追加承認を取得したと発表した。

「ボトックスビスタ®」は2009年1月、「65歳未満の成人における眉間の表情皺」を効能・効果として厚生労働省より国内で唯一、製造販売承認を取得した。

今回の「65歳未満の成人における“目尻の表情皺”」の新たな適応追加は、2010年11月にグラクソ・スミスクライン株式会社からアラガン・ジャパン株式会社に製造販売承認が承継された事を受け、臨床試験を開始。「眉間の表情皺」に続く、「目尻の表情皺」の効能・効果について承認を取得するに至った。





A型ボツリヌス毒素製剤は、、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)により産生されるA型ボツリヌス毒素を有効成分とする筋弛緩剤である。

1973年に「斜視」の薬物療法を検討する目的でサルの眼筋に投与した所、全身性の毒性を発現する事なく、持続的な効果が認められ、これを契機に、A型ボツリヌス毒素の筋弛緩作用を臨床応用する試みが進められた。

「ボトックスビスタ®/ボトックス®」は、1989年に米国アラガン社が、アメリカ食品医薬品局(FDA)より承認を取得して以来、現在までに世界91ヵ国で承認されている。


美容医療用A型ボツリヌス



国内においては、グラクソ・スミスクライン株式会社が1996年に、「*眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」を効能・効果として輸入承認。
その後、2000年に「*片側顔面痙攣」、2001年に「*痙性斜頸」の追加効能が承認された。

2005年12月13日からは、グラクソ・スミスクライン株式会社が開発権及び販売権の供与を受け、2008年10月には「ボトックス®注用50単位」の剤形が承認され、更に2009年2月に「2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足」、2010年10月に「*上肢痙縮、*下肢痙縮」、2012年11月に、「重度の*原発性腋窩多汗症」、2015年6月に「*斜視」の追加効能が承認されている。



本薬剤の「眉間又は目尻の表情皺を含む除皺」については、カナダ、オーストラリア、米国、フランスをはじめ、世界80ヵ国以上で承認されている。
尚、本邦での承認条件に基づき、アラガン・ジャパン株式会社では「ボトックスビスタ®注用50単位」の適正で安全な使用を目的として、以下の対策を実施している。




【用法・用量】
  眉間の表情皺:
通常、65歳未満の成人にはA型ボツリヌス毒素として合計10~20単位を、左右の皺眉筋に各2部位(合計4部位)及び鼻根筋1部位に均等に分割して筋肉内注射する。
症状再発の場合には再投与する事が出来るが、3ヵ月以内の再投与は避ける事。

眉間の表情皺の注射部位



  目尻の表情皺:
通常、65歳未満の成人にはA型ボツリヌス毒素として合計12~24単位を、左右の眼輪筋の外側に各3部位(合計6部位)に均等に分割して筋肉内注射する。
症状再発の場合には再投与する事が出来るが、3ヵ月以内の再投与は避ける事。

目尻の表情皺の注射部位


【基本的な注意事項】
  ■  妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には投与しないこと。外国において、ボトックス注用を投与された患者で胎児死亡が報告されており、また、本剤は動物実験で妊娠及び胎児への影響が認められている。
  ■ 小児等に対する安全性は確立していない
  ■ 過量投与:投与部位及び周辺部位に過剰な薬理反応である脱力、筋肉麻痺等の局所性の副作用が現れる事がある。
  ■ 効果持続時間の中央値(最大緊張時でのCFLの程度が「なし」または「軽度」)は44単位群で113.5日、32単位群で115.0日であった。
  ■ 薬価基準未収載(保健適応外)。
  ■ 注用100単位は「眉間又は目尻の表情皺を含む除皺」の美容医療への使用は承認されていません。

【重要な基本的注意】
今回承認された「ボトックスビスタ®」を、“眉間の表情皺及び目尻の表情皺”以外の適応に対して絶対に使用しない事。

*眼瞼痙攣、*片側顔面痙攣、*痙性斜頸、*上肢痙縮、*下肢痙縮、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う*尖足、重度の*原発性腋窩多汗症及び*斜視の適応に対しては、「ボトックス®注用50単位又はボトックス®注用100単位」を用い、添付文書を熟読して使用する事。これら以外の適応には安全性が確立していないので絶対使用しない事。



【用語解説】
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)=両方の瞼(まぶた)の筋肉が攣縮を起こし、瞼が開けにくく不随意に眼瞼が瞬きする状態。
片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)=片側の顔面がピクピクと痙攣を起こす不随意運動の一つ。
痙性斜頸(けいせいしゃけい)=首が左右上下のいずれかに傾く、捻じれる、震えるといった不随意運動。
上肢痙縮・下肢痙縮=手と腕、又は足の不随意運動。
尖足(せんそく)=足首の関節が直角より大きく伸びきり、足先が足の裏の方に屈曲した状態。
原発性腋窩(えきか)多汗症=脇の下からの重度の多汗症。
斜視(しゃし)=目の筋肉の異常の為、一方の目がある目標を直視する時、他方の目がそれとは別方向を見るもの。両眼の視線が正しく見る目標に向かわない状態。

上記疾患には「ボトックスビスタ®注用50単位」は使用できません。

ボトックス注用50と100単位

各科専門医の疾患判断で、保険適用される「ボトックス®注用50単位又はボトックス®注用100単位」(処方箋医薬品)が使用されます。

「ボトックスビスタ®注用50単位」による「眉間の表情皺」と「目尻の表情皺」の除皺治療は、美容外科のほかに皮膚科でも実施しています。







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