持田製薬株式会社(本社:東京都新宿区)は、子宮内膜症治療剤「ディナゲスト錠1mg」及び「ディナゲストOD錠1mg」(一般名:ジエノゲスト)について12月2日、新たに「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」の効能・効果追加の承認を取得したと発表した。
子宮腺筋症は、子宮内膜、或いはその類似組織が、子宮体部筋層内に増殖する疾患で、月経時、日常生活に支障を来す程の強い疼痛を訴える事が多く、発症年齢のピークは40歳代で、閉経周辺期女性の15~20%が子宮腺筋症を有するとされています。
根治療法は外科的方法(手術療法)ですが、妊娠を希望する場合は、臨床症状の改善を目的とした内科的方法(ホルモン療法)が選択されます。
■ 子宮腺筋症の確定原因は不明である。
最も有力な説は、内膜基底層の腺管が筋層内へ、はまり込むとする説である‥‥。
子宮内膜――子宮筋層境界には、はっきりした組織学的境界構造は判別出来ないが、内膜腺組織が筋層内に向かって進入するのを阻止する機能があると推定されているが、この防御機能が、何らかの理由で、子宮内膜――子宮筋層境界が、内膜細胞の筋層側への進入を阻止出来なくなった時に子宮腺筋症が生じる。
この原因として、①境界面のバリア機能の破綻(帝王切開や子宮手術などの外傷)、②内膜細胞の浸潤能の亢進(内膜腺細胞の細胞活性の変化)、③浸潤阻止能力の低下(筋細胞や免疫担当細胞の変化)などが推定されている。
しかし、これまで子宮腺筋症の適応を持つ医薬品は無く、長期に安全に使用できる治療薬が求められていました。
「ディナゲスト錠」は、持田製薬株式会社がドイツ・イエナファーム社(JenaFarm=現:バイエル・ファーマAG社のグループ会社)より導入・開発し、2008年より国内販売している子宮内膜症治療剤です。
プロゲステロン受容体(黄体ホルモン,PgR)を選択的に活性化し、卵巣機能抑制作用、及び子宮内膜細胞増殖抑制作用を持つ事から、子宮腺筋症に伴う疼痛に対しても有効性が認められました。
【承認内容の概要】
今回、下線部が追加承認されました。
【販 売 名】 : ディナゲスト錠1mg/ディナゲストOD 錠1mg
【一 般 名】 : ジエノゲスト
【剤型・含量】 : 1錠中 ジエノゲスト1mg含有(錠剤)
【効能・効果】 : 子宮内膜症
子宮腺筋症に伴う疼痛の改善
【用法・用量】 : 通常、成人にはジエノゲストとして1日2mgを2回に分け、月経周期2~5日目より経口投与する。
【追加申請日】 : 2016年1月27日
【副作用】 : 服用中は通常の月経周期よりも子宮内膜が薄くて剥がれやすい状態になっているので、予期しない時に不正出血が起こりやすくなります。
医師の指示のもと、適切な指導を受けて下さい。